※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2022年09月23日

2022年09月22日のつぶやき
































































































































































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2022年09月22日

Aさんと



 特殊教育学会第60回大会 自主シンポジウム I-9「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS(16)」が終わって、片付けをしていると、声をかけて下さった方が。

 一応、A さんとしておきます。

 私が Nifty-Serve の障害児教育フォーラムで初めて「行動分析」というのをみなさんに教えて頂いた時に、コーディネータ役をして下さっていた方です。お立場から言えば スキナリアン、徹底行動主義とかいうのになるのかな?

 で、こうおっしゃる。「PBS と ABA が全く違うものだとよくわかりました」

 ?!?!

 今、大久保先生が「アメリカでは ABA の団体と、PBS の団体はほぼ完全に分かれてしまった。しかし日本は ABA をやっている人が PBS をやっている人と重なっている(それが良き)」という話をされていたところですが・・・

 めっちゃ刺激的。

 即晩ごはんをご一緒して頂くことを提案(実のところ私、友達少ないのでぼっち飯を覚悟してましたから)。で、ご一緒できました。

 A さんのおっしゃるには Positive の使い方が、ABA と PBS では違っているそうです。

 だからアメリカで団体が別れたのはむべなるかな、ということでした。

 う〜〜む、私には理解できたとはとても言えないのですが、何となく感じるのは「一神教か多神教か」みたいなところで、日本は基本が多神教(八百万の神々)だから、あんまりそのあたりにはこだわらない人たちばかりなのかな?「言葉」にそれほどこだわらないと言うか・・・


 あと、ABA は「良く」も「悪く」も使える(イメージとしては鉄人28号のリモコンか)、切れ味もするどい、だからこそ謙虚にデータをとり、常に「これでいいのか(社会的妥当性ということになるかと思います)を問い続けて実践しなければならない、みたいな話をうかがいました。



 今回の特殊教育学会、参加できたのは、自主シンポ2つ、ポスター発表1コマだけだったのですが、この A さんとの対話もあり、十二分に元をとれたと思いました。(もひとつ、台風での新幹線運休を避けるために、2日目お昼につくばエキスプレスのホームにいたら、またAさんに声をかけて頂け、東京駅に向かう電車の中でお話をうかがうことができたのも、めちゃラッキーでした)


posted by kingstone at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS



特殊教育学会第60回大会 自主シンポジウム I-9

「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS(16)」

企画者   平澤紀子(岐阜大学)
司会者   平澤紀子(岐阜大学)
話題提供者 平澤紀子(岐阜大学)
      前川圭一郎(足立区こども支援センター)
      今本繁(合同会社ABC研究所)
指定討論者 大久保賢一(畿央大学)

 話題としては、「日本の教育・福祉の中で、SWPBS をやってみて効果があった」というエビデンス(論文)は出てきているので、実装して広げていくにはどうしたらいいか、というあたりかな。

 平澤先生からは

・目標となる QOL 向上をどこまで考えているか。
・何を成果とするか。(例えば「長時間座れる」ではなく「何をその時間で学ぶことができるようになったのか」)
・実行度はどうか

あたりか

 前川さんの「SWPBS実施行動が自発するには」のスライドが面白かった。

 内部だけでなく、外部の専門家と連携している場合の話ですね。

※ ( )内はkingstone の注だったりつぶやき。また一部改変。

A:弁別刺激B:行動C:結果事象
○管理職の服務命令(教師だと職務命令)
○条例等の法律に明記してある
○行政からの依頼
(これらはトップダウンの刺激ですね)


○子どもの問題が悪化
○時間的余裕がある
○過去に連携で解決した経験
○わかりやすい支援内容[マニュアル]
○子どもの問題を一人で解決できない
(これらは担任個人から出発する、いわばボトムアップの刺激ですね)


●困り感なし
●過去に連携でうまくいかなかった経験
●外部を頼ってはいけない雰囲気
●難解な支援内容
(これらは、自発を阻害する弁別刺激ですね。この「困り感なし」、っての、全体がうまくいっているのならいいのですが、「担任個人、あるいは担任団」は困っていない。しかし本人は困っていて、行動問題を頻発している。そして親御さんに「こんな(困った)行動をしました」と逐一報告している・・・実際にそういう状況の担任団に「外部に相談してみては?」と提案すると「困ってないですし」と言われちゃったことがあります・・・本人・保護者・相談を受けている私たち、全員困っていたのですが。あと、「外部を頼ってはいけない雰囲気」というより、「外部との連携」という場合があり得るし、利用していい、ということそのものが頭に浮かばないのかも。まあそれが「頼ってはいけない雰囲気」と同義かもしれませんが)
プログラムの実施
○こどもの問題が解決できた↑ [負の強化]
(ここは「適切な行動が増えた↑」[正の強化]というのも欲しい)

○仕事の量が減る↑ [負の強化]

○上司・同僚からの称賛↑ [正の強化]

○子どもたちが喜ぶ↑ [正の強化]

○支援内容がわかりやすい↑ [正の強化]





●外部職種からの批判↓ [正の弱化]

●仕事が増える↓ [正の弱化・負の弱化]
(「負の弱化」もあるの?)

●上司や同僚が批判的↓ [正の弱化」

●支援内容が理解できない↓ [負の弱化]

●見通しの悪さ/不安 [負の弱化]


 なお足立区こども支援センターでは、民間企業と強力して、個別の指導計画、個別の教育支援計画を作成するツールを作っておられるそう。

 今本繁さんは、実際に福祉事業所の研修を構築していった例を話題提供して下さっていました。


 大久保先生からの指定討論では

○「話題提供は ABC 分析するならどこの部分になるのか」という定番の問が出てました。

 答えはシンポ中にあったのかな?
 私はすべて「A」になると考えたのですが。
 それと「考える時に ABC の枠組みでいいのか」というのもあったのですが、じゃあどんな枠組みがあるだろう。


 また実行を支える支援(教師やスタッフに対しての)も必要だし、時間があまりかからなかったり、研修コストがかからないことなどの重要性も出ていました。

 それへの今本さんの回答として、まずい例としては

・することが増える
・コストが増える
・業務を回すことでいっぱいいっぱい
・何をどうしていいかわからない
・行動問題に追われる

というのがあると。ほんと教育業界より福祉業界のほうがこのあたりはシビアですし。
で、もちろんこの逆になればいいわけですよね。

○「 QOL の向上」PBS のゴールをどのように共有したらいいのか

 私にとってはゴールは明確(ただし、私が対象としているお子さんは、自閉症スペクトラムかつ知的に重度な方に偏っているかも)になっていて

「本人が楽、親御さん(家庭)が楽、周囲が楽」

なんだけれど、親御さんや周囲が楽ったって、「その人たちが何も準備せずに、音声言語で全てやりとりできるような楽」で無いことは確かなんだよね。そのあたり利益相反と思う人もいるかもしれない。

 あと、「アメリカでは ABA の団体と、PBS の団体はほぼ完全に分かれてしまった。しかし日本は ABA をやっている人が PBS をやっている人と重なっている(それが良き)」といういつも話されている説明がありました。

 でですね・・・面白いことがあったのですが、それはまた別エントリーで。


どうでもいい話?

 Twitter で「先生」と呼ぶかどうか、「先生と呼ぶな」という人のほうがかえって権威主義、いや単に便利だから「先生」って呼んでるだけ、とか議論になってましたが。

 私が「先生」をつけないと気分が落ち着かないのは、現時点で大久保賢一先生、平澤紀子先生、井上雅彦先生、佐々木正美先生かな・・・佐々木先生以外は全員私より年下だろうと思うけど。

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2022年09月21日のつぶやき






















































































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2022年09月21日

矯正教育の実践・研究をめぐる歩みと展望




特殊教育学会第60回大会 準備委員会企画
教育講演4
「矯正教育の実践・研究をめぐる歩みと展望」

講師 林和治(元法務省矯正研修所長)
   内藤千尋(山梨大学)


まとまりなくメモのみ。

 少年院での処遇に特殊教育の視点が必要とされ、副島和穂さんが招聘された。そこからの始まり。

 (もちろんそれ以前より、「規則正しい生活」とかいろいろ考えて実践されていただろうけれど)
   
 平成20年(2008)年頃より発達の機会が保障されず、発達の課題を抱えた入院児への処遇に関する議論が出てきた。

 平成26年(2014年)「発達上の課題を有する在院者に対する処遇プログラム実施ガイドライン」作成・試行
   28年(2016年)全庁配布


(上の記事は法務省のページだけれど、ガイドラインの説明として、白梅学園大学子ども学部教授 堀江まゆみさんのコラムとしてだが、パッケージされたプログラム名もバンバン出てくる。自閉症のお子さんの教育についてもガイドラインが必要ではないか、という意見があるが、本当に必要だと思う。教師一人ひとりの自主性・研鑽に任せる、パッケージされたプログラムに偏らない、という一見美辞麗句にまみれ、悲惨な状態があちこちで見られる現状を文部科学省はほっといていいと思ってるんだろうか(しかし、TEACCH や ABA ってパッケージされたプログラムとは言えないもののような気もするが。もっと基本的なものであって。それでも名前出てこないもんなあ・・・))

参考
近年の少年院における矯正教育の実践・研究の動向について」後藤信之(2012)『特殊教育学研究』50, 3, 323-332


必要なもの
安全・安心に学べる基礎的環境整備と合理的配慮

今後の課題
・居場所(学校の中にも)
・生活と教育の両面から子どもの発達機会を保障

posted by kingstone at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする