※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2024年06月28日

『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本 ー ”横綱級"困難ケースにしないための技と型』




 筆者は、現在訪問看護の管理者をしておられる。

 経歴が面白くて、勉強が嫌いで中卒でバイト生活。しかし友達の高校生活が楽しそうでうらやましくて定時制高校へ。在学中に勧められて精神科病院に就職。高校卒業後に准看護師、その後正看護師、そして・・・という流れ。

 まえがきで、まずサブタイトルに「"横綱級"困難ケース」という文言を使ったことについての説明があります。立場によって、支援者やご家族にとってはすぐにピンとくるかもしれないけれど、ご本人にとってはすごくバカにされたように感じるのではないか。

 しかし、筆者の小瀬古さんは、かつてはどうしていいか悩んだこともあったけれど、現在は「横綱級」と感じるケースはなくなっていると。

 これ、自閉スペクトラム症の方で「強度行動障害(状態)」と名づけられている言葉にも通じると思います。結局周囲がそう感じているとしても、実はほとんどの場合、適切な対応をしていけばほとんど問題がなくなってくる(まあ、ただし、ほんの少しの例ではなかなかたいへんな人も残るとは思いますが)。

 第1章の目次と内容を少しだけ引用してみたいと思います。


第1章 地域というのは、病院とココが違います

1.バターンで理解できたなら

◯1年半の暗中模索
◯パターンが見えるようになると、疲労が少なくなる


2.見えない精神症状を見る方法

◯当事者にとっての三大困り事とは

(数字は私)
1)お金のやりくり
2)毎日の食事
3)人間関係(友人や恋人、職場の人など)

(最後のは、きっと「家族」も入る場合が多いだろうな。いずれも「精神症状」そのものではない。)

◯生活や行動で精神症状を可視化する


3.セルフケア能力が上がるように支援するということ

◯本人が結果に関与すべきだということ

(ここ、面白い(?おめめどうフェローとして、たいへん面白い、ということです)ので引用します)

支援していく際に「自己選択」「自己決定」までの支援はよく行われているのですが、その先にある「自己責任」までを考えて行われている支援は少ないと感じています。「自己責任」というのは「自己関与」と言い換えてもいいかと思うのですが、要するに、何かを選び実行したら、その結果にも自分がちゃんと関与しているという感覚を持てるようにすることです。
(おめめどうで言う「自己責任」と同じで後に書かれていることは「(その選択・行動によって生じた)葛藤を(支援者が)取り上げない」という言い方に通じるかな。

 こうも言われています)

自己責任が生じる経験を奪うことは何の解決にもならない

◯本人が主体となった行動を普段から支援する


4.主体性なくして地域生活は組み立てられない

◯権利と責任を本人に返していくこと
◯本人がいない場で本人のことを決めない

(後ろに書かれた例で相談支援事業所からの要請で支援会議に参加した例もいくつかあるのですが、「本人抜きでやりたい」と要請された時はきっぱり断ってはります)

5.私たちのあるべき姿

◯「精神科訪問看護は"管理"と"傾聴"」という誤解
◯4つのポイントを意識しながら聞き、利用者と共有する

1)本人の「希望」は何か
2)調子が悪くなる「キーワード」「キーパターン」は何か
3)「いい感じの自分」とはどのような自分なのか
4)「元気を失いそうな注意サイン」「引き金」は何か

◯目指すところは「自分の専門家は自分」



 私は訪問看護をするわけではないですが、その後に続くケースも含めて、おおいに参考になりました。

posted by kingstone at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 福祉関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月22日

あるアメリカの地域の制度(?)



 現在、パラプロフェッショナルとして働いておられ方に、学校事情をお聞きした話は書きました。


 あと、そのあたりの周辺事情。

まず「自閉スペクトラム症には ABA」というのはその地域では常識となっていて、プロバイダー(サービス提供事業者)はたくさんある。

診断があれば(?)無料でサービスが受けられる。セラピストが家庭訪問してくれてやってくれる。

ここまで読んで「素晴らしい」と思われる方もおられると思いますが、たまたまその方がセラピーの現場を見た(なんか、セラピストが訪問する時には家族が誰かいないといけない、という規定があるとのこと。この方の場合、シッターとして家族の代わりができるとのこと)2例についてお話してくださいました。

 2例とも、日本で ABA の訓練を受けた方なら「そらないわ」と思うのじゃないかな、と私は思いました。

 1例は青年に対して「年齢不相応」

 2例目は児童に対してひたすら遊んでいた(ラポールをつけようとしているように見えた、とのこと)。もちろん、この方がわからない部分でいろいろインフォーマルなアセスメントをしたり、指示に対してどう反応するかを見ていた可能性もありますが。

 これは ABA というより、私の TEACCH 的な取り組みになりますが


 まあ、「現場の質」の問題は、アメリカでも日本でも同じような問題はあるのかもしれない。


 あと、児童発達支援とか放課後等デイサービスとかについて。

 児童発達支援(就学前のお子さんが通う)みたいなものが校内にあるとか。

 放課後等デイサービス的なものは、あることはあるが通っている子はほとんどいない。
 (これは人口密度とかの関連もあるのかも)

 成人の福祉については、よくわからない。

 日本の移動支援(行動援護)的なことを「シッター」という枠組みでやっている。


 私、お会いする前に福祉制度について予習しておこうと思って論文を探したのですが、探しようも悪いのか、「理念」みたいなことについて書かれた論文はヒットしても、「制度」についてはほとんどヒットしませんでした。教育なら「アメリカ教育省」があるけれど、福祉分野だと日本の厚生労働省みたいな役割をするところがどこかわからない・・・

 もちろん州ごと、自治体(カウンティ)ごとに大きな違いがあるのだとは思いますが。

 お話をうかがっている限りでもそこを「親の会」「キリスト教団体」が何とかしようとしているように受け取れました。

 私が検索した中でかすってるか、というものは

2002年(もう20年以上前だからずいぶん変わっているかも)

 くらいで、この中にケアマネジャーの重要性の話が出てくるのですが、私が話をうかがった方は、ケアマネジャーという言葉を聞いたことが無いとおっしゃってました。

 ケアマネジャーというのは、日本で言えば相談支援専門員にあたると思います。

 また、就労についてのものはいくつかありましたが、この記事が文化の違いなどの解説ともあいまって面白かったです。



 また1年後(?)にお会いする約束をし、その時までに、福祉のこととかも調べておいて下さるそうなので、楽しみです。


posted by kingstone at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 福祉関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月21日

あるアメリカの小学校



 もう、アメリカの教育環境って、学校により、地域により、州によりてんでバラバラで、ここがこうだったから、あそこも、なんて全然言えないわけですが・・・

 アメリカの小学校で、現在 パラプロフェッショナル(日本で言えば特別支援教育支援専門員と呼ばれることが多いと思います)として働いておられる方に、その方の学校の現状を教えて頂きました。なお、正確な資料を元にお話して頂いたわけではありません。

児童数500名規模の小学校(1クラスあたりの人数、聞き忘れたな)
クラスにジェネラル(通常級の担任教師)以外に特別支援教育担当教師もいるんだけど、全クラスかどうかは確認しそこねた。IEP によって、そこにパラプロフェッショナルが加わったりする。

PT(理学療法士):巡回してくる
OT(作業療法士):1名
ST(言語聴覚療法士):2名
SC(スクールカウンセラー):2名
SW(ソーシャルワーカー):外からやって来る
AT(アシスティブテクノロジスト):巡回してくる

この学校ではブリッジ・クラスというのが支援級にあたるみたい。
そして、交流に来るわけだけど、授業がわからない場合に 特別支援教育担当教師が、small グループを教室内で集めて(通常級の中で)別に勉強してたりするそう。

またブリッジ・クラスから来た子が挙手して「この授業は退屈だ」と言うとジェネラル(クラス担任)が、「今ここではこの勉強するから我慢してね」みたいなことを言い、もう一度挙手して同じことを言うと「じゃあブリッジ・クラスに戻る?」「はい」なんてやりとりをして、交流級からブリッジ・クラスに戻る、なんてこともあるそう。

(ブリッジ・クラスというのが、制度的な名前なのか、日本での「ひまわり学級」的な名づけなのかは不明)

ほんと、地域にもよるんだろう(この地域は、落ち着いた地域らしい)けど、教師以外の職種の人もたくさん入ってるんだなあ、と思った。




posted by kingstone at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月20日

エクセルで思ったグラフを描く



※注 私は Mac で Microsoft 365 を使用しています。
※図はクリックすれば、大きく見やすくなるはず・・・

例えば、こんなデータがあり、A1〜C4 それぞれの時期の変化を折れ線グラフで表したい時。

たいていの教科書にのっているように、データの範囲を「選択」します。

スクリーンショット 2024-06-20 17.53.48.png

で、そのまま「挿入」→「グラフ」で折れ線グラフを選んでアイコンをクリックすると・・・

スクリーンショット 2024-06-20 17.52.56.png

いや、A1の経時的変化を追いたいのに、x軸に A1〜B4 が並んでる・・・

で、どうやら、メニューバー(じゃないのかな?上のアイコンの並んでいるところ)にある「グラフデータの選択」をクリックすると


スクリーンショット 2024-06-20 17.42.42.png

こうなってます。

スクリーンショット 2024-06-20 17.50.54.png

ここの「凡例項目(系列):」というのが pre,first,second,post となっているので、すぐ下にある「行/列の切り替え」をクリックすると

スクリーンショット 2024-06-20 17.52.36.png

「凡例項目」が A1〜C4 になりました。

これで「OK」をすると

スクリーンショット 2024-06-20 17.53.09.png

経時的な変化のグラフを作ることができました。

しかし、先にこういう項目をセットしてグラフを作りたいのに、一度は無茶苦茶なグラフを作ってからでないと、望むグラフにできない(「グラフデータの選択」というアイコンが出てこないので)、というのは気色悪いなあ・・・


posted by kingstone at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ネット・パソコン・携帯など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月08日

映画「違国日記」新垣結衣・早瀬憩出演




 イオンシネマ明石で観て来ました。

 しかし、土曜日なのに、映画館全体、お客さん少なめだったなあ・・・

 なんでだろう?

 私はコミックは3巻あたりまで読んでたんですけど、そこは始めのほんの少しで、映画のほうがもっともっと先まで進んでました。

 なんかすごく良かったです。

 セリフが大事なんだけど、補聴器をしてても聞き取れない部分があって少し残念でした。

 配信とか始まったら是非字幕がついてて欲しいけどな。




ーーーーー ネタバレ ーーーーーー

 私が吹いたポイント。

 田汲朝(早瀬憩・両親が亡くなった高校生)の通帳に使途不明の30万円の引き落としがあり、後見人に詰められて「MacBook Pro (を買ってしまった)。一人で音楽ができるというので」ってとこ。

 MacBook Pro 、14インチ、M3Mac の一番高いやつじゃん・・・

 他の人はぜんぜん笑ってなかった・・・


posted by kingstone at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする