「発達障害児者支援における専門的指導技法の適用と課題」
霜田浩信・井澤信三(2023)『発達障害研究』Vol.45, 3, ,183
霜田浩信・井澤信三(2023)『発達障害研究』Vol.45, 3, ,183
今回の『発達障害研究』第45巻第3号は表記のテーマの特集。
これは巻頭言にあたる文書です。
これを編集した意図が
本特集によって 、特に若い実践者が、専門的指導技法を学ぶ機会となり、現場において、専門的指導技法のみが一人歩きするのではなく、理論的な背景や適用上の課題を理解したうえで適切に適用されることを願いたい. |
ということで取り上げられているものが
応用行動分析学,TEACCHプログラム, 認知行動療法,運動療法,心理療法, 作業療法, AAC, ペアレントトレーニング, ビジョントレーニング等多岐にわたる. |
ということで、ある意味、めちゃめちゃ野心的なテーマというか・・・
なお、
本企画における「発達障害 」とは知的障害を含む発達障害として位置づける。 |
とのことです。
まず第1感として「同列に並べられるのか?」というのがあるけれど、これらのような名前のついた本や学会(カンファレンス)などいっぱいあり、その中で特に「若い実践者(特に教師)」が「何を学べばいいのか」がわからないまま右往左往し、結局何も身につかない、ということもありがちなので、頭の中に「ふ〜〜ん、こんなもんなのかあ」とだいたいのイメージを作り、学ぶとっかかりとして重要な仕事なのだろうな、と思いました。でまた最近の潮流もわかるし。
しかし1例を上げると応用行動分析学(ABA)は、ここにある全てのものの背後にある、と言ってもいいし、また AAC は、はたまた他の全てのところで使い得るし・・・
そのあたりの入れ子構造はあるのを承知で、ややこしいことに取り組もうとされているんだろうな。
あと「専門的指導技法」って、そんなのあるのかな?というのも思う。例えば応用行動分析と言った時は、「行動の原理」を解き明かすというのがまずあって、そのうえでいろいろな課題解決に使う技法みたいなのがあり、例えば PECS といえば本当に「専門的技法」の色が濃いけれど、広範な範囲の応用行動分析を見てみると「専門的技法」というのがそぐわない場合も多いよなあ・・・とか。(しかしそれぞれの分野で「専門的技法が無い」というのも言い難い?)
さて、読んで行こう。