あるこだわりの強い自閉症の生徒。
自立課題学習で1学期の終わりにはワークシステムを使って自立
的に作業し、作業→休憩→作業の流れも把握できていました。
もちろん他の時間は視覚支援などは一切なし。
プールの時間です。
水に入る時間になり指示が出ました。しかし彼は入ろうとはしま
せんでした。(指示がわからなかったのか?それとも水が冷たくて
嫌だったのか?わかりません)何か教師とやりとりがあったかもし
れません。でも彼は入りませんでした。
若い教師達が3〜4人。突然彼の手足を持ってプールに放り込み
ました。彼はギャーッと声を上げプールの中を逃げまどいました。
その瞬間は私は何もできなかったと思います。
プールを出てから若者のリーダー格のBに、話があるから私の出
張先に来るよう命じました。授業中なんて話はできませんし、その
日は私に出張が入っていたのです。
ちなみにBは1年間の内地留学も行き、私に「内地留学のおりは
TEACCHも勉強しました」と言っていた方。(ためいき)
出張先にBは来てくれました。1時間半ほど話したでしょうか。
Bは
「昨年は、Xさん(威嚇の上手な超ベテランさんのこと)の指示に
従ってちゃんとできていたので、つい従わせなければ、とやって
しまいました」
と言っていました。私は主として
「あれ、保護者の前で、こんな実践してます、胸をはって見せるこ
とができるのか」
「威嚇や暴力はいけない」
そんなことを言っていたような気がします。この時は「自閉症の特
性は」とか「この生徒は何がわかっていて」という話はしなかった
ような気が・・・
まあ、何かは伝わったかもしれません。
若者達の名誉のためにつけ加えると、私が言わなくても、その日
若者達が自主的に集まって「これじゃだめだよなあ」とは話し合っ
てました。
続きます。