「虐待についての大昔の話1」からまもなくの話です。
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このエントリーのみのものです。
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今日は久々にボランティア活動なし。
(やってるかもしれないんだけど)ってことでゆっくり起きて、
息子が本屋さんに行きたいというのにつきあって、昼からは、
被虐待児のための研究会に行ってきました。
えっと、この会の参加者は、養護施設の職員さん、
心理療法士(臨床心理士?)、研究者や実践家、そして少数の教師
というところが参加者かな。子ども家庭センターの職員さんも来てた
かも。
まずは、2泊3日のキャンプの報告。
対象児は養護施設の児童、ってことは虐待され
た体験のあるお子さんが多い。子どもは20人の参加。そのわりに
はスタッフが多くてうらやましいなあ。
A大学のB先生やその他大学の先生がたが強く関わってる
みたいで、A大やその他の大学の院生や学生さんがたくさん参加
している。うらやましい(笑)
あと養護施設の職員さんね。
事前研修もめちゃめちゃ充実してる。
昨年は、集団活動があったり、スタッフの職種間の無理解があっ
たりとかあったんだけど、今年は子どもに活動を選択させたり、事
前研修があったりで、こどもたちも安定し、スタッフも多職種だか
らいい、というというふうになってきたとか。
いろいろ参考になることもあります。
第2部は様々な調査などの報告でした。
いろんな報告がありました。
C大学のDさんとともに研究してはる大学院生のEさんからは
「入所児童の3〜7歳児の気質調査からみえてきたこと」という発表が
ありました。気質というのはtemperture(つづり間違ってるかも)の訳
だそうです。ここに着目したのは「誰かを追い込まずに、調べやすい」
とかなんとか言ってはったかな、よくわかんなかった。
で「適応の良さ」goodness of fit 「適応の悪さ」poorness of fit とか
を調べた結果、入所児には「適応の悪さ」(そしてこれは育てにくさに
つながる)があるなんて話がありました。
なんか話し方に「子どものもともと持っているもの」に言及しては
いけないような雰囲気を私は感じてしまいました。
またF大学の児童精神科医、GDr.からは
「児童養護施設における被虐待児のPTSD症状と解離症状」
という報告がありました。
ADHD的な行動を取ることもあるけど・・・みたいなのがちょっと出た
けど、どちらかと言えばそういう行動も虐待の結果であろうみたいな
ことになるのだと思います。
でH大学大学院助教授のIさんが指定討論者としてEさんの報告に
「それじゃまるで育てにくいから虐待を受けるみたいに思えるじゃな
いか」と否定的な見解を述べられました。
で私はフロアからの質問意見の時に
「「育てにくくて何が悪いねん」みたいな考え方はできませんか。
実際ADHDが背景にあって虐待になってしまうという例もあるのでは。
そう考えた方がこちらの精神安定にとっていい場合もあるような。
そこらへんの調査はまたG先生にお願いしたい。」
それと
「校長に「あれは虐待ですね」と報告に行ったら、「虐待やない。
しつけや。お前の考え方は間違っている」と言われて、こちらの
メンタルヘルスがたいへん悪くなった経験もある。GDR.や
B先生には学校関係のえらいさんへの啓発もおおいにお願い
したい」
なんてことを言わせてもらいました。あとの方でか、会場で拍手が
起こったらしい。私はよくわからなかったのだけど、司会の人が
そう言ってました。
そしたらGDR.からは「その点はまだ調査ができていない。
これからのことになる。しかし自分の実感としてはADHDと虐待による
行動は明確に区別できるように思う」とのきちんとしたご意見でした。
彼は昔からめちゃきちんとしてました。高校の山岳部の後輩(?)でして、
(彼はほとんど幽霊部員だった私のことなんか忘れてると思う(笑))
きちんとした彼はきちんとしていない私たちの世代を「あの人たちは
先輩じゃない」なんて言って怒ってました(笑)
A大学のB教授からは「虐待は虐待、きっちり言わなきゃ」
とのことでした。
I助教授からは「今やっと、虐待によって子どもがこういう行動を
取る、というパラダイムになってきているのに、子どもが悪いから虐待
されるという古いパラダイムを持ち出してはいけない」とのコメントでした。
でも、「虐待によって子どもがこういう行動を取る」ということと、
「障害によって虐待されやすい行動を取ることで虐待される場合もある」
は併立するもんだと思うし、「障害があっても、対応があるんだよ、大丈夫
なんだよ」とフォローしていけるというメッセージは伝える必要があると
思うし、会がはねた後でI助教授にもそれは伝えに行きました。
そしたら「今、重要な法改正の時期で、あのような答えになりました。
現場の方としてのあなたの意見はわかります」とおっしゃってました。
まあ実はよくわかんなかったのだけど、「まあ今後ともよろしく」と
言ってお別れしました。
ひょっとして「袋だたき」という状態だったのかもしれないのですが、
(私にはよくわかんない)でも盛り上がったことは確かだったようです。
後で教師だという方が「いい発言、ありがとうございました」
と言いに来て下さいました。
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私は別に落ち込んだりしていない、というか自分の意見は
間違っていないと思うし、でも相手の方の「反論」(反論になって
いないと思いますけど)がいまひとつ理解できなくて、消化不良
状態ではあったのですが、落ち着くことができました。
ねえ。
私自身、ユング大好き、ロジャーズ大好きで、夢は夢分析を
もう一度本格的にやってみたい、ってやつです。でも肢体不自由
特別支援学校でパソコンなどの利用をやらないといけない、という思い
から一度にいくつものことをやるのは体力(脳の力も含めて)的に
無理があるので、泣く泣くあきらめました。
知的障害特別支援学校に異動してきて、そこまで気合い入れて
パソコン利用考えなくていい、と思い勉強を再開しかけたのだけど、
自閉症の子のおかれている現状を見て、こらTEACCHの勉強
せなあかんは、ということでまたあきらめました。
これってロジャーズの「いまここを大切にする」の通り生きて
きたつもりです。
> > 「今、重要な法改正の時期で、あのような答えになりました。
> > 現場の方としてのあなたの意見はわかります」とおっしゃってました。
これは一種の「政治」というわけですが、しかしロジャーズは
一貫して内蔵感覚まで含めた自分の実感「純粋性」を大事に
しようみたいなことを言ってはります。なんか実感として変な
感じを持ちました。
ちなみに会の中でもしきりに「I先生、厚生労働省にちゃんと
言っといて下さいね」というような発言が飛び交っていました。
> > I助教授からは「今やっと、虐待によって子どもがこういう行動を
> > 取る、というパラダイムになってきているのに、子どもが悪いから虐待
> > されるという古いパラダイムを持ち出してはいけない」とのコメントでした。
子どもに障害があったって「虐待されることはないんだよ」という
メッセージを伝えていくべきだと思うのですけど。別に障害は
悪いものじゃないけど、それこそ「子どもが悪くったって虐待される
ことはない」だと思うのだけどな。
でもほんま臨床心理士になる人たち、に発達障害の知識もちゃんと持
ってもらいたいし、持って下されば、強い味方になると思うので、また
元気のある時は「場違い」な発言もしていこうとは思っています。
ほんまね。私の発言引用とか、理解できないことが多かったから
すごく不正確かもしれません。あくまでも「こんな感じ」っていう
ところです。ひょっとしたら180度違った意味だったりして・・・
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追記
今はもう虐待の背景に「(虐待される)子どもに発達障害がある場合
がある」「(虐待している)大人に発達障害がある場合がある」という
のは常識になっていると思うのですが・・・違うのかな?
またよく言われる「虐待の連鎖」が実は「障害の連鎖」だったと
いうこともありそうです。