私の知っている自閉症の人のための役に立つサポートブックはこういうものが
多かったです。
・個人情報
・自閉症の簡単な説明
・具体的にどんな場面でどうすればいいか
たいへん役に立ちます。
それでボランティア活動の時には必ず保護者の方に作って頂きました。
しかしサポートブックが普及してきたころ、こんな記述のものが増えて来まし
た。
「この子はことば(音声言語)がわかります。ゆっくりと話しかけて下さい」
あるお子さん。
私、音声言語が本当にわかるのかなあ、と思って実験(!!嫌なやつです)
してみました。
戸が開いた状況でその子が戸のそばにいる。
私「戸を開けて下さい」
子 とまどっている
私「戸を開けて下さい」
子 戸をしめました
またイスのそばにそのお子さんが立っている状況で。
母「イスに座り」
子 とまどっている
母「イスに座り」
子 とまどっている
母「(イスを指さして)イスに座り」
子 ほっとしたようにイスに座る
お母さんは日常生活で何も困っておられません。
周囲は・・・いろいろ困っていました。
でも私は何も言えませんでした。
夢や願いもあるだろうし・・・
音声言語で混乱(パニック)するお子さんでも無かったし・・・
そのお子さんは音声言語での表現は無かったです。
しかし、ほんと思ったのは、視覚的なコミュニケーション手段を受容性で
も表現でも両方で使っていたら、音声言語も使うようになっていたのではな
いか、という感じはしました。わかりませんけど・・・
やっぱり自閉症の人の場合、コミュニケーション手段として、音声言語以
外の手だてもサポートブックには書いておいて欲しいな、と思います。
もちろん、人それぞれですけど。
ある強度行動障害になってしまった人がよく来る成人施設では、最初の
面接の時に本人さんがどこまでわかっているのか、保護者の目の前で「実
験」し、保護者にもよく理解して頂くそうです。良い処遇のためにはそれ
が必要なのでしょうね。
サポートブックの作り方・使い方―障害支援のスグレもの (おめめどうライブラリー (Vol2))/丸岡 玲子

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