※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月20日

指導力不足教員について

 特別支援学級や特別支援学校の担任に周囲から「指導力が無い」と
される教師がつくことがあります。

 私が直接関わったのは・・・

 知的障害特別支援学校時代、すぐにかんしゃくを起こす先生がいま
した。子どもにもいい影響はありません。特別支援学級→特別支援学
校とやって来られたベテランの先生だったのですが。他の先生がたは
触らぬ神にたたりなし、みたいな対応をしていました。

 私は、授業でその先生と組むことになりました。
 私は、その先生のかんしゃくは全然怖くなかったです。威嚇と暴力
で指導しよう、というのではなく、単なるかんしゃくでしたから。

 見てると、自閉症の子が奇妙と思える行動を取った時にかんしゃく
を起こしてはりました。そこで「何故そういう奇妙と思える行動を取
るのか」を説明し、実際に「見てわかるようにしたら奇妙でなく行動
してくれる」ということを目の前でお見せしました。するとその先生
は落ち着いていい関わりをして下さるようになり、先生の笑顔も増え
ました。もちろん子どもたちも落ち着きました。

 「過去の記事シリーズ」に出て来た新人さんたちも、最初「使えない」
と周囲の先生から見られていたのは書いた通りです。そして新人さん
たちはすごい力を見せてくれました。

過去の記事シリーズ総括1 なぜチームが組めたのか

 特別支援学級時代の同僚Aさん。やはり周囲から「指導力不足」
「問題教員」とみなされていました。しかし「自閉症の特性」を説明
しまた他の障害のお子さんについても説明し、個別にどんな対応をし
たらいいか、説明と実際にやってお見せし、やって頂くことですごく
いい実践をしはるようになりました。

TEACCH的な取り組みが広まってきたが

 パッと思いつくのはこのくらいですが、いずれにしても私がOJT
をしているわけですね。たぶん「本」「講演」「指導・助言」だけの
研修では無理だったのではないか、と思います。

 私自身、自閉症の人に対し、TEACCH的取り組みは、本を読ん
でも、講演を聞きに行き質問をしても、どうやったらいいかわからな
かった、というのが本当のところです。

 2日間セミナーや、5日間セミナーで、自閉症のお子さんや青年が
参加してくれ、実際にやって見せてもらい、自分でもやらせてもらっ
て(hands on と言います)やっとわかった、というところです。これ
も自分の職場では無いけれど一種のOJTですね。

過去の記事1(TEACCHの5日間セミナーにて) からのエントリー

 これ、教育委員会がやる気になったらできると思うのですけどね。
 少なくとも出張OJTは。(繰り返しますが「指導・助言」だけで
は無理です)

 ちなみに私のいた知的障害特別支援学校では「指導力ある」「管理
職をねらってる」ような先生が「威嚇と暴力」を使うことが多かった
です。あくまでも当時であり、昔のことですが。

 肢体不自由特別支援学校でも、「指導力が無い」とされる方もいら
っしゃいましたけど、うまくサポートすると随分いい実践をしてくれ
はったと思います。

 自閉症のお子さんの保護者の立場に立って見ると・・・OJTをし
てくれる人がその学校にいない場合。「新人」であったり「指導力の
ない」担任であったりするのはチャンスかもしれません。

 スケジュールをして下さい、見てわかるものを使って下さい、と言
っても理解はできない可能性は大です。

 でも家庭で効果を上げている(ここ大事。家庭でできていないから
学校でやってくれ、というのは説得力もないし、また「できる」よう
にするために「威嚇と暴力」を使う、という危険もあります)スケジ
ュールを学校用に作って持って行く、見てわかるものを持って行く、
コミュニケーション手段を持って行く、で効果を上げているようだ、
となれば使ってくれる可能性大です。

 場合によっては教室の構造化(落ち着ける場所(カームダウンエリ
ア)を作ったり・・)もしてしまう。

 何で保護者がそこまでせなあかんねん!というところではあるので
すが、そこまでしないと教師に「わからない」というのも事実でしょ
う。「わからない」ことができないのは自閉症の人と同じ。(まあ、
「給料もらってるじゃないか」というのは置いといて・・)

 それと「あくまでも教師をサポートするのだ」という感じでニコニ
コと交渉する必要があるでしょうね。これまた、何で保護者がそこま
で気をつかわなあかんねん、ではあるのですが。

 以下の例は学校ではありませんが。

スケジュール
仲間



 まあ、私もうつがひどくなった最後の3年間は完璧に「指導力不足
教員」でしたけどね。

関連発言
OJT(On-the-Job Training 仕事をしながら教える)













posted by kingstone at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック