私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月24日

コミュニケーション指導の質問に答える

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 いくつか質問や疑問が上がってきたので、こちらにまとめて回答します。
 それぞれには直接答えたのですが、舌足らずな部分もありますので。
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1.
「現在、移動のみにカードを使っています。嫌がったりするのですが、
 最終的には納得してくれます。」
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 移動にカードを使うのは、例えばどこに行けばいいのかわからなくて、
移動できない方に、1.本人にわかりやすくする、のために使うのは
いいことですね。私も「それだけ」に使うのは良くない、というふうに
書いているように他の方法と併用するならいいと思っています。

 カードを呈示して行き先をつげる、というのは「○○へ行ってね」
であると同時に「○○へ行け」でもあります。それ「だけ」の使い方って
いうのはやはり疑問だったりします。

 2.本人が少しでも自立的に動けるよう。
 3.本人の自発的な表現を少しでも増やすよう。

 というのも一緒にやっていかないとなあ、と思います。

 また「嫌がる」というのはなぜでしょうか?

 「わからなくて混乱する」
 「そこでやることが嫌だ」
 「とりあえず今やっていることを続けたい」

 いろんな理由が考えられます。ひとつひとつ、対応を考えていく
必要はあると思います。

 そして、嫌がるというのもひとつの意思表示です。その意思表示を受け
とめた上で、やりとりして「別のところにいていい」から「我慢してする」
までこちらも何をねらってするのかを考えておかないといけませんね。

 ただ「我慢ばかり」の人生は直感的に嫌だなあ、と思います。

(とか言いながら、今日も別の場所に行きたがる子を「そっちに行っては
 ダメ」でつっぱねて、泣かせました。もちろん選択肢は与えて、そのうち
 の一つを選んでくれましたが・・)

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2.
>をねらってあれこれ考えるわけです。でそのためには音声言語を使おう
>が、カードを使おうが、サインを使おうが、具体物を使おうが構わない
>わけです。

ほんとうに何でも使っていいのでしょうか。混乱させたり、指示待ちに
させたりしないのでしょうか。アセスメントが必要では。
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この方の危惧もよくわかります。実は私の文は自分の力であれこれ考えて
頂ける人を対象にしているなあ、とつくづく思いました。つまり

「混乱させる」→1.本人にわかりやすく、ができていない。
「指示待ちにする」→2.本人が少しでも自立的に動けるように、が
            できていない。

 で、「混乱」したり「指示待ち」になったりしたら、その原因がどこに
あるのかを考えて、それがもし「音声言語による指示」によるものだと
したら「音声言語」以外の方法を考えないといけないわけです。

 つまり、それがアセスメントですよね。
 それができる人を前提とした話でした。

 ですから「人間は音声言語でコミュニケーションできて当たり前」
「他の方法はめんどくさいから準備もしたくないし、使いたくない」
「混乱の理由なんか考えず、とにかく我慢させる」というタイプの
人に話す場合は、「何を使ってもいいよ」と言ったら、「ほーらみろ。
だから言葉で言うの。わからなかったら我慢させるの」となる危険性
は大です。

 こういう方には対象のお子さんに音声言語以外の方法が実用的に使える
レベルにまでしておいた上で「このカードを使ってね」とか「このサインを
使ってね」とか言わないと仕方ないでしょうね。(でも、そのお子さん
だって使い方を誤らなければ音声言語(そしてその時の雰囲気)で何か
をうまく伝えられることもあると思うから、音声言語を使わないで、
というのは嫌なんですが・・・)

ps. うーーん、やっぱり舌足らずだ・・・



posted by kingstone at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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