私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月29日

ズボンをはく時の介助

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 ある方への手紙です。
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ズボンをはくことについて


 ズボンをはく取り組みをして下さってありがとうございます。
 実は「ズボンをはく」というのは、とてもたくさんのことができてはじめて
できることです。最初から「一人で指示なしでズボンをはく」というのはとても
難しいことで、それを最初から目標に掲げると「できない」ということになって、
お子さまもお母さんも意気消沈となりかねません。
 しかし、たくさんの小さなことに分けて考えてみると、できることがたくさん
見えてきて、お子さまもほめられ、お母さんも嬉しい、ということになります。

 ちょっと私の分けて考えている点を、ズボンをはく、という場面だけに限って
書いてみます。(実はその前の段階からずっと続いているのでその部分だけ切り
離しては考えていません)

【事前の準備】
いつも更衣をする場所(イス)を決めておき、この時刻、ここは更衣の
場所、というのを意識づけておく。(このイスはこれ以外には使っていま
せん。ご家庭でする場合は、例えば食卓のイスをある場所に持ってきたら
それは着替え、そしてそれが終わったらイスはもとに戻す、とかすると同じ
ような意識づけができ、場所もとらずにすむかな、と思います)

【指導開始前の状態】
ズボンを脱いだ状態でイスに座っている。
床にズボンを置いている。
私は左前に立っているか立て膝で座っている。
(この状態で今までは私を見て右足を上げていました。つまりズボンを
はく、というのは分かっているのではないか、指導すれば一人ではける
のではないか、と考えました)

 それぞれのところで、できなかった時に私が行う手順を書いていますが、
例えばアでできればイは行わず次のところに進むわけです。アでできなければ、
イをやって、それでもできなければウをやって、とやっていきます。またアから
イとやっていく時、どの場合でも5〜10秒、あるいはそれ以上待ち時間を
入れます。

1.ズボンを見る。
  できたこともある。
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.10秒なにもしないで待つ
    イ.「ズボンはくよ」と声をかける
    ウ.ズボンを指さす
    エ.Vサインを作り彼の目のところからズボンに動かす

2.ズボンに手を伸ばす。
  できたこともある
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.「ズボン」と言う。
    イ.指さししながら「ズボン」と言う
    ウ.彼の左手上腕部を軽く持って5cmほどズボンの方向に動かす。
    エ.彼の左手上腕部を軽く持ってズボンのところに手を持ってくる。

3.ズボンを掴む。
  2まで来れば、たいていできる。
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.てのひらを下に向け、ズボンの上に手を置く。
    イ.手に掴ませる。

4.ズボンを持ち直して腰の左右の部分を持つ。
  できたこともある(これはかなり難しい)
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.片手ずつ腰の所へ手を持っていく
    イ.手にズボンの腰のところを持たせる

5.右足を両手の間に上げる
  できたこともある(これはかなり難しい。両手の外側、から足を入れようとする)
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.上げた足を軽く引っ張り下ろさせる
    イ.足を軽く持ち、両手の間に上げさせる

6.右足を通す。
  できたこともある(ズボンの足を通す所の左右を間違えやすい)
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.左右を間違えている場合はズボンをひねって正しく入れられるように
      介助する

7.左足を通す。
  6.までくればたいていできる。
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.足が正しい穴に入るように足を軽く持って誘導する

8.足先を通す。
  できたこともある
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.軽くすそを持って引っ張り上げる

9.立ち上がって腰のところを引き上げる。
  最後のところまできっちり上げるのは難しい
  できなかった時、私が以下の手順を行う
    ア.両手をズボンの前の部分に持っていく
    イ.両手でズボンの前の部分を持たせる
    ウ.持たせると引っ張り上げようとするので私が後ろを引っ張り上げる
    エ.最後に私が上衣と重ね合わせてできあがり

 というふうにやっているわけです。3月7日の帰りの時は本当に何も手伝わず
できてしまいびっくりしました。(私がよそ見をしている間にできてしまった)
しかしそうでない時も、それぞれの番号のところで「できる」ことがあります
から、その部分で「えらいなあ」とほめてあげることができます。またこちらも
「ここまでできるんだなあ」と嬉しくなります。そうなるとまた続けてみようと
元気が出てきます。

 わかりにくい点もたくさんあると思います。
 また質問して下さい。
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 ふむ・・・視覚支援はほとんど使っていないなあ・・・

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追記
 3月7日というエピソードを見ると、根本的に、もっと「ほったらかしにする」
が必要だったかも・・・・

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○○さん、こんにちは。

そうですね。逆から進むほうがいいかな。

 >要は、どこが難しくてできないかといったことを課題分析で評価し、またはどの
 >部分なら出来るといったことを評価して、出来る部分まで介助しないということ
 >が原則です。

 ですね。それともうひとつ、できたところをほめてあげようよ、
これだけできるんだということをお互いみとめあおうよ、という
わけです。どうしても周囲のみなさんが「できない」という
見方で見ようとしてしまいがちですから。

 >KING STONE さんのように、ズボンを履くのに椅子を用意することは、履きやす
 >い環境を設定する上で、非常に大切な配慮です。指導する中で、こういうことに
 >気がつく人って、結構少ないように思います。

 もちろん人によって(お子さんによって)違ってくるでしょうけど。
 人によっては「バランスをとって立っていることがたいへん」という
かただっておられますから。




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