※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月22日

校外ランニング

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 C君はみんなでランニングをする時になかなか走りません。

 体育館で走る時は、座り込んでいたこともあったので、旗を10本
持たせ、1周するたびに旗を1本、缶に入れていく、というのをやった
ら、座らないようになりました。(それでも「C君、旗を入れることに
ばかり気がいって走らないじゃないの」という声はあるのですが、私は
「へへへへ」と笑って流してます)

 学校の外でもランニングすることがあります。
 体育館で旗でうまくいったので、昨年は新人Bさんが「何か手だては
ないか」と言ってたのですが、外で旗でもないやろしなあ・・・と
考えるばかりで何もしていませんでした。

 ところで私が今学期そのコースの担当になりました。
 一番距離の長いコースなのです。
 初日は新人Aさんが、後方を走って「なかなか走りませんでした」
という報告を受けていました。

 翌日は私が後方を走ることにしました。そしたらC君、やはり走り
ません。押したり、引いたりするのですが、全然だめ。表情はニコニコ
してて、時には私にどんとおぶさって来たりします。押したり引いたり
してるうちに私の感情もちょっと「このやろ」風になってきたところも
あります。でもC君には全然悪気は無い感じ・・・

 で何とか走りきってゴールしたのですが、私がまともに歩けなく
なっていました。お医者様に行くといわゆる肉離れしかけ・・・

 めちゃくちゃ情けなかったです。

 ランニングのコース担当は代わってもらわなければならないは、
徒歩学習の時は学校待機にしてもらうは・・・ほんま情けないったら
ありゃしない。

 そこでコースの折り返し点と帰着点の写真を用意しました。
 で、交代してもらってる先生に折り返し点の写真を渡し、C君に
渡して下さるようお願いしました。

 折り返し点では新人Aさんが待っているので、折り返し点の写真を
受け取って帰着点の写真を渡して下さるようお願いしました。

 さてスタート。実はスタートしてしばらくは交代して下さった先生、
写真を渡さなかったようです。なんでだろ(笑)でも、どうにも
こうにも引っ張らないと動かないような状態なので、写真を渡した
そうです。するとC君、写真を持ち、反対の手で指さすとトットッ
と走って行きました。

 折り返し点でも、帰着点の写真を受け取ってトットッと帰って
来ました。

 何だかとっても恥ずかしいです。
 ほんと、今まで何だかんだ言ってた私がこのていたらくですもんね。

 さて、では今までずっと彼は走らなかったのか、というとそうでは
なく走っていた時代もあったのです。素晴らしい先生の指導がルーチン
で入っていたのかな。(って威嚇の上手な先生です)

 何か私の人間性というか資質が問われそうですが、私はここ数日の
いろんなことで「情けない教師でもできる実践」という方向が
間違ってはいないよなあ、と確信できはじめました。(今頃・・・)

posted by kingstone at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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