私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月23日

コミュニケーション指導の始めに

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 情報共有のために書いた文です。

○年生のみなさんへ
                          文責・kingstone

具体物やカードでのコミュニケーションを教える時に

1.できていることから始める
2.変えるところはひとつだけ

 コミュニケーションには大きくわけて「受容性(こちらの言ったり指示した
ことが本人にわかる)」と「表現(本人からこちらに伝える)」の2つが
あります。この2つの能力は全然別のものと考えた方がいいようです。

 現在の□年生の取り組みは、2年前の11月頃からだと思うのですが、まず
1日の流れをホワイトボード上にカードで示すところから始めました。
「受容性」ですね。しかしこれはほとんどA君にのみ有効だったような気が
します。最近、C君も意識しだしたようで体重測定の日に保健室マークを見て
指示なしで保健室まで行っていたこともありました。まあでもみんなに対して
もやらないよりやった方がいいと思っています。

 C君及び他の子どもたちに本格的にカードで「次に行く所」を伝えだしたの
は、昨年9月から「教室へ(ゴールドカード)」「体育館へ(走っている人の
絵)」からです。(しかし、今から思うと、この「ゴールドカード」と走って
いる人というのはあまり良く無かったかな、と思います)

 実はC君は「朝の会の後、体育館に一人で行く」というのはできていました。
(と見えました)しかし、今まで「カードを持って示された所に行く」という
ことはやったことがないわけです。そこで今まで「指示無しで体育館に行く」
としていたのを「カードを持って体育館に行く」に、一つだけ方法を変えたわ
けです。

 なお、それまで体育館に一人で行けていたのも、ちゃんとわかって行けて
いたかどうかは疑問です。何故なら朝はみんなが体育館に向かいます。だから
その流れを見て、自分で判断して行っていた可能性が大です。ですから「集会」
が終わった後は、目の前の人たちが進む方向に一緒に行き、他学年のところに
行くことが多かったです。

 これをやり始めてから、もともとできていたことだから、すぐできるように
なりましたが、表情がすごく明るくなったのが印象的でした。

 その後「受容性」「表現」ともにいろいろ取り組んでできるようになって
来ています。

 次にF君の「表現」の例。

 F君は音楽が大好きです。掃除ロッカーの上のヘッドフォンステレオの方に
手を伸ばして「アウッ」と言う、というのはできていました。そこで、
ドレミファドーナツのカードを持って来たら聞かせてあげる、というのを
やっていました。しかし定着しかけたかな、と思うとでもやっぱり直接
そっちを見ながら声を出す、という手段の方が多いし、こらあっていない
かなあ、と思っていました。

 しかし、2学期初日、全然別のところにいた私にF君がわざわざ
ドレミファドーナツのカードを持って来たので、こら、やっぱりやってみる
価値あるなあ、と思い、また始めてみました。

 で、ある程度定着したようです。

 つまり「身振りと発声」でできていた「要求」行為を「カード呈示」での
「要求」行為に変えてみたわけです。この場合も「できている」ことの中で
「ひとつだけ」変えたわけです。

 現在は、彼の好きなおもちゃ「ハンディカラオケ」「ワイヤレスヘッドホン」
「ガラガラ」「ペットボトル」と4つを写真に撮り、パウチをして磁石をつけ、
ホワイトボードにつけて選んでもらうようにしています。

 それぞれは的確に選んでいるようです。ただし、現在「ワイヤレスヘッド
ホン」を壊してしまっていて、そのカードを出してあげられないのですが、
するとそこらへんにあるものを何でも渡して「ヘッドホン頂戴」と言って
いるようです。

 あり?今、思い出しましたがC君の場合は「カードを持って指示された所へ
行く」というのの一番最初は2年前11月からで「課題学習の自分の机に行く」
からでした。


posted by kingstone at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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