著者はこの本を『ケアする人も楽になる 認知行動療法 BOOK1』『同 BOOK2』の続編として書かれたとか。
そっちを先に読んだほうが良かったかな?でも著者もそれらを読んでなくてもこの本を直接読んでも大丈夫、と書かれていて、確かにこの本単体としても読めるな、と思いました。
私は、認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy:CBT)というのは名前だけ知っていましたが、中身は全然知りませんでした。
認知行動療法って、今ここの体験に対して、認知・気分・行動・身体反応と分けた時、意図的な対処(コーピング)ができるのは、認知と行動だけだからそこに働きかけるのでこの名前だとか。
認知の定義が私が普段使っているよりすごく広い。私だと感覚入力(イメージ作りも入るかな。意味を受け取る、というか)だけだけど、思考や判断も入るみたい。
で、
「認知行動療法とは、簡単に言うと、『自分のストレスと上手につきあったり、自分を上手に助けたりするための心理学的な手法』です」
だそうです。
「マインドフルネス」と「スキーマ療法」は認知行動療法の技法のうちの2つ。
「『マインドフルネス Mindfulness』は『サティ』という仏教用語(パーリ語という言語なのだそうです)を英訳したもので、『念』という漢字に該当しますが、現在は『気づきを向ける』という日本語が使われることが多いです」
とのこと。
マインドフルネスって禅みたいなもんか、と思っていましたが、当たらずとも遠からずだったようです。
禅と違って結跏趺坐や半跏趺坐しなくていいから私にもできるかも。私、体が固くなっていて、結跏趺坐はもちろん半跏趺坐も苦しくなってまして。
まあ禅は「結果として同じようなことが起こる」けれども、説明したりはせず、ただ座ったり、公案をとくことで身につけていく、というのは大きな違いでしょうが。
今、ここで起こっている体験を、受け止め、味わい、手放していく、と。
スキーマ療法は、ある意味、認知行動療法の発展型みたいな感じ?
認知行動療法が「浅い」体験に焦点を当てるとすると、スキーマ療法はより「深い」体験と、それによってできた「生き方」「型」に焦点を当ていく、という感じなのかな。
そのさいにいろいろなワークをします。
最初に出てきたのが「レーズンのワーク」。レーズンを持てる感覚全てを使って味わいつくすというものですが、なるほどな、ではあります。
その他いろいろなワークが出てきます。この本に出てくるのは架空の事例なのですが、伊藤さんがクライエントさんと「意思確認」というか「契約」というかを繰り返し、「一緒に考えて進んでいく」というのがすごく伝わってきました。大切なことだなあ、と思いました。
しかし、この本は BOOK1。私は1しか買ってなかったのですが、「わおーーっ、ここで続くのか!」と思いましたです。読まれる方は BOOK1、BOOK2 同時に買っておかれることをお勧めします。私もさっそく注文しました。
posted by kingstone at 18:59|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
本・記事・番組など
|
|