※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月18日

肢体不自由特別支援学校の卒業生と会って

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。

 今日、IEPに関する講演会があるってんで行ってきました。ところが・・
ほとんどIEPの話になんなくて某教育法の話が中心でまいった、まいった。
(注・某教育法の話として聞くなら面白かったですけど)

 帰りにおもちゃ屋さんに寄ってバッテリーで動く扇風機を買って来ました。
 これでお誕生会の時にローソクの火を消してもらおう、というつもりです。
 でも、頭に描いている子にとってはうちわの方がいいかもしんない・・・
両方試みてみるつもりです。

 しかし・・・財布にお金が無かったので(口座にも無い。妻から
引き出しを厳禁されている・・)同僚にお金を借りて行った(涙)

 というわけで同僚たちが帰る電車から遅れた電車に乗り込むと・・・
 前に茶髪で電動車イスに乗った兄ちゃんがいる・・・おお、某肢体不自由
特別支援学校の卒業生の○○君でした。

 現在仏教大学の社会福祉学科の3回生で、社会福祉士の資格を取るべく
勉強しているとか。インターネットも始めたところだ、というのでまた
メールを送るように、と言っておきました。(本人にアドレスを聞いた
のですが、当然(?)覚えていない)

 彼は卒業後NPOに入って地域で「自立活動センター」を作りたいとか。
 要するに自分たちで運営する「グループホーム」みたいなもんかなあ、
と思って話を聞いていました。

 で同じJRの駅(この駅、最近エレベータがつきました。たぶんこれは
彼が毎日、毎日この駅を利用した成果じゃないか、と思います。毎日毎日
使ってたら、介助する駅員さんもどれだけ危険か、どれだけエレベータが
必要か、わかるから上に報告すると思いますから)で降りたのですが
「kingstoneさん、時間あります?」
私ゃ思わず返事を躊躇しましたです。(時間はあるがお金がああ)

 ま、ということで近くの喫茶店へ。そこでいろいろ話をしましたけど
結構面白かったです。

 介護保険とかいろんな新たな福祉の動きがあります。今までの流れは
あんまし本人のことを考えていない、本人のQOLを上げるのが主体ではなく、
家族への支援の観点が強かったのでそこんとこが変わってくれないと
困るとか、地域で暮らすということが「地域の病院化」「地域の施設化」
になったら困る、なんてところがほーーっと思いました。

 なるほどな、知的障害特別支援学校の教育内容だって、本人のQOLよりも
「従順で指示に従う」ことが中心になってきてたような気も・・・

 また病院化ということで言えば医療や教育についても言いたいことが
いっぱいある、って言っていました。彼は、地域の中学から高校で肢体
不自由特別支援学校に来たのですが、私の目からも歩く「訓練」に努力
しているなあ、と見えていました。

 中学の頃医者から「とにかくいっぱい歩くようにしなさい」と指示され
学校も(家族・本人も?)従ったわけです。しかし中学では教室移動が
いっぱいある。本人がはいずるように(本人の表現)次の教室に移動する
頃には授業は半ば終わっている。

 また友達とのつきあいも思うようにできなかった。それやこれやで
すごく悔しい思いがあった、ということです。

 もちろんお医者様としては(そして教師も)「少しでも障害の進行を
遅らせたい」という思いがあったのかもしれません。しかし少なくとも
彼の思いとはずれていたわけですね。

 どこで何を選択していくか、というのはごっつい難しいとは思いますが。
本人は「医療の少しでも延命というものよりも本人の生き甲斐とちゃうか
と思います」と言ってました。

 少しずつ医療や学校の現場も変わってきつつある、と思いたいです。

 帰る時、レシートを取ったら
「僕の分払いますよ」と言うので「当たり前や。君がレシート持てない
から私が持っただけ。私、お金無いの」と言っておきました。

posted by kingstone at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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