地域で大きな研究大会がありました。
午前が全体会、午後が分科会、まる1日かけたものでした。
午前。
鳥取大学医学部教授のDr.の講演でした。
このDr.ははっきりと
重度の自閉症の人にはTEACCH
軽度の自閉症の人にはインリアル
(言葉はこの通りだったかどうかは忘れました。おおむねこんな意味です。重度・軽度と書いてすいません。まあカナータイプと高機能自閉症・アスペルガーくらいの感じです)
と言い切りました。胸のすく思いでした。
後半部分はちょっと?でしたけど。たぶんそういう指摘をされる方も多かったのでしょう。Dr.も「インリアルについては違うという意見もよくあるが竹田契一先生に確認したら「その通り」とおっしゃっていた」ということを言っておられました。
まあ、インリアルは、関わる側の(音声言語もそれ以外も)感受性を高め、本人さんのコミュニケーション意欲を高め、コミュニケーションスキルを高めよう、という技法ですから「音声言語の使い方」を間違いやすい高機能タイプの方にいいよ、というのは何となくわかります。
ただ当時はTEACCHの本なんかに出てくる事例はほとんどカナータイプの方ばかりで、高機能やアスペの方の事例が知られてなかった、ということも大きいと思います。(でもかなり昔に出た「

で、気持ち良くなったところで午後の分科会です。
私の友人が実践発表をする予定でした。自閉症のお子さんに対して見てわかる写真のスケジュールや視覚支援をしていろいろ落ち着きうまくいってきた、という内容です。私も以前から相談にのっていました。もちろんTEACCH的な考えに基づいていますが、レジメにはそのことには触れませんでした。
指導助言者は「大学教授の講演会」のA教授。それと自閉症の成人のための施設を作った施設長さん。
発表の前に友人が青い顔をして私に報告に来ました。控え室にA教授がやってきて「これはTEACCHですね。私はつぶしにいくかもしれませんよ」と言っていったとか。
・・・
私は「大丈夫。あなたの発表はどこに出しても恥ずかしくないものだから」と励ましました。
友人は立派に発表できました。
指導助言。
施設長さん
「いつまでも写真を使っていてもしょうがないでしょう。言葉でやりなさい」
A教授
「TEACCHはねえ、プロパガンダがひどいんだよ!」
吐き捨てるように言われました。
う〜ん。施設長さんは知識が無くても仕方ないかも。しかし特別支援教育の大学教授・・・支援・・・
支援って「良い点を見つける。そして励ます」というのがまず仕事だと思いますが、発表者を全然励ましてないじゃん。
私は何か発言したような気もするし、しなかったかもしれません。
ひょっとしたら「後でTEACCHの研究会のチラシを配ります」と宣伝(^-^)/したかもしれません。よく覚えていません。
ただ退場してくる人たちにチラシを配ったことは覚えています。
机の上に置いたら教育委員会の人に文句を言われるかも、と思って床にチラシを置いて配りました。
たくさんの人が手を伸ばして取って下さいました。
別の地域(ここは組織を上げてTEACCHに取り組んでいた)の先生が心配そうに私を見ていました。私は
「この地域でプロパガンダをしているのは私です」
と笑いながら言いました。
後でその先生が
「kingstoneさんのつらい事情がやっと分かった。上司とともに学んでいける自分の幸せを知った」
とおっしゃっていました。
しかし・・・プロパガンダ・・・まあ私も熱心に宣伝してたことは事実ですが、A教授はあきらかにずっと以前のことでの発言でしょう。たぶんこの地域で初めてある程度体系的に取り組み始めたのは私だと思うのだけどなあ。何かあったのかなあ・・・
後年、このA教授もTEACCHだからといって「つぶしにいく」ことはできなくなったようです。時代が変わって来たのでしょう。