※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2022年06月13日

『感じるオープンダイアローグ』森川すいめい著




 私はいつも、読んだ本からなにかを得ようとメモを取ります。

 しかし、この本はメモする無意味さを知らしめる本というか・・・

 いや、大切な原則は何度も出てきます。

○「その人のいないところで、その人のことを話さない」
○「1対1で会わない(複数のスタッフで会う)」

 これが、現在の精神科医療でも、福祉サービスでもどれだけたいへんか、実行困難か、ということは実践しておられる人だったら日々感じておられることだと思います。前者は今の医療や福祉サービスのありようとして、後者は主としてお金の問題として。

 話を話し切るのを聞ききる、ということについても、これも時間、実はお金の問題としてたいへん現状難しい。

 しかし、この本に書かれていることがすごく重要なことはよくわかります。


 会議についての How to で、「立ったままする」「30分以上はしない」「選択肢を上げておく」などが語られることがあります。会社などで、なにかを決定するための会議だとこうせざるを得ないことも多いかと思います。

 肢体不自由養護学校に勤務していた時の会議はやたら長時間かかり、何も決まらず、どないかせなあかんなあ、とも思っていました。

 しかし、途中から会議には2種類必要だな、と思い始めました。何か学校全体で動いていく時に「決定」をするための会議。もうひとつは、みんなが感じていることを言い合って、「そうなんやあ」と思うための会議。

 特に阪神淡路大震災の時、まだ子供たちが登校できない状況で家庭訪問を繰り返していた教師たちが帰ってきて今日あったことを語り合う会議(?)の時は、後者の会議(?)も大切なのだなあ、と感じました。


「(ほとんど)対話だけ」に見えるのに、研修は3年のコースもある。「専門性」とかなくてもいいのかと思えば、実は対話に参加する「医師」「看護師」あるいは日本であれば「相談支援専門員」「ケアマネージャー」などの「専門性」も重要。しかしそういうものが無ければ「できない」わけではない。

 また認知症の方との対話の部分で「ユマニチュードを学ぶこともいいだろう」と書かれています。これは自閉症スペクトラムの方との対話にはやはり視覚支援は必須になるのではないか、という話につながるとも思います。

「A ならば Bすれば良い」というような How to の無い「わかるような」「わからないような」しかし「そこにいる」みたいな本かな。




「フィンランドは、国連が発表した今年の「世界幸福度報告書」で、5年連続となる1位に選ばれた。新型コロナウイルスの流行が起きた後も首位を維持していることは、大きな功績だ。その理由は、美しい景色と自然、ゆったりとしたライフスタイル、犯罪率の低さ、生活水準の高さ、教育システムの充実にあるとされる。」



 上の「幸福度」の記事にも「フィンランドの首都ヘルシンキも多様性豊か」と書かれています。移民がすごく増えてきているようです。この記事の義務教育延長で無料というのも、そのような教育によって統合していこうという意図がある、という記事を読んだことがあります。
 移民を認めず、まともな人権も無いような「技能実習生」という制度を作るのと、来てもらうならちゃんと子弟の教育もしていこう、というのとどちらが幸福度が上がるか、ひとりひとりが考えていく必要があるでしょうね。



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2022年06月12日のつぶやき










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2022年06月12日

2022年06月11日のつぶやき








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2022年06月11日

『ヒトラーとナチ・ドイツ』石田勇治著




読書メモ

1933年1月30日 ヒンデンブルク大統領はヒトラーを首相に任命
1933年2月27日 国会炎上事件。ヒトラー政府は「共産党による国家転覆の陰謀」であるとして翌28日に「国民と国家を防衛するための緊急例(議事堂炎上令=非常事態宣言」を出し、急進左翼指導者を一網打尽にし、突撃隊も目をつけていた活動家を拉致した。
国民の大半は「非常時に多少の自由が制限されるのはやむを得ない」と考え、また「議事堂炎上令はいっときのもの」と考えていた。(しかしドイツ敗戦までの12年間続いた)
(ひどい目にあっているのは全体からみればごく少数)


また戦後初期の西ドイツで実施された住民意識調査(1951)によると、「20世紀の中でドイツが最もうまくいったのはいつですか。あなたの気持ちにしたがって答えてください」という質問に回答者の40%がナチ時代の前半を上げている。

雇用政策
失業者の推移

1932年 5575000人
1933年 4804000人
1934年 2718000人
1936年 1593000人
1937年  912000人
1938年  429000人
1939年  119000人

1933年などは、それ以前のパーペン・シュライヒャー両政府の効果と考えられる。
シュライヒャーのプランは財政均衡策ではなく、財政支出を伴う雇用創出政策(ケインズ主義)
その後、ヒトラー政権になってから

シャハトによる財政出動(政府による道路・運河・橋梁などの発注)
減税
国庫助成による住宅建設
若者の勤労奉仕(失業者は減る)
女子就労者を家庭に戻す(結婚を機に二度と就労しないことを条件に1000マルク貸付。出産すれば1人につき1/4返還免除。4人産めばチャラ)
夫婦共働き禁止
軍事インフラ整備による雇用
徴兵


ユダヤ人へのヘイト政策について

多くのドイツ人にとって、ユダヤ人はごく少数(1%)


というようなことがあって、破滅に向かって行ったと・・・

マイノリティーの痛みに「俺たちのことじゃないからまっいっかあ」とやってるとえらい目に会う、ってことやな。



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2022年06月10日のつぶやき














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