※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月23日

お子さんに合った対応を 自閉症という言葉

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


※ある知的障害特別支援学校の先生からの相談に答えたものです。

○○さん、こんにちは。
 kingstoneと申します。

 > みなさんのまわりに、こういった特徴を示す子どもはいないでしょ
 >うか?いる場合、どんな方法でつきあっていらっしゃるでしょうか?

 います。
 私の担当しているお子さんでもなく、私と接する機会は少なかったです。

 で、「普通の児童に接するような」対応がとられていました。
 そしてまあ私の想像ですが、「それ故に」「問題行動出しまくり」状態に
なっていたと思います。

 ○○さんの場合は、うまくいっている対応もあるのですから、
そのうまくいった理由を分析して、それを生活全般に広げていく工夫を
されてみたらどうでしょうか。自閉症かどうかはとりあえず置いておいて。

 実際、自閉症かどうかの診断は教師には許されていませんし、お医者様に
とってもかなり難しいものであるようです。(つまり、そのお子さんが
自閉症という診断を頂いてなくても、診たお医者様がきちんと診断できる
力を持っていたかどうか、あるいはわかっていても「自閉症」という言葉を
使ってはいけない、という考え方の持ち主でなかったか、いろんな場合
が考えられます)

 また自閉症かどうかは置いておいて、というのは、「自閉症」という言葉に
抵抗がある方への配慮です。
 私だったら「自閉症」あるいは「その周辺のコミュニケーション障害」
のお子さんとしての対応をしようと思います。まあ、だから結局自閉症か
どうかはあんまし関係ない、という話になるのですが。
−−−−−−−−−−−−−−−
 > 確かにそうですね。「自閉症」ということばに少しこだわり過ぎていたみた
 >いです。

 ここんとこ、むつかしいところですね。
 実は私は徹底的にこだわります。少なくとも現在の日本ではその方が良い
と思われるからです。

 「診断名にこだわらず」というのは、私にとっても理想です。
 また多くの方が「こだわらず」とおっしゃいます。しかし、その方たちの
多くは「自閉症」についてあまり多くを学ばれておられないように見受けられ
ます。

 「こだわらず」というのはしっかり勉強した上で、いろんな対応もできる
ようになって、その上での「こだわらず」だと思うのですね。

 例えば前の発言で少し書いた方の場合、健常なお子さんに対するように
「音声言語のみの指示」
「特段の視覚支援は使わない(しゃべれてるんだからことばがわかっている
はずだ)」
「問題行動を起こした場合は音声言語で叱ることによって理解させる」
「行事の練習など、本人が終わったと思っても教師が終わったと思うまでは
 繰り返しがまんして練習させる」

などの対応が取られていました。そして問題行動がそれこそ問題になった時、
多くの教師で話し合った結論が「愛情を持って接しましょう」

 私は思わず切れてしまって「みなさん、今まで愛情無かったんですか?」
という突っ込みを入れてしまいました。

 そうじゃないはずです。無かったのは「愛情」ではなく「自閉症」に
対する理解と、それに基づく対応のはずです。で、その後、校内で
自主研修会を主催することになってしまいました。

 >最近、その子を追い詰めてしまう事が多くて、落ち込んで
 >いたところです。

 「うまくいく対応」もあるということですからその分析も必要ですね。
そして「追い詰めて」しまうことが多いなら、どういう場合なのか、それが
何故なのかの分析も必要ですね。

 別に「自閉症」とみなくても、上記の分析から必然的にやるべきこと
はわかってくると思うし、周囲の方も納得しやすいと思います。で、
その時にその子が「できない」「やらない」「追い詰められて○○になる」
とかいう状況になる理由を「さぼり」「なまけ」「親の躾のせい」とは
考えないで、別の理由、対応方法を考えて欲しいわけです。

 しかし、私なら「自閉症」か「その周辺のコミュニケーション障害」
とまず考え、そこから手だてを講じてみて、でその中からうまくいく
こととうまくいかないことを見つけて、また考えていく、という方法
を取りますが。たぶんその方が簡単ですから。

 また私の対応としてはたぶん
「スケジュールを目で見てわかりやすくする」
「やるべきことが、そして量が、目で見てわかるようにする
(それが終わったら休憩して良い)」
「いろいろなことを伝えるのにできるだけ目で見てわかりやすくする」
などの対応になると思います。

 で、結局のところ、こういう対応はそれこそ「自閉症にこだわらず」
誰にでも適切な対応だと思われます。

 何て言ってもね・・・私も学校でうまくできているわけではありません。
 「行事の視覚支援」で書いたように、やっと行事の視覚支援も始めたばかりだし・・
(よう、今まで子どもたちみんな我慢してくれていたよなあ・・・)

 また、今までの学校の流れ(文化)の中で、私がうまくできていない
こともたくさんあります。

 > ありがとうございました。また、がんばってみます。

 あんましがんばんないほうがいいかも(ニコ)
 私の周囲ではやっている言葉「脱力系で行こう」
 がんばるとお互いしんどいかも。




posted by kingstone at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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