※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年05月11日

特殊教育学会にて 強度行動障害の人への対応に涙する

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 特殊教育学会では、口頭発表とポスター発表を時刻をにらみながら
走り回っています。

 2日目朝1番で行ったのに論文集が売り切れという馬鹿野郎状態で
したが、まあそれは置いといて・・・

 ポスター発表っていいですね。
 心ゆくまで話ができます。

 とにかくいろんな人としゃべっては、いろいろ考える・・・
 何かRPGをやってるみたいな・・・ってのはおたく的な感想でしょうか。
 たくさんの人に声をかけ、情報を集めています。

 で、やっぱり来て良かったとつくづく思います。

 やっぱり特別支援教育にかかわる教師は、よそでやってるいろんなことを
見て、聞いてしないとなあ、って思います。
−−−−−−−−−−−−−−−
 特殊教育学会のポスター発表から

愛知県心身障害者コロニーの不動学さんの
「強度行動障害を持つ施設入所者(自閉症)への支援」

 養護学校高等部卒業後、施設のみの生活となり、生活のリズムがつかめない
状態になり、睡眠障害もひどくなり、他害や破壊的行動・放尿放便などをする
ようになった、という方への取り組みです。

 厚生省の強度行動障害判定基準で22ということですが、この数字が
どれほどのものかは、私にはわかりません。

 しかし、ほぼ毎日の放尿、放便、きっと体も大きいしたいへんやった
やろな、というのは想像に固くありません。

 で、以前にはジグ(作業をどうやったらいいか、見てわかるようにしたもの)
も無く、構造化のゆるい作業で暴れるようなことがあり取り組みが中止になっ
たこともあったようです。

 で、作業のおりに3段BOXに実物を入れでスケジュールを知らせ、
また作業もジグを使って視覚的にわかりやすくして取り組むように
しました。

 で、作業そのものはできたみたいですが、かえって問題行動は増えて
います。どうも机で作業するという習慣はなかったようだし(机は食事
の時に使うものという感じか・・・)机があかんみたい。

 ということで、座卓を使って別室で作業するようにしました。

 場所の構造化、環境の構造化ですね。
 そこから劇的に問題行動が減ってきます。


 もちろんいろんな要因があります。それは不動さんも言ってはりました。

 また改善されていない行動もあるし、放尿・放便もまったく無くなった
わけではありません。でも本人にとって、そして施設職員さんにとって
すごく楽になったことは十分に感じとれました。

 そして、話が終わりかけた時に不意に波が来て涙が溢れてきました。
 不動さんは一言もそんなことはおっしゃらなかったけど、学校がもっと
彼のことを考えて、彼の可能性を広げる指導をしていたら・・・

 施設では時には彼を含めて1対13という時もある指導体制です。
 その中で苦しみながらの指導なわけです。
 
 ・・・・こんなこと言ってもしかたが無いのですが、
「養護学校、何しとったんじゃい!」

 うーーん・・・
 フィリピンのラモス元大統領はフィリピンの民主化に功績のあった
軍人さんですが、軍部独裁から民主化へ進むには軍を悪者にしては
いけないと言ってはります。よくわかります。しかし、つい私は
学校を悪者にしそうになってしまう。

 苦しいっす。



posted by kingstone at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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