※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年05月27日

好きかどうかわからないことへの参加をカードでうながすこと

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


※他の特別支援学校の先生とのやりとりです。

 ○○さん、どうもです。
 kingstoneです。

 >え〜と、kingstoneさんの自主研修会のお話のことです。カードを
 >移動先を伝えるためだけに使うのは、間違っていると言う話、移動先とそこでの
>活動が本人の望むコトコトなのか、ということを考えないといけないというと
>いうこと。
 >
 >1.2.3も分かるのですが、実際学校では、一時間目体育館で体育、
>二時間目どこそこの教室で課題別というような一日の流れがあって本人の
>望むと望まないとに関わらず行かなければならないと言うことが多いと思う
>のですが。

はい、そうですね。

 で、私の発言もすごく誤解をまねきやすいところだと思います。

 で、○○さんの引用にもありますように「だけ」に使うのは違うよ、と私は思っているわけです。

 >どういう訳か、いやだーと言っても、絶対あきらめて行ってくれるので助
 >かってます。嫌だけど、行けば何しに来てるか分かっているので、そのとき
>には、納得して参加できると言う感じです。
 >
 >始めは、そんな感じでやっていて、分かることが、主体的に参加出来ることに
>つながるというのも感じているこの頃なのですが。

で、参加している時に納得してくれているのならいいですね。
 私の周囲では納得できない場合もいやいや参加してくれていることが多いような気がするのです。

 で、いやいやかどうか、本人にストレスがたまっているかどうかは、注意深く見ているとわかりますよね。で、初回は仕方がないとして、では次回からは授業や集会どこを変えたらいいだろうか、とかスケジュールの提示が本当にわかっているのか、とかいろいろこちらが考えていかないといけないことだと思っています。

 しかし、それをせずに「我慢しなさい」だけでずっときている時間が私の周囲には多いような気がしてね。で、私自身もそうだったりするわけです。

 >もちろん、命令に従わせるだけに使うものではないですが、今、私は、大半
 >そういう使い方をしていて、学部集会とか、カード見ただけで嫌がって、
>キーと怒ったりするのだけど、だめだめとカードを提示し続けるという
>ことをしています。

これなんですけどね・・・私も自分の学校で似たようなことはあるわけです。
 でその時にね・・・なぜ学部集会が嫌なんだろう・・・そもそも学部集会が必要なんだろうか・・・と最近あれこれ考えるようになってきたわけです。

 私、世の中ってものは「そうでもあり、そうでもなし」だと思っているのですね。つまり「学部集会は必要」でもあり「学部集会は必要なし」でもあり。

 で「学部集会は必要なし」を考えてみると、確かにそういう集会って社会に参加する時にあんまし関係ないなあ、と最近思えるのです。必要なのはほとんど「学校文化」においてだけじゃないかなあ、なんてことを考えてしまいます。

 もちろん「集会」を魅力的にしていく努力も必要だし、現在私は「集会」が少しでもわかってもらえるように「視覚支援」をしようとしていたりしますが(「行事の視覚支援」の話を書いた頃は○○さんはまだ見ていなかったかな?)

 それから、私は朝日新聞厚生文化事業団の出しているビデオ(今はDVD)の「教師のためのTEACCHプログラム」でTEACCHで指導している学校に転校して来た子がまず教えてもらうのがゴーアウェイの使い方だ、というのに感動しました。

 自分が嫌な活動がある時にカードなりコミュニケーションボードなりで「出ていきたい」というのを示してカムダウンエリア(心を落ち着ける場所)に行く、という方法を教えるわけです。

 で実はこれは「じゃあ、嫌なことはしなくていいのか」という反論が出そうです。

 佐賀大学附属養護の服巻先生の実践のビデオだったかスライドを見せて頂いたことがあります。そのお子さんは嫌な活動に入れず、教室の外のイスに腰掛けています。

 で、そのイスの位置がだんだん教室に近くていいようになり、ついには教室に入って一緒に活動できるようになった、という例でした。

 これは私の体験にも近いものがあります。

 「本当に嫌なものなんかしなくていい」と思った上で、でももし良かったら参加してみたら、というふうに常にオープンに思っていたら、そしてその活動が本当にいいものだったら、「大丈夫」と思えたら最後には参加してくれるんじゃないか、と思っているんですね。

 もちろん「耐えさせて」「我慢させて」楽しさがわかっていく、という道もあると思います。しかし、私は最近は逆方向の、まず嫌なことは避けてもいい、というところから出発してみたいなあ、と思っていたりします。(どっちの道もあると思います)

 ところで、この夏のTEACCHの研修で、髭のジャック に「Go away の使い方について」聞いたら、「?いったい Go away って何だ?」とキョトンとされてしまいました(爆笑)

 私、ビデオで見て感動していたのに、むこうではあんましポピュラーじゃないのかしらん・・・・

 >それは、提示されるばかりではなく、先生に対して自分から同じように
 >カードを提示したりすることが自然に出てきたからです。

 わっ、すごいですね(ニコ)
 これが出てくると嬉しいですね。

 >なんだか、やっぱりキーボードを打つのが苦手で、打っているうちにわけ
 >わからんようになってきてしまいました。すみません。

あはは、お気になさらずに。
 でまた、たぶんすごく時間をかけて打って下さったことと思います。
 無理はなさらないでね。
posted by kingstone at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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