※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月29日

機能的なコミュニケーションを獲得するために(この場合は音声言語)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


○○さん、こんにちは。
 kingstoneです。

 >□□は簡単な言葉は、理解できるのですが、なかなか自分からことばがでな
 >い状態です。カードを使って名詞を聞くと、単語は出るのですが、それが使い
 >こなせない状態です。幼稚園に行っている間は、全く言葉を発しないようで、
 >療育の時に見学にこられた担任の先生がカードの単語を話しているマリオを見
 >て、びっくりされていました。先日、山登りに行った時は、「あぶない。あぶ
 >ない。」と言うマリオを見て、教頭先生がマリオくんにあぶないと教えても
 >らったとびっくりされてました。(それだけ、幼稚園では話していないようで
 >す)
 >
 >とっちゃった、ないよとか、破れちゃったとか、1語分がやっとでてきたかな
 >という感じです。状況には、あっています。
 >こんな状態で、会話可能になるのか、非常に心配です。視覚優位は、マリオに
 >もあって、パズルは得意な方で、ひらがな、アルファベット、数字は3歳過ぎ
 >には覚えました。でも、数字の概念は理解できていません。

 □□君、すごーい!!

 でですね、カードを見せたら名詞を言う、というのもいいのですが、別に
名詞を言ってもらうことにこだわらず、カードでこれから行くところを示す、
だとか□□君の好きなおやつのカード(写真・絵と文字も併用して)を2〜
3枚用意してその中からひとつ選ぶだとか、はたまたそのカードを見て
「音声言語で言った」方をあげるとか、そんないろいろなことに取り組んで
みたられてはどうでしょうか。

 上の段落の後半は「機能的(役に立つ、とか実際使える、とかいう意味)
な要求言語を使えるようにしよう」という試みです。

 「音声言語」が使えるお子さんでも言えるための何らかの視覚的手がかり
があると適切な「音声言語」が使いやすく、そして使う頻度が上がるほど、
逆に視覚的手がかりがだんだん必要でなくなる、というのを私も体験して
います。(必要で無くなる、というのはその手がかりを見ないでも音声言語
を出せる、という意味です。不思議なことにそれを例えば束にして腰につけ
ているとか、ウエストポーチに入れている、とか、かばんに入れて持っている
とか、いうのはあったほうがいいみたいです)

 そして折角「音声言語」がどんどん出るようになったのに、視覚的てがかり
を用意するのをやめたら「音声言語」がどんどん減った、というのも・・・
これも残念ながら体験しています。

 様子を読ませて頂いた限りでは、□□君にとってはものすごく有効なん
じゃないかな、と思います。
−−−−−−−−−−−−−−−
追記
 何かPECSの薦め、みたいな感じですね。私がPECSを知るのは数年後
です。「PECSは私がやり出した」なんて言ったら馬鹿ですが(^O^)

 当時TEACCHを学び、応用行動分析を少しかじったら、この程度のこと
は言えた、ということでしょう。で、たぶん同じようなことに気づいていた人
はたくさんいたことでしょう。

 確かに言えるのは、この後、私は実践の中で、この考え方を洗練させたり、
展開してりはできなかった、ということ。周囲を説得できなかったわけですか
ら。

PECSについて

 おっと、ここまで書いてきて・・PECSは音声言語には全然こだわって
ないんだった。(こだわらない、ってことね。使っちゃダメ、とかじゃなく)




 


posted by kingstone at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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