知的障害特別支援学校にいた頃。
一連の「卒業式シリーズ」なんか、私がカッコイイですね(^-^)
で、丁度このシリーズの2年前の卒業式練習の時の記録が残って
います。登場人物は同じA君です。私は、初めてTEACCHの2日
間セミナーに行った後で、自立課題学習も少しは始め、靴を脱ぐ場
所には目印をつける、とかはやっていたころ。まだスケジュールは
取り入れてなかった頃です。
卒業式の練習をしています。
在校生のA君も出席します。
1回目の練習の時は途中で何度も「うんどうじょう」と言って
運動場に遊びに行きたがりました。
で今日は始めに
「しきのあいだしっかりすわっています」
「あとでうんどうじょうであそびます」
と書いた紙を見せました。そのせいか、単に慣れただけなのか、
今日は「うんどうじょう」と言って立ち上がることはありません
でした。
ところが・・・途中で隣に座っている私の膝の上に足をのっけ
ようとします。退屈で甘えてきたのでしょう。こわい顔をして
「ちゃんとすわります」と言っても駄目。
でついにA君の手のひらを「パチン」とたたきかつこわい顔で
「ちゃんとすわります」と言うといい姿勢で座りました。
ところが・・・だいぶたってからまたこちらの膝に足をのっけ
ようとし、手のひらを私の方に出して「パチン」と言います。
「パチンして」という感じ・・・まいりました。
行儀よく座ってるよりこうやって遊んでる方が楽しいよ、という
ことかな。
ううう、どうすりゃいいんだ。
まあ、何やかややりとりしながら最後までもたせましたけど。
まあA君にとって式はあんまし面白くないわなあ・・・。
でも卒業式だもんなあ・・・。
また何かいい方法があったら教えて下さい。
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これには長いことレスがつきませんでした。
私は確かに「困って」いましたが、障害児教育フォーラムに書きこめる
くらいですから「本当に混乱し困っていた」という状態では無かったと思
います。そういう状態だと公開の場に書けないですから。ちょっとした
「ほのぼのエピソード」くらいの気持ちであったかもしれません。
保護者もこの記事を読んでおられましたが、笑顔で
「家でもパチンしちゃうんですよー」なんて言って下さってました。
しばらくたってからレスがつきました。もう今は高名となられたお医者
様です。今は掲示板にレスをつけるなんて時間はとても無いと思いますが、
当時はつけて下さったのですね。長い丁寧なものでした。全文引用したい
ですが、そうもいきません。かいつまんで書きます。
まずTEACCHの視点から見たとき、という断り書きが入ります。
その上で
・スケジュールで見通しをたてることの大切さ。
・式の内容がわからないなら、わかって楽しめる物を持ち込む。
を教えて下さいました。そしてその上で「嫌なら嫌と表現できる(そして
もちろん実現できる)」ことの大切さ。表現コミュニケーションができる
ことは権利擁護(アドボカシー)のためにも大切、というようなことを教
えて頂きました。
最後に感慨として「学校では式が多いけど、自閉症の文化には脅威かも」
と述べてはりました。
すごくありがたいレスでした。
ここからまた私はあれこれ考えるようになります。
それが2年後の卒業式にもつながっていくわけです。