知的障害養護学校2年目。
周囲を見回してみると、校内で力を持つ少数の方が、威嚇で秩序を
保ち、他の大多数の方々は、いったいどうしていいのか分からないと
いう感じなのだな、と思いました。
私ももちろんどうしたらいいか分からない一人でした。
そして、威嚇が無くなれば秩序は無くなりそうでした。
暴力については・・・1例だけあげます。
いつも集会の時に、びしっと並ぶクラスがありました。
すごくか弱く見える女の先生が担任してはりました。
すごい指導力やなあと、いつも感心していました。
ある時、私は担当するお子さんと教室の中で静かに遊んでいました。
教室のドアは開いていて廊下が見えました。
自閉症のお子さんがそこを通りかかりました。すると何か指示の
声のようなものがしました。自閉症のお子さんは気づかず(?)そこに
い続けました。するとか弱く見える先生が走って来て、いきなりその
お子さんを殴り蹴りました。そして私と目が合うと、はっとした表情を
して走り去っていかれました。
私は何も言えませんでした。
暴力は隠れて行われていました。
表には出て来ません。
(でも、もっと前は表だってやられてたという話を後年聞きましたけど)
例えば校内研修で、誰も「威嚇と暴力で指導したらうまく行きました」
なんてことは言いません。もちろん校外の研修でもそんな発表はしません。
そして威嚇は別として暴力は影で行われるから
「えーー、そんなことないよお」と心底思っている教師ももたくさん居る
と思います。
えーーっと、びびりはったらいけないので、先に書いておきますと、
昔の話ですし、少なくとも私のいた間に威嚇と暴力は無くなって来ました。
この時点からはまだ時間はかかってますけど。無用にびびりはったら困る
ので。
それとある講演会で講師をした時
「うちの学校は過去、威嚇と暴力で指導してたので・・・」と話したら、
参加者さんが「それ、今どき珍しい学校ですね」とおっしゃていらしたから、
他の学校はそんなこと無いのでしょう。
閑話休題。
私はとりあえず、自閉症と名のつく本を片っ端から読んでみました。
人生で一番「勉強」したかもしれません。(でも、後年、戸部けいこさん
とお会いしたとき「光とともに」を1話分書くために毎回段ボール1杯の
資料を読む、という話をお聞きしました。すごい・・・負けてる・・)
学校でいったいどうしたらいいのか良くわかりません。
9月だったか10月だったか、藁をもすがるような気持ちで、
特殊教育学会に行きました。