知的障害特別支援学校にいた頃。
□□さん、こんにちは。
>実は、PICシンボルにこだわらないということで、
>○○君のコミュニケーションブックが
>デジカメで撮った写真に変わったんです。
○○君が使いこなせるといいですね。(ニコ)
でも、やはり疑問なのは、○○君は「お茶が欲しい」はブックで
示せるが、他はまだ・・・ということなら、1枚物の写真なりから
スタートする必要は無いのかな??
もちろん、いきなり「ブック」を渡して使えるお子さんも
おられるとは思います。でも私の周囲では少ないかな・・・
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>いきなりブックってのも無理なんですか?
いえ、それもお子さんによるとは思います。
ただその場合もそのひとりのお子さんのために相当考え抜かれた絵
や写真の配列が無いと難しいかなあ・・・
今回、夏にTEACCHの研修に行った時に、何度も強調されていたのが、
「(指導するさいに)変えるところはひとつだけ」ってことです。
例を考えてみると、こんな流れが思い浮かびます。
実物を指さすことでお茶を飲む要求を伝えられる。
↓
写真を指さすことでお茶を飲む要求を伝えられる。
↓
写真を指さすことでトランポリンをする要求を伝えられる。
↓
写真を複数リングでとじて身につけ、それをめくって要求が伝えられる。
↓
1枚のカードに二つの異なる要求(今までは1枚ずつに描いていたもの)
を描いておき、それを指さして要求が伝えられる。
↓
ブックの中の絵や写真を指さして要求が伝えられる。
また肢体不自由特別支援学校で私がコミュニケーションをとる時に使用
していたサウンズアンドシンボルズというのがあります。これ32個の
シンボルからなっています。
よくある失敗は、今までそんなの勉強したことのないお子さんの目の前に
いきなり32個描いてあるボードを広げ「さあコミュニケーションしよう」
っていうやつ。
子どもはわけがわからなくてコミュニケーションどころではなくなります。
それやる前に、ひとつひとつのシンボルについてゲームをしたりして、
楽しみながら身につけておかないと難しいわけですね。
そうそう、先日の坂井聡先生の講演では、ブックに行く前段階の取り組み
としてスケジュールをシンボルで表し、それを理解し子どもたちが
使えるようになるところからスタートした、というお話がありました。
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今日、某所で、生まれて始めてブックを使った自閉症の方が、
どんどんうまく使えてしまった、という話を聞きました。
なるほどなあ、です。
そういう例もやっぱりあるんですよね。
ちょっとした支えがあれば、そしてその支えがよくできたもの
であれば、びっくりするくらいの力を見せて下さる、という例に
思えました。
もちろん、基本は「その方に今何ができるか、何ができかけてるか」
のアセスメントだと思いますし、それに基づいて実践を積み上げて
いく必要があるとは思います。
そういう例があるから、といって、みんなにいきなりブックでは、
失敗例を増やすことになりそうな気がします。