私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月12日

過去の記事238(C君への給食指導・その後)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の3学期の話です。
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 2月28日


C君への給食指導・その後


 「過去の記事232(許可?確認?指示? 指示待ちではないのか?1)」でC君
の給食指導の結果について少し触れましたが、めちゃ舌足らずなので別発言
として補足します。

 以前のC君は時間はかかりますが、とにかく全部食べていました。ただし
なかなか食べようとはしないので指示が必要でした。しかもすごく嫌そうに
食べることが多かったのです。

 「過去の記事68(C君の給食1 自己選択・意思表出)」という題で10月10
日に私が発言しています。
 この発言にあるようにある意味ですごく危機感をもったので指導を始めた
わけです。

 「過去の記事68(C君の給食1 自己選択・意思表出)」の書き方から見ると
この日以降、近い時点で「はんぶん」「のこします」カードによる指導を始
めています。(しかし・・・思っていたより随分最近なんだ・・・)

 で「過去の記事68(C君の給食1 自己選択・意思表出)」にある通り、全部
残すという危険性を感じ、保護者に「もしそうなっても構わないでしょうか
」と打診しています。保護者からは「給食を食べなくても家で食べればすむ
ことです。それよりコミニュケーションがとれることができるようになるこ
とが大事だと思うので試みて下さい」というお返事を頂きました。

しかしこの頃はカードで意思表出するというのも確実に定着していない
頃です。このカードはこういう意味、ということもよくわからないみたい
で、彼が「嫌そう」とこちらが判断した時は「半分」カードを彼の指を
とって指さしその後そのおかずなりパンなりごはんなりを「半分」に減らす、
ということを続けました。

 あるいは「残します」カードを指さして残させるとか。

 ところがこれがとてもわかりにくい。

 彼が「嫌そう」と思って減らしてあげたのにほんとは食べたかったみたい
でこちらをうらめしそうに見ていたり・・・

 またやはり危惧した通り、この指導を始めた初期には「ごはん」を全部
残す、というようなこともありました。でも我慢して続けてみました。
この「全部のこす」「ほとんどのこす」というのは途中何週間かは続き
ましたが、1月は続かなかったと思います。(うう、不正確)

 また「残します」「半分」そして途中から「食べます」カードも作って
選択させるようにしたのですが、やはりそれぞれのカードの意味がよく
わからないみたいでした。

 そこで研究会に出たおりにある方に相談したところ、「カードの意味が
わかっていないんだから、まず1枚にすること」というアドバイスを頂き
「残します」だけにしてみました。

 これが1月25日以降のことです。

 カードがうまく使えるようになったとは思えません。
 でも、こういう取り組みを通じてC君は「別に残してもいいんだ」という
ことには気づいてくれたようです。

 現在は「残します」も手帳に入っているのですが、ほとんど使わないと
思います。(私は彼の介助からずいぶん離れてるし、 現在ついてる新人B
さんも「あんまり使ってないですね」とおっしゃってたし)

 そしてごく自然な形で残したい時は残しているようです。
 また「全部のこす」「ほとんどのこす」ということはなく、逆に「ぜんぶ
食べる」か「ほとんど食べる」になっています。また食べる時間もせかさず
とも早くなってきています。

 食べ始めに時間がかかるのと、「過去の記事232(許可?確認?指示? 
指示待ちではないのか?1)」に書いたように

 >で、それはいいのですが「好き」と思える食べ物を指さしてこちらに何かを
>言ってもらいたそうにすることが出てきました。で「どうぞ」とか言うなり
>手を「どうぞ」とかいうふうに動かすと食べるのです。

というあたりが今の問題です。

 この間、スープにえびが入っていました。そしたら新人Bさんの器に
入れようとするので「自分の器に残していたらいいんやで」ということ
を教えてあげました。(たぶんお家ではお母さんにあげているのだと
思います。新人Bさんがお母さんみたいな存在になってきたのかな?)
   追記
    お母さん云々は関係なかったです。修学旅行の時、隣に座った
   校長先生の食器にえびを入れていました。校長先生は「子どもか
   らえびを貰ったのは初めてだ」と感動してはりましたが、実は嫌
   いなものを相手の食器に入れただけで・・・まあ、解説はせず、
   ニコニコしときました。

 おいしいものをどうぞ、という意味かとも思いましたが、自分の食器に
入れた分を残していたので、そうでもないようです。

 その時、ベテランさんが「今までいやな物を無理して食べてたのかな」
と言われたのに思わず「そうなんですよ」と無茶苦茶力強く答えてしまっ
たのは良くなかったかな(笑)もっと脱力系で答えれば良かったと反省し
ています。
「こうしなければならない」を少しはずして「この子はどんな子なのかな」
と理解できるようになることはありがたいことだと思います。

 もちろん「無理」が全て悪いものだとは思いません。でも学校生活の中で
そればっかりというのも必要ないことだと思います。

 「子どもが楽、教師が楽、保護者が楽、そんな指導」を目指していますが、
C君への給食指導はなんとかその線で進みつつあるかな、と思っています。

posted by kingstone at 07:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 過去の記事(1998年度後半) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1 ■無題
私の考えた「残します皿」と「ごちそうさまナプキン」は、画期的なことでしょ(笑)<br /><br />最近は、最初から、導入していきます<br /><br />すると、自然に残せるようになっていきます<br /><br /><br />一番してはいけない指導は<br /><br />・全部食べる、残さず食べる<br /><br />です。<br /><br />それを、やめてもらうように、セミナーでは、話します<br /><br />仰天されますけど ね(笑)<br /></p>
http://ameblo.jp/haruyanne/
Posted by haruyanne at 2010年04月12日 07:55
2 ■「残します皿」と「ごちそうさまナプキン」
>haruyanneさん<br /><br />「ごちそうさまナプキン」は「残ったものを見えなくする」という意味で画期的ですね。<br /><br />「残します皿」も、考えて見ればそらそうや、ですね。<br /><br />|一番してはいけない指導は<br /><br />|・全部食べる、残さず食べる<br /><br />これ、普通校に戻った時、通常クラスではほぼまったく無くなっていました。残したい物は残していい、という指導になってました。時代が変わったな、という感慨を持ちました。一部、特別支援教育にはまだ残っているようです。<br /><br />|仰天されますけど ね(笑)<br /><br />するでしょうね。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
Posted by kingstone at 2010年04月12日 08:12
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