知的障害特別支援学校にいた頃。
IEP書式の解説と具体例です。
ある地域の幼稚園の特別支援教育担当部署のもの。
でも文言を変えればどこでも使えそう。
ホームページに置いてましたが、こっちにも書いておきます。
まず「解説」です。
−−−−−−−−−−−−−−−
書式についてはもとのを参考にhtmにしたもので、厳密に同じではありません。
また私用にしたため、「幼稚園」というところが「学校」に変わっています。
また幼稚園の相談教室ではこれ以外に、きちんとフォーマルなアセスメントも行われています。(すごい!!んじゃうちらの特別支援学級や特別支援学校は???(注・当時のある地域でも学校に進むと幼稚園から連絡はしているのに取り組みがなされていませんでした。そこが悩みの種だったそうです)
さて、解説(?)編です。
まず書式その1でやっていこうとするんだけど、どうもうまくいかないこともある、って話だったかな。で、その2以降が出てくるわけ。もちろん最終的にはその1にフィードバックされるんでしょうね。
今日報告して下さった方は、幼稚園での取り出し指導をしてはります。基本的に週1回だったのが、需要が増えてきて隔週とか3週に一度とかになってしまうのが悩みだとか。
取り出しをする時に保護者とも話をするのかな。
その時に「家でできること」も話し合うわけです。
そこでその2を話すだけでなく、お渡しもするのだと思う。
その2の2の「できることみつけじょうず」で、ほめられることを見つけよう、というわけですね。
その2の3「ほめじょうず」は、お子さんによってはほめられたことがわかりにくいお子さんもいるわけです。ですから、どうしたらほめたことがわかるのか、というところまで一緒に考えはります。
その2の4「たすけじょうず」は、できないことを無理矢理やらせたりすると次からやらないようになることもあるわけです。そういうことにならないために「追い込まないようにしようね」ということでもあるわけです。
で、その3の「ねがいさがし」になるわけです。
「できるようにしたいこと」を5つ書いてもらうわけです。で、それに順番をつけて頂くわけですね。また「なおしたいこと」つまり問題行動への対処の欄もあるわけですが、ここのスペースは小さい。これは「問題行動よりも、こんなことできたらいいなを主として考えていこう」というメッセージと受け取りました。
そしてその4の「好きなこと探し」です。
この中でそのお子さんのご褒美になることを探るわけですし、またその「好きなこと」も、年齢相応なことをしよう、周りが受け入れてくれることをしよう、と考えていくわけです。
で、じゃあ具体的にどうしましょうか、となった時にその5を使うわけです。取り組みと様子は、ご家庭で1月9日は○とか×とかいうふうに書いて頂くわけですね。もちろん、○がつくようにあれこれ考えるわけです。場合によっては「ちょっと声かけが必要だった」とかいう記述もあったりするかな。
コメンテータの先生からも、このその5をきちんと文章化することが大事ですね、というコメントがありました。そして記録を取る時は「(自己満足の)書くための」記録ではなく次の人に「読んでもらうための記録」を書きましょう、なんて話もありました(笑)
で、ここまではホームワーク(家でのこと)なわけですが、もちろんそれと合わせて幼稚園で例えば○5の例1で示したような服の課題のお子さんがいれば、「体重をはかりましょう」というような日課の中で衣服の着脱をやってみるわけです。
というふうに、家庭と園で相談しながら、教育内容を決めていくわけです。
ところでその3の5つの「できるようにさせたいこと」の文を挟んで教師と保護者が対面し、相談するわけです。でもちろん、具体的に短期的な目標としてどうすりゃいいんだあ、なんてのも出てくるわけです。そしてそれをあれこれすり合わせてその5の作成へと向かうわけですが、この作業はかなりたいへんだとか。
しかし、それをやるのが教師の仕事なんだろうな、というのが報告者さんの話でした。また、TEACCHって言うと構造化だ、個別課題だとか言われるけど、もちろんそれも大事だけど、それらをやった結果として生活を進めていくものでないと意味ないよね、という話があり、大きくうなづきました。
またコメントで
IEPってのは
・個別化されていること
・親と協力する(共同で判断していく。そのためには情報共有、情報公開が大切。また客観的な評価が大事)
・目標と課題(これをしぼりこんでいくことがむつかしい。で、あらかじめ決まったことがあるわけではない)
・継続性(学年を越えて、学校を越えて)
が大事ですね、なんて話がありました。
また「TEACCHって言うと構造化とか言われるけど、このIEP作りの段階がすごく大事なんですよ」という話もありました。
今日の報告、「この書式だったら私のところでもできる」と思えるのがすごく良かったです。何か、よそで見るのって「すごい(書くのがたいへん)」って思えるのが多いような気がして・・
何かねえ・・・いつも思うんだけれど、本当に研究会を始めて良かった、続けて来て良かった、つくづく思います。