「支援技術をどのように子どもの学びにつなげるか?」
青木高光 , ATAC2023 , B-1(「学ぶ」カテゴリ 1)
私、学校をウツ・ネタキリで退職していなければ、もっと早い時期に青木さんとは面識ができていたと思います。ネタキリから起き上がって、その後、視覚的支援には関わり続けたものの、手書きでささっと書く方向に行き、かつまあ研修会に参加するお金も無いし・・・で、お会いしないまま来てしまっていました。
青木さんは下のようなイラストと、
それを教育にどう活かすか、という
で超有名な方です。
最近、保護者に視覚的支援をして頂く時、絵を描くのが苦手な方にでも作って頂きやすい冊子を作っていて、そこで Drops のイラストを引用したくて著作権について知りたくて、そのことを質問したい、という個人的事情があって、いの一番にこのセッション参加を決めました。
研修講演前の、私だったら話しかけないでくれいいいい、という時間帯であったにも関わらず、ひょっとして「今お聞きしなきゃ、いつつかまえられるかわからない」という思いで尋ねさせて頂きました。そしたら
「商用なら契約が必要。商用で無いなら自由に使ってもらっていいです」
とのことで、ほっとしました。まあ、冊子のワンコインほどの有料化も考えなくはなかったのですが、こうなると無料配布ですね。
DropTap について
講演の冒頭での自己紹介的にドロップスやドロップレット・プロジェクトの説明があり、あの特徴のあるイラストは保健の先生(たぶんかつて同じ学校の同僚さんだったんだろうな)が描き、DropTap などのアプリは 鈴木さんって方が作られているそうで、それぞれ会場におられたので紹介してはりました。
なお、鈴木さんは、こちらの動画で顔出ししてはります。
ってことは、青木さんはこのプロジェクトのプロデューサーというお立場か。
DropTap は特別支援学校の全児童・生徒の GIGAスクール端末にこの入ることになりました。
DropTap 本体:1500円
スケジュールのアドオン:650円
で、計2150円✕全児童生徒数
ですからとんでもない金額になるものを無償で提供されているわけですね。
しかし・・・ということは特別支援学校の先生方、「スケジュールなんて作るのめんどくさいし、便利なものがあると言っても、タブレットもアプリも持ってないし・・・」ということは言えなくなるってことかな。
いや、もちろん苦手な方はおられるでしょう。そのため(だけではないですが)文部科学省はこんな事業を行っています。
なんか DX というと、事務処理が頭に浮かんでしまいますが、それもありますが、上にリンクを貼ったポータルサイトを見て頂ければわかるように「どんな手立てを使って学びを推進させていけるか」というのを促進していく事業です。
なお、このポータルを見ていると、「サポート事業者」というのもあるので「機器操作」のあたりでの困難(これも実際ネックになっている部分あると思います)にも対応してくれそうです。
そして元のアドバイザーのページを見てみるとアドバイザーの名前がずらずら並んでいます。
私の知ってる名前を探してみると兵庫教育大学の小川修史さんが入ってます。
で、このアドバイスを頂くのって基本リモートのはずだったのですが、申込みが少ないため直接来て頂くことも(日時が合えば、でしょうが)できるようになったか、なる、とのことです。
こんなん来て頂けたら、めっちゃお得ですやん。
(しかし、来て頂くこともできる、ということになれば、現在の勤務先の所在地がぱっとわかったり、それで検索できたりするといいのにな)
長野県の学校ICT支援体制
・特別支援学校では各校に1人 ICT 活用推進担当を専任(たぶん特定の担任を持たず校内全体の担当)
・県内4圏域のそれぞれに1人ブロック・リーダーがおり巡回して相談にのる
なお、通常校も含めての ICT 推進のために
1 特別支援学校の教育環境の改善
長野県特別支援学校整備基本方針に基づく長期的な視点に立った改築等と応急的な視点に立った増築等の計画的な推進、共学共創に向けた整備、感染症対応、働き方改革の推進
2 多様な教育的ニーズに対応する専門性のさらなる強化
教育相談・行動支援・ICT活用等分野別リーダー教員の配置、 ICTやAT(アセスティブ・テクノロジー)リソースの拠点の整備と支援〈再掲〉、医療・福祉分野等の外部専門家活用
3 卒業後の多様な自立につながるキャリア教育・交流及び共同学習・生涯学習の充実
地域と連携したキャリア教育、個別の教育支援計画等の効果的活用による進路支援、副学籍制度の充実、スポーツ・文化芸術活動等の充実
4 インクルーシブな教育を支えるセンター的機能の充実
小中高の学校解決力を高めるための特別支援学校におけるセンター的機能の充実、医療的ケア等の相談支援の充実 |
と、ICT 以外にも「行動支援」の専任教師(?)が入るのかな。すごい。外部専門家活用も明記されている。
活用事例
◯家からなかなか出ることが難しいお子さんの
Double3 での実践例。
(ただし、これ、価格は相当なものみたい。「お問い合わせください」となってますし・・・寿司屋で「時価」ってのがめちゃこわいみたいな。ひょっとして担任さんの自腹?やっちゃうんですよね・・・)
◯非常に障害の重いお子さんが余暇活動をできだした例。
が担任さんから紹介されました。その他お話だけですが
◯タイピングソフトでのタイピング練習で上達しなかったお子さんが野球好きとわかり、選手名を打ち込むようにしたらめちゃくちゃ上達した。
◯給食時間に課題があった生徒が自分がDJをしたり、演奏したりを配信するようになって問題が無くなった(複数例)
とか、めっちゃ面白かったです。
想像するに、青木さんは教師として、「こんな授業をしたいから、こんなことはできないか」とアイデアを出し、それに保健の先生や鈴木さんが協力しているうちに、ドロップレット・プロジェクトが大きくなっていった、という感じか。
実は、私もこれがまっとうな形(授業をする教師本人が絵が描けたり、アプリを作れたり、ってんじゃない。あくまでも「こんな授業がしたい」がある)だと昔から思ってきていました。
そして地元(長野県)の教育システム作りにも大きく貢献してはる。それが講演の中でよくわかりました。
なお、私は DropTap にスケジュール・アドオンの付け方がわからなかったので、講演終了後、鈴木さんに直接うかがうことができました。
で、PDF のマニュアルとかは無いみたいなのだけど、動画はある、ということで探してみるとYouTube にチャンネルがありました。
しかし・・・私、動画視聴は苦手で・・・
まあ教えて頂いた スケジュール・アドオンの付け方だけは、静止して見ることのできる形で出せたら、と思います。(いつになるだろう・・・)