あと書き忘れ。
事例を生で出してはいけないだろうから、まああいまいな形で書きますけど
ある不適切な行動のあったお子さん。カードでの要求→選択と進み、強化子として最初は身体接触を伴うものだったのが、伴わない(ひとりで楽しめる)ものに変わっていき、不適切な行動は無くなった。
で、この例がすごいのは教頭先生が担任さんを指導してうまくいった例。
昨年の井上美保校長先生といい、やはり管理職の先生が「何が大事か」がわかっておられると、いろいろ良きことが起こるなあ。
また学校でコンサルテーションなどやってる方のお話の中で、「せっかくコンサルテーションしてうまく行きだしても、進級時にうまく引き継ぎができず元の木阿弥にされるとがっくり来る」なんてお話もありました。
引き継ぎ・・・本来、みなさん同等の基礎知識・技能があり、個別の特性の部分のみ簡単に引き継ぎすればうまくいくはずなんだけど・・・
しかし、上のような「引き継ぎがうまくいかない(ひょっとして「されていない」なんてことは無いよね・・・)」事例はたくさん経験しています。だいたい「みなさん同等の基礎知識・技能がある」ということが稀だし(一部できている学校もあるかもしれませんが)。
また引き継ぎをしたとしても、新しい毎日が始まるわけですから、目の前の状況に応じて「そのたびに自分で考えていく」必要もあるわけです。
そういう意味で
P1B-4 「構造化された学習環境に関する学校研究の実践」
はめっちゃ面白かったです。
自閉症の特性に関する知識の尺度を縦軸に、研修、事例研修をやった後の構造化に関する単語の量の変化を横軸にとってグラフを作ってみたら、最初は単語の量が増えたけれど、その後少し減った。たぶん「環境を設定する」でまとまっちゃったのでは?みたいな。
確かに私も「環境を設定する」という言葉で
・カレンダー
・スケジュール
・ワークシステム
・(ワークシステムとも重なるけれど)手順書
・物理的構造化
・わかりやすい設定
そして
・周囲の人の態度
全部こみで使ってしまいます。
しかし私が「環境を設定する」と言うのを聞いた人が何を頭に思い浮かべるか、というのは全然違っていたりするかもしれません。
ですから「引き継ぎ」の時は「環境の設定が大事です」と言って相手には通じないですよね。
やはり、それぞれ具体的にどうやったか、画像や動画を見てもらわないとわからないし、また見ても反発するだけということもあり得るかもしれません。
私はこれだけやっても無意味だった、という経験があります。
まあ、25年ほどたっていますから、今は変わっているかな。