※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年05月11日

ライトタイマーを使って機織りをする

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 今日、さをり織りの時間にライトタイマーを使ってみました。
$kingstone page-ライトタイマー
 A君には今までボビンに巻いている糸が無くなったら休憩、ということに
していました。無くなったら彼は休憩場所に行き、好きな本を読んだりし
ています。で、巻いた量が多かったら途中だれたりすることはあっても、
まあ頑張って最後までやります。でやり終えた時に「頑張ったね」と言う
とニコッとします。

 でもできたら「時間」で作業と休憩ができたらいいな、と思っていまし
た。そこでライトタイマーを使ってみました。

 機織り機の左上にLEDが縦に並んで見えるようにガムテープで固定しました。
$kingstone page-さをり織り
 最初は3分で。

 用意を調え、織り初めてから私がスタートスイッチを押しました。
 「緑まで来たら休憩」とは言っておきました。
 自分でもスタートスイッチを押して一度リセットしてしまったかな。
 
 でも赤いLEDがだんだん消えていくのはわかったようです。
 緑のLEDがつき、ブザーが鳴る(実は難聴の私には聞こえない)と
「頑張ったね」と声をかけ、休憩に。

 5分ほど休憩して、次は6分にセットして。
 これも順調にできました。

 また5分休んで次は20分に。
 そしたら、おいおい、手元に集中せずライトタイマーをチラチラという
かかなり見てました。でも、シャトルを通し間違えそうになっても、自分
で気づいて直していました。

 そしてLEDが1個消えた頃から、集中して織り始めました。
 で、今日はだれて声をかける場面が1回しかありませんでした。
 普段はもう少し多いように思います。

 20分たって終わった時、「頑張ったね」と声をかけると、ニコッとし
て「はい」と言いました!!これは初めてじゃないかな。普段はオウム返
しですから。

 次からは自分でスタートスイッチを押し、終わったら自分で止めるよう
にしたらいいですね。
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 A君、初回時に、めちゃあせって仕事してましたが、その状態は無くなり
ました。いつものマイペースに戻った、という感じです。でも、あせって
目を三角にして仕事をするよりその方がいいな、と思います。

 で、いくつかの大きな変化が生まれています。

 1.さをり織りをしている最中に寝ころぶことがなくなった。

 今までは、長い時間やっていると途中で寝ころぶことがありました。
 あきたのか、嫌になるのか、そこらへんはわかりませんが・・・
 私がいてもなったことがあるし、私がいなくてなったこともありました。
 でも、それは無くなりました。

 まあ・・・マイペースはほんまにマイペースで、時々声かけをしてしま
います。(「織る」という行為よりも、糸の美しさ(?)に見ほれること
があったりします)

 2.糸を巻く量が増えた。

 それまで、ボビンに巻いた糸を全部織り終わったら休憩としていました。
すると彼は、ボビンに新しく糸を巻く時に、もともと糸の量の少ないもの
を選んで、かつそれを少しだけ巻く、ということをやっていました。

 で私が「もっと」と言ってたくさん巻かせると「もっと!もっと!」と
泣きそうな声を出しながら巻いていました。しかし、今はどんな量の糸で
も良くなって、自分で適量ボビンに巻くようになりました。

 それから一番最初はごく短い時間からスタートし、こないだまでは20
分を2セットでやっていましたが、今は45分1セットでできるようにな
りました。

 終わった時にすごくいい顔をしますし、またノートに描いた「にこにこ
マーク」「別にマーク」「しかめっ面マーク」を見せながら「さをりどう
やった?」と尋ねると「にこにこマーク」を見て「楽しかった」と言葉で
言います。

 別のお一人の方も、奇声などが少なくなったような気はします。
 (ちゃんとデータ取ってないからなあ・・・・)
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うーーむ・・・途中、手が止まるのは相当でした。そこでタイマーのセッ
トを6分ほどにして何セッションかやってみました。少なくとも今日の2
セッション目は何も言わなくてもよく手が動くようになりました。

時間の見通しを立てる。機器や紙に描くことで。
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追記
 最初のから最後まで約2ケ月です。






posted by kingstone at 07:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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