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 あくまでも、私個人の意見です。

2010年03月28日

過去の記事90(マーキュリー・ライジング 松竹への抗議文(長文だよ))

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
−−−−−−−−−−−−−−−
 11月3日


マーキュリー・ライジング 松竹への抗議文(長文だよ)


 こんなのを松竹のウェブマスターさんに出しました。
 でもウェブマスターさんに送って有効なのかなあ・・・




=============================ネタバレもありますので====================
======================これから映画を見る人は読まないでね===============




松竹のウェブマスター様

                       kingstone(本名ね)
                       住所
                       電話番号

 貴社、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 私は現在知的障害特別支援学校に勤務し、様々な知的障害の子どもたちと
一緒に日々を過ごさせて頂いております。

 先日、貴社配給の「マーキュリー・ライジング」を拝見しました。
 ストーリーも素晴らしく、また何よりサイモンの描かれ方がきわめてまとも
でとても嬉しくなりました。

 サイモンは映画の中での描かれ方を見ますと「自閉症」のお子さんと
考えられます。映画の中に出てくる療育(治療教育)の場面でも、現在の
アメリカの水準を反映しうらやましくなる部分も多々あります。

 大事なことは映画の中では事件が起こる前からサイモンはきちんと
「自閉症児」として描かれている点です。また事件が起こった時に
サイモンがとった「クロゼットの奧に隠れる」という行動も日々「自閉症」
のお子さんと接していて納得できる行動なのです。そしてアートとの出会い。
アートがサイモンとコミュニケーションを取ろうと努力する場面たいへん
感動的です。

 クライマックスとラストに関しては「お話やなあ」という部分はある
のですが、その他の部分はまことに納得でき、誠実な作りになっている
と感じました。

 しかし、パンフレットや松竹からUIPのページに載せられている文は
世間によくある誤解「自閉症とは心を閉ざすこと」に基づいた誤った
説明になっています。

 少しだけ説明させて頂きますと「自閉症」は現時点では原因は特定
できてはおりません。しかし少なくとも「心を閉ざす病」ではないこと
は専門家の間では一致した意見であると思われます。「さまざまな神経
生物学的過程によって起こった発達障害」であり「認知」や「感覚」に
障害があると考えられています。

 そして繰り返しますが「事件」が起こる前からサイモンは「自閉症児」
としてきちんと描かれています。

 私がひっかかる表現をUIPのページから取り上げてみます。
---------------------------------------------------------------
INTRODUCTION

「解読不可能とされた国家最高機密コードを破ったのは、
  わずか9歳の少年だった…。」のところ
 「かろうじて危機から逃れたもののサイモンは完全に心を
  閉ざしてしまう。」

(映画では、事件の前後でサイモンの変化はあまりありません。私などは逆に
 事件の後は慣れた環境以外のところに連れ回されているのですから、もっと
 パニックを起こしてもいいくらいだと思います。しかしそう描かれていない
 ということはある意味で、アドバイザーの方の知識が信頼できるものである
 証拠だと思われます。それだけに「完全に心を閉ざしてしまう」というのは
 ないよな、と思います)

「血の通ったヒーローと心を閉ざした少年 」
「心を閉ざした9歳の少年サイモンという困難な役柄を見事に演じたのは」

(サイモンは別に心を閉ざしているわけではありません)

CAST

 「特殊な才能を持ちながら他人に心を閉ざす少年、サイモンを演じる。」

 (同上です)

STORY

 「サイモンは心に深い傷を負っていて心を閉ざしていた。」

 (あのような事件があり、暖かい庇護者がいなくなれば、当然心に傷を
  負うとは思われますが、映画ではそのようには描かれておりませんし、
  「そのために心を閉ざした」というのは違うと思われます。)


NOTES

脚本のマーク・ローゼンタールは語る。

 「普通の精神状態でない子供と向き合い心を通わせ合うため」

(これは何とも言いようのないところもあるのですが、やはり誤解と偏見を
 うみやすい書き方です)


天才子役マイコ・ヒューズの役作り。
「役作りのためヒューズは、実際に精神に問題を抱える子供と思春期専門の
 ベネット・レヴァンタール精神科医とのやりとりを間近に観察し、心に傷
 を負った子供に特有の動作や習癖を学びとった。」

(「精神に問題を抱える」という表現が誤解を与えやすいですし、これが
 自閉症の子どもを表しているのなら「心に傷を負った子供に特有の動作
 や習癖」というのは大間違いの表現です)

 またレヴァンタール博士のコメントは本物でしょうか?専門家が
「マイコは心の傷がどういうものか、よく理解しています。」というような
表現をするとは信じられないのです。ひょっとすると訳をする場合の
(仕方ない面はあるにせよ)間違いだと思われます。
------------------------------------------------------------------
 以上いろいろ書かせて頂きました。

 映画が素晴らしかっただけに、パンフやウエブが現在世の中に一般的に
流布されている誤解を補強するものになることが残念でなりません。パンフ
を絶版にとまでは言いませんが、再び印刷する時に文を差し替えて頂くとか、
訂正の文を小さな紙ででも入れて頂くなど対策をとって頂けるとありがたいです。

 ウエブの文はすぐにでも変えることは可能であるかな、とは思います。

 またもし訂正などして頂けますなら、是非とも日本の専門家(例えば
川崎医療福祉大学教授の佐々木 正美先生をはじめ、多くの専門家が
いらっしゃいます)にご相談頂き、頂いたコメントを載せていただけたら
と思います。

 今後とも楽しい映画を見せて頂けますよう、お願いいたします。

posted by kingstone at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の記事(1998年度後半) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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