※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月30日

2年前の卒業式練習(私がA君を怖い顔をして叩いていたこと)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 一連の「卒業式シリーズ」なんか、私がカッコイイですね(^-^)

 で、丁度このシリーズの2年前の卒業式練習の時の記録が残って
います。登場人物は同じA君です。私は、初めてTEACCHの2日
間セミナーに行った後で、自立課題学習も少しは始め、靴を脱ぐ場
所には目印をつける、とかはやっていたころ。まだスケジュールは
取り入れてなかった頃です。

 卒業式の練習をしています。

 在校生のA君も出席します。

 1回目の練習の時は途中で何度も「うんどうじょう」と言って
運動場に遊びに行きたがりました。

 で今日は始めに

 「しきのあいだしっかりすわっています」
 「あとでうんどうじょうであそびます」

 と書いた紙を見せました。そのせいか、単に慣れただけなのか、
今日は「うんどうじょう」と言って立ち上がることはありません
でした。

 ところが・・・途中で隣に座っている私の膝の上に足をのっけ
ようとします。退屈で甘えてきたのでしょう。こわい顔をして
「ちゃんとすわります」と言っても駄目。

 でついにA君の手のひらを「パチン」とたたきかつこわい顔で
「ちゃんとすわります」と言うといい姿勢で座りました。

 ところが・・・だいぶたってからまたこちらの膝に足をのっけ
ようとし、手のひらを私の方に出して「パチン」と言います。
「パチンして」という感じ・・・まいりました。
 行儀よく座ってるよりこうやって遊んでる方が楽しいよ、という
ことかな。

 ううう、どうすりゃいいんだ。
 まあ、何やかややりとりしながら最後までもたせましたけど。

 まあA君にとって式はあんまし面白くないわなあ・・・。
 でも卒業式だもんなあ・・・。

 また何かいい方法があったら教えて下さい。
−−−−−−−−−−−−−−−
 これには長いことレスがつきませんでした。

 私は確かに「困って」いましたが、障害児教育フォーラムに書きこめる
くらいですから「本当に混乱し困っていた」という状態では無かったと思
います。そういう状態だと公開の場に書けないですから。ちょっとした
「ほのぼのエピソード」くらいの気持ちであったかもしれません。

 保護者もこの記事を読んでおられましたが、笑顔で
「家でもパチンしちゃうんですよー」なんて言って下さってました。


 しばらくたってからレスがつきました。もう今は高名となられたお医者
様です。今は掲示板にレスをつけるなんて時間はとても無いと思いますが、
当時はつけて下さったのですね。長い丁寧なものでした。全文引用したい
ですが、そうもいきません。かいつまんで書きます。

 まずTEACCHの視点から見たとき、という断り書きが入ります。
 その上で

・スケジュールで見通しをたてることの大切さ。
・式の内容がわからないなら、わかって楽しめる物を持ち込む。

を教えて下さいました。そしてその上で「嫌なら嫌と表現できる(そして
もちろん実現できる)」ことの大切さ。表現コミュニケーションができる
ことは権利擁護(アドボカシー)のためにも大切、というようなことを教
えて頂きました。

 最後に感慨として「学校では式が多いけど、自閉症の文化には脅威かも」
と述べてはりました。

 すごくありがたいレスでした。
 ここからまた私はあれこれ考えるようになります。
 それが2年後の卒業式にもつながっていくわけです。









posted by kingstone at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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