知的障害特別支援学校にいた頃。
今日、さをり織りの時間にライトタイマーを使ってみました。
A君には今までボビンに巻いている糸が無くなったら休憩、ということに
していました。無くなったら彼は休憩場所に行き、好きな本を読んだりし
ています。で、巻いた量が多かったら途中だれたりすることはあっても、
まあ頑張って最後までやります。でやり終えた時に「頑張ったね」と言う
とニコッとします。
でもできたら「時間」で作業と休憩ができたらいいな、と思っていまし
た。そこでライトタイマーを使ってみました。
機織り機の左上にLEDが縦に並んで見えるようにガムテープで固定しました。
最初は3分で。
用意を調え、織り初めてから私がスタートスイッチを押しました。
「緑まで来たら休憩」とは言っておきました。
自分でもスタートスイッチを押して一度リセットしてしまったかな。
でも赤いLEDがだんだん消えていくのはわかったようです。
緑のLEDがつき、ブザーが鳴る(実は難聴の私には聞こえない)と
「頑張ったね」と声をかけ、休憩に。
5分ほど休憩して、次は6分にセットして。
これも順調にできました。
また5分休んで次は20分に。
そしたら、おいおい、手元に集中せずライトタイマーをチラチラという
かかなり見てました。でも、シャトルを通し間違えそうになっても、自分
で気づいて直していました。
そしてLEDが1個消えた頃から、集中して織り始めました。
で、今日はだれて声をかける場面が1回しかありませんでした。
普段はもう少し多いように思います。
20分たって終わった時、「頑張ったね」と声をかけると、ニコッとし
て「はい」と言いました!!これは初めてじゃないかな。普段はオウム返
しですから。
次からは自分でスタートスイッチを押し、終わったら自分で止めるよう
にしたらいいですね。
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A君、初回時に、めちゃあせって仕事してましたが、その状態は無くなり
ました。いつものマイペースに戻った、という感じです。でも、あせって
目を三角にして仕事をするよりその方がいいな、と思います。
で、いくつかの大きな変化が生まれています。
1.さをり織りをしている最中に寝ころぶことがなくなった。
今までは、長い時間やっていると途中で寝ころぶことがありました。
あきたのか、嫌になるのか、そこらへんはわかりませんが・・・
私がいてもなったことがあるし、私がいなくてなったこともありました。
でも、それは無くなりました。
まあ・・・マイペースはほんまにマイペースで、時々声かけをしてしま
います。(「織る」という行為よりも、糸の美しさ(?)に見ほれること
があったりします)
2.糸を巻く量が増えた。
それまで、ボビンに巻いた糸を全部織り終わったら休憩としていました。
すると彼は、ボビンに新しく糸を巻く時に、もともと糸の量の少ないもの
を選んで、かつそれを少しだけ巻く、ということをやっていました。
で私が「もっと」と言ってたくさん巻かせると「もっと!もっと!」と
泣きそうな声を出しながら巻いていました。しかし、今はどんな量の糸で
も良くなって、自分で適量ボビンに巻くようになりました。
それから一番最初はごく短い時間からスタートし、こないだまでは20
分を2セットでやっていましたが、今は45分1セットでできるようにな
りました。
終わった時にすごくいい顔をしますし、またノートに描いた「にこにこ
マーク」「別にマーク」「しかめっ面マーク」を見せながら「さをりどう
やった?」と尋ねると「にこにこマーク」を見て「楽しかった」と言葉で
言います。
別のお一人の方も、奇声などが少なくなったような気はします。
(ちゃんとデータ取ってないからなあ・・・・)
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うーーむ・・・途中、手が止まるのは相当でした。そこでタイマーのセッ
トを6分ほどにして何セッションかやってみました。少なくとも今日の2
セッション目は何も言わなくてもよく手が動くようになりました。
時間の見通しを立てる。機器や紙に描くことで。
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追記
最初のから最後まで約2ケ月です。