※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2024年03月06日

クリックカウンター & ビジュアルバータイマー(ポチった)



これはカテゴリに悩みましたが・・・

何かの回数や個数を数えるためのカウンター


 これはよく交通量調査などで使われているのを見ます。


 これは、指につけるやつだって。

 使っている写真ではゴルフをやってる人が指に巻いていた。

 打数を数えるのかな?私はゴルフをしないのでよくわかりませんが。手に持つ必要が無いのはいいのかな、と思ってこれも買ってみました。


 あと、これはまだ発売されていませんが、コクヨのデジタルバータイマー

スクリーンショット 2024-03-06 21.45.51.jpg

 スマートフォンでもタイマーアプリはいろいろありますが、今まで使ったものだと途中で画面が暗くなったり、私の使い方が下手なのか、うまく使えなかったので、「専用機」として、購入してみました。

 プレゼンなどで役に立ってくれないかな。


 それからこれはまだ購入していませんが、すごいのがあることを教えて


 Arduino と、Arduinoにつなぐことのできるいろんな部品、ケーブルなどをキットにしたもの。

「super starter kit uno r3 project」という名前で企画された商品みたい。

 これは 5099 円のキットですが、もっと安いのから高いのまでいろんな種類があります。

 ここにある部品、いちから大阪なら日本橋、東京なら秋葉原で揃えようと思ったら、ものすごく時間がかかってしまいます。

 こんなんめちゃ楽しいですやん。

 で、教えてくれた知人は ChatGTP 3.5 でプロンプトを入れ、プログラミングしてもらったものを動かしてもらってました。

 ううう、時間ができたら買うぞ。


 あと、これも買ってませんが、以前から話題になっていた Google が開発した「震えを打ち消すスプーン」

 もう日本でも買えるようになっていますね。


価格はこの記事によると 47250円。

高いですが、震えのために自力で食べることができなかった人にとっては朗報だと思います。


しかし、ざっと見たところ、カタログにもまだ載っていないみたいなので、問い合わせする必要がありそうです。











 





posted by kingstone at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ネット・パソコン・携帯など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月03日

『ええやんちがっても』(自閉スペクトラム症のお子さんを理解するための冊子。ダウンロードできる)



 大阪府の障がい福祉課が、自閉スペクトラム症のお子さんを理解するための冊子を、2023年10月に改訂されました。



 ページ数は表紙・裏表紙も入れて32ページですが、

・見やすいレイアウト
・字が大きい
・武井陽子さんのイラストもふんだん
・情報量が少なく挫折せずに読めるのに必要なことを網羅している

と、とても見やすい(読みやすい)ものになっています。

 そして私が今まで見た冊子の中で、「必要なこと」とされる「内容」が「うん、これだよな」と納得できることが書かれています。

 もちろん小冊子ですから、これだけですべてをまかなうことはできません。しかしとっかかりとして、また具体的な関わり方などをお伝えする時に、この冊子もお渡ししておいて、「こういうことだから、具体的に◯◯が必要になるんですよ」と説明する時の大きな味方になってくれるでしょう。

 目次はこうなっています。

1. こんな子もいます・・・・・・・・・・3
2.「自閉スペクトラム症」ってなに?・・ 8
3.どうしたらいいの? ・・・・・・・・11
  〜子どもとの接し方(幼児期〜学童期)
4. 相談機闋・・・・・・・・・・・・・ 29


 これをもう少し詳しく見ていくと
 ※( )内はkingstoneによる要約やまとめ

はじめに・・・1

目次・・・・・2

1. こんな子もいます・・・・・・・・・・3
(昔いろいろ他の呼び方をされていた子たちを、広い意味で同じグループとして「自閉スペクトラム症」と呼ぶこと)
人とのつき合い方の特徴・・・・・・・・4
特徴の1例(と言いつつ6例)
コミュニケーションの特徴・・・・・・・・5
想像力の特徴・興味のかたより・・・・・・6
(パニックや混乱についても)
からだの感覚の特徴・・・・・・・・・・・7
(過敏や鈍感。動きについても)

2.「自閉スペクトラム症」ってなに?・・ 8
3つの主な特徴
@社会性の獲得や大人関係の難しさ
Aコミュニケーションの特徴
B想像力の特徴・興味のかたより・・・・・9
その他の特徴
からだの感覚の特徴
動作や手先の使い方の特徴
多動や不注意の特徴
睡眠の特徴
自閉スペクトラムと知的障がいは違うの?・・・10
自閉スペクトラム症かなと思ったら?
どうして相談が必要なの?

3.どうしたらいいの? ・・・・・・・・11
〜子どもとの接し方(幼児期〜学童期)
1.子どもが安心できる環境を整えましょう
(場面の意味がわかるようにし、目で見てわかるように)
見通しの立つ環境にします・・・・・・12
伝える内容
「いつ」「どこで」「なにを」「いつまで」「どのようなやり方で」するのか、「終わったら次に何をするのか」をはっきり伝えます。特に活動の「終わり」は明確にします。
伝える方法
(見てわかるスケジュール)
場所と活動の意味を一致させます・・・・13
(場所の構造化とカームダウン)
(感覚の違いがあるので、無理をさせないこと)・・・14
2.人との関わりについて・・・・・・・15
人とのやりとりに安心感を育てます
社会的なルールの理解の仕方を教えてください・・・16
(行動の意味を教え、いつどこでならしていいかを伝える。適切な行動をほめる)
ソーシャルストーリーズやコミック会話
3.コミュニケーションについて・・・・・・17
自発的なコミュニケーションの力を育てます
(特にサバイバルスキルを)
肯定的な表現・態度を心がけます・・・・・・18
(◯を伝える。視覚的支援)
4.生活スキルについて・・・19
(食事、食べられない場合、無理強いしない)
排泄・・・・・・・・・・・20
(トイレを快適な場所に)
着脱・歯磨きなど
(視覚的支援、スモールステップ)
5.自尊感情を保てるように・・・21
(いじめに注意)
得意なことをほめてのばします・・・22
自分で選んで決めることをサポートします
(選択活動)
6.不適切な行動に対して・・・・23
原因を見極めて対処します
(環境設定で減少)
穏やかな声で短く注意します・・・24
(具体的・肯定的に。◯を伝える)
不安やストレスをやわらげる方法を教えます・・・25
パニックには落ち着いて対応します・・・26

7.学校生活について・・・・27
学習に取りくみやすいように配慮します
自由時間を楽しく過ごせるようにサポートします・・・28
(自由な時間が苦手なこと。「余暇」が大事)

4.相談機関・・・・・・・29
(これは大阪府のもの)
・発達障がい者支援センター
・児童相談所(電話相談も)
・教育センター(電話相談も)
・親の会・・・・・・・・・30
・その他の相談機関


 相談機関を各自治体(小さい自治体だったら近隣を含め)のものにすれば、もうめちゃくちゃ使える冊子じゃないかな。





posted by kingstone at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月01日

「社会的妥当性:主観的測定の場合あるいは応用行動分析学はどのようにその心を見つけつつあるのか」を読む(よりにもよってロジェリアンから!?)




 これは先日の「応用行動分析学における分析に何が起こったのか」を読んだ時に、中で 『JABA』(応用行動分析学雑誌)の目的について考え、応用行動分析学を「社会的に重要な問題」に適用することに専念させたと論文として挙げられていた論文です。

Social validity: the case for subjective measurement or how applied behavior analysis is finding its heart.
社会的妥当性:主観的測定の場合あるいは応用行動分析学はどのようにその心を見つけつつあるのか
Wolf, M. M. 『Journal of Applied Behavior Analysis』1978, 11, 203-214.

で、大爆笑したのが

We came upon another method from, of all places, the Rogerian counselling psychologists.

私たちは、よりにもよってロジャース派のカウンセリング心理学者たちから、(今までの客観的データで教える以外の)別の方法を見つけた。

ってところでした。

 まず、心理学は内観が基本的な方法だった時代があり、それではいかんやろと客観的なデータで研究しようと行動主義や行動分析学が勃興して来た。それで応用行動分析学雑誌『JABA』が創刊された。

 しかし、客観、客観といっているのに、それではすまないことがいろいろ出てきた。

 まずはボブ・ジョーンズとネイト・アズリンの研究。吃音者の発話を単純で規則的なビートに同期させることで吃音をほとんど無くすことができた。しかし人によっては「人工的」と苦情を言われた。そこで拍数をいろいろ変えたところ2秒から3秒の拍数で最も「自然に」聞こえることがわかった。
 のだけど、「自然」って何やねん?それってすごく主観的じゃね?というわけ。

(これ1978年だからそう言われるけれど、現在(2024年)では、「どれだけ自然に聞こえるか」のパラメーターはたぶん明確にわかってるんだろうな。)

Behavioral engineer-ing: stuttering as a function of stimulus duration during speech synchronization.
Jones, R. J. and Azrin, N. A. 『Journal of Applied Behavior Analysis』 1969, 2, 223-230.

 なお、検索したら、AIによると

 また、40%の子どもと90%の青年期の吃音症者は、メトロノームや音楽の刺激とうまく同期できないことが示されています。

だって。


 次に「ケラー式個別指導システム(PSI)(これっていわば公文式みたいなものを想像するといいみたい)」の研究をしていた人たちが、 PSI を受けた学生が対照群より成績が良かった、という論文を出して来たのだけど、そこでそれぞれの学生に「自分たちのコースがどの程度好きか」を尋ねていた。しかし、それでいいのか?ABAの使い手は相手が好きであろうが、嫌であろうが最善のものを提供しないといけないのでは?と疑問を持った。


 最後に「社会的妥当性」の論文を書いたモトローズさん自身が関わった、「アチーブメント・プレイス研究プロジェクト(the Achievement Place Research Project)」での話。

 アチーブメント・プレイスというのは非行少年のためのグループホームで、そこの養親に対して、他の養親が関わり方を伝えるというプロジェクト。ティーチング・ファミリー・モデルと言われる。

 で、やってると参加者が「適切なスキルはこれだ、と言うけれど本当か?」みたいな質問がよく出てきて、次に違う場所(コミュニティ)でやろうとした時は、コミュニティから即「解雇(fire)」されてしまったと。

 つまりいくら自分たちが「これがいい」と言っても受け入れてもらえなかったわけ(「これがいい」という実感もわかなかったのだろう)。

 で、

The message we seemed to be getting was that "social importance" was a subjective value judgement that only society was qualified to make.

私たちが受け取ったメッセージは、"社会的重要性 "は主観的な価値判断であり、それを判断する資格があるのは社会だけだ、というものだった。

そして

If our objective was, as described in JABA, to do something of social importance, then we needed to develop better systems and measures for asking society whether we were accomplishing this objective. The suggestion seemed to be that society would need to validate our work on at least three levels:

1. The social significance of the goals. Are the specific behavioral goals really what society wants?
2. The social appropriateness of the proce-dures. Do the ends justify the means?
That is, do the participants, caregivers and other consumers consider the treatment procedures acceptable?
3. The social importance of the effects. Are consumers satisfied with the results? All the results, including any unpredicted ones?
We have come to refer to these as judgements of social validity.

JABAに書かれているように、私たちの目的が社会的に重要なことをすることであるならば、私たちがその目的を達成しているかどうかを社会に問うための、よりよいシステムや尺度を開発する必要がある。社会は、少なくとも3つのレベルで私たちの仕事を検証する必要がある、ということだった:

1. 目標の社会的意義。具体的な行動目標は本当に社会が望んでいるものなのか?
2. 手続きの社会的妥当性。目的は手段を正当化するか?
 つまり、参加者、介護者、その他の消費者は、その治療法を受け入れられると考えるか。
3. 効果の社会的重要性。消費者は結果に満足しているか?予想外の結果も含めて、すべての結果に満足しているか。

 私たちはこれらを社会的妥当性の判断と呼ぶようになった。

 となったわけです。

 しかし参加者から「温かさ」が大事と言われ「人間関係が大事」と言われてもどうすりゃいいんだ、となった時に、冒頭の「ロジェリアンから見つけた」という話になるわけです。

 HaaseとTepperは、1972年にJournal of Counseling Psychologyに論文を発表した。多くのロジアンと同様、ハーゼとテッパーは「共感」に関心を持っていた。彼らは、訓練中のカウンセラーをよりよく教え、評価できるようにするために、共感にはカウンセラーのどのような非言語的行動が関与しているかを調べることができるかどうかを知りたかったのです。彼らは、アイコンタクトのレベル、体幹の傾き(前方または後方)、体の向き(クライエントに向かっているか、クライエントから遠ざかっているか)、クライエントとの距離、様々なレベルの「共感的」言語メッセージなど、様々な非言語的要素を含むカウンセリングのシミュレーション状況を設定した。次に、ビデオに録画された抜粋が経験豊富なカウンセラーに提示され、カウンセラーはそれぞれの抜粋で提示された全体的な共感の量を評価した。その結果、アイコンタクト、体幹の傾き、距離、言葉の内容はすべて、共感の判断に関係していることがわかった。著者たちを本当に驚かせた一つの結果は、非言語的行動が言語的行動よりも共感の判断に2倍以上を占めていたことである。中程度にしか共感的でないことを言っているカウンセラーが、アイコンタクトや体幹の前傾姿勢をとり、クライエントの近くにいた場合、共感性が高いと判断されたのです。

Nonverbal components of empathetic communication.
Hasse, R. F. and Tepper, D. T.『Journal of Counseling Psychology』1972, 19, 417-424.

でもってモトローズさん、こんなことも書いてるんですが、

私たちの文化において最も重要な概念の多くが主観的なものであることは明らかであり、おそらく最も重要なものでさえある。マルティン・ルターは、当時流行していた歌や踊りのメロディーにプロテスタントの賛美歌 を合わせたことを厳しく批判された。彼はこう答えた。"なぜ悪魔に最高の曲をすべて使わせなければならないのか?"と。では、なぜ人間の目標や社会的なベストをすべて他の者に与えなければならないのか?



 研究者や専門家やエリートを悪魔に例えてるなあ・・・

 まあいわばセッション参加者や、サービスを受ける側、当事者抜きで決めるな、という話でもあるな。

 しかし、後半でいろいろな課題にも言及してはる。

 客観的尺度が良くなっても主観的尺度は良くならなかった例。

 これは、例えば「株高になった」「GDPが拡大した」が生活実感は苦しくなったとかがわかりやすい。

 ある非行防止プログラムで参加した青少年も親も「受けて良かった」と答えたにもかかわらずプラスの影響は無かった。


 これらには下記のような問題が考えられる。

1.偶発性の問題。付随して周囲の他の条件、利益相反があってデータが偏るなども。
2.測定していない別のものの影響。例えば癇癪を測定していて、癇癪は減っていないが、暴言が減ったので親御さんは効果あったと判断したなど。
3.自分自身のことはわからない、という問題。

 まあそやね。

 しかし、社会的妥当性という概念がなぜ出てきたか、ということがわかってめちゃくちゃ面白かったです。



posted by kingstone at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする