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 あくまでも、私個人の意見です。

2010年04月09日

大阪の知的障害児施設虐待事件について  虐待の背景

大阪の知的障害児施設虐待事件続報」からまたいろいろ調べてみました。


「月の輪学院」は

平成15年度 日社済助成金交付団体 「施設・団体計65件/助成額合計
1,171万円」 (金額単位:千円)
http://www.nisshasai.jp/fukusijyoseijigyo/siendantaiH-15.html


「軽中度児童(被虐待児を含む)の地域移行支援研究」月の輪学院(大阪府)
ということで20万円の助成を受けています。

 報告書が出ていないか検索をかけてみましたが、見つかりませんでした。


「軽中度児童(被虐待児を含む)の地域移行支援研究」で検索をかけると
報告書は見あたりませんが

「発達障害の理解と対応」PDF がヒットしました。

あいち小児保健医療総合センター
杉山登志郎
2005年10月5日作成

 まず障害の種類、障害の説明、障害への対応があってから

「あいち小児センターにおける子ども虐待治療の現状」
に入っていきます。

 この流れが非常に重要と思います。
 「障害への理解」「障害への対応」がなければ「診断」だけされても
困りますから。

「あいち小児センターで診療を行った子ども 虐待の症例
 2001.11〜2005.3」

は児童389名、親64名に診療を行っています。
親も診療を行ったということは、親にも何らかの障害があったということと
思います。

「子ども虐待症例に見られた問題」

は母集団が389名になっていますから、児童だけについて見たものでしょう。

      [診断]   [人数][パーセント]
    広汎性発達障害  100  26
  注意欠陥多動性障害※  88  23
    反応性愛着障害  193  50
      解離性障害  125  32
心的外傷後ストレス障害  125  32
    行為障害(非行) 116  30
      ※虐待系の多動性行動障害を含む

 パーセントの合計は100を超えますから、重複して診断名を
つけていますね。

 この数字は私の実感に合います。

虐待についての大昔の話2

の研究会で

「I助教授からは「今やっと、虐待によって子どもがこういう行動を
 取る、というパラダイムになってきているのに、子どもが悪いから虐待
 されるという古いパラダイムを持ち出してはいけない」とのコメントでした。」

というのは、やはりもう(法律を作るための)めちゃくちゃ政治的な発言
であったということでしょう。

 だいたい「障害」は「悪い」ものではありません。
 ただ「そうであるだけ」なものです。

 この時発表されたDr.は基本的には「障害は虐待によって起こる」
という発言をされていたけど、実感だったのかなあ。それともあれも
やはり「政治的発言」だったのか?

 もちろん杉山さんも注意欠陥多動性障害について「虐待系の多動性
行動障害を含む」と書いておれれますが、ってことは広汎性発達障害
(自閉症)と1部の注意欠陥多動性障害はもともとあるものと考えて
おられるわけです。


 障害について理解がない時には「自主研修会」のようなことが起こり
ます。ここに出てくる先生は本当に高潔と言っていい先生でした。そし
て中学部のリーダーでした。また「障害なんて言ってはいけない。みん
な人間なのだから」という考えをお持ちでした。その先生でも自閉症の
生徒を強く蹴飛ばす、ということが起こってしまうのです。

「月の輪学院」は「知的障害者のための(含む被虐待児)」の施設です。
 職員さんや施設長、理事長さん、みんな愛情豊かないい人なのだろう
とは思います。しかし、この仕事をするためには、障害への理解、対応へ
の知識が不可欠です。

「軽中度児童(被虐待児を含む)の地域移行支援」
のためにも「障害の理解」「対応への知識」が必要なはず。




posted by kingstone at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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