私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年10月17日

「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS」を視聴する



特殊教育学会自主シンポ50
「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS」

企画者 平澤紀子
司会者 平澤紀子
話題提供者 岡村章司
話題提供者 佐々木千絵
話題提供者 村本浄司
指定討論者 大久保賢一

 しかし・・・動画の視聴に関して

「著作権者の事前の許可なく、これらの情報を利用 (複製、改変、配布、公衆送信等を含みます。) することはできません」

とあるのですが、私のように感想の記事を書いてはいけないんだろうか?
一応「情報を利用」して勉強し、それについて感想を書いているのだけど・・・
あかんかったら即削除しますので、あかんかったら運営の方からご連絡下さい。

平澤先生の企画意図説明(企画案からの引用を含む)

PBSとは の一部
当事者のポジティブな行動(本人のQOL向上や本人が価値あると考える成果に直結する行動)をポジティブに(罰的ではない肯定的、教育的、予防的な方法で)支援するための枠組み

で、昨年度の自主シンポで

「実践をリードする推進者」

が大事、という話になったみたい。

 そして現場の支援者と共有するために、

・PBSの推進者は何を学習すればいいのか
・どのような学習(これは推進者と支援者の、ということだと思う)が必要か

という問題意識で開催されている。
なんか RPG で勇者のレベルによって使える武器が違う、みたいな・・・


1.PBS研修のスタンダード(岡村先生の話題提供)

 特別支援学校を対象とした場合(?)で、Lewis et al.,2016 に基づいて、1層、2層、3層に分けて必要なことを書いている。

 この1層、2層、3層って PBS をよく勉強している人でないとわからないのじゃないかな。私もわからなくて、以前どこかで見つけて「なんやそういうことやったんか」と思ったのですが、また忘れてしまっている(笑)

 ネットを検索して見つけたのがこれ。
 
「ポジティブな行動支援 PBS とは?」

 これは支援の必要なお子さんを階層分けしたものですが、
1層 全員 〜80%
2層 リスクの高い子への支援 〜15%
3層 より専門的な支援 5%
 ここから類推すれば第1層というのは、全特別支援学校の教師であり、全特別支援学級の教師ということになるのかな。
で、1層の集団と情報共有する講師(リーダー)に必要なものは

○ PBSの定義
○ ABAの基礎
・ABC分析
・機能的行動アセスメントの理論
・データ収集
○1層支援で必要な内容 
例 行動マトリックス 効果的な教室実践
○スクリーニング
○学校の課題把握


そして基礎研修プログラム案として提案されているのが
1.導入
2.ABA、PBSとは
3.三項随伴性と行動の機能
4.結果操作、強化を中心に
5.データに基づく評価
と、主としてABA、PBSについての内容(これはこの自主シンポとして当たり前ですが)になっています。

 はて「三項随伴性」って何だったっけ?と調べてみたら、
事前の状況
行動
事後の結果
で、何だABC分析のことだ、とわかりました。正確には

「三項随伴性の考え方に基づいて『事前の状況』『行動』『事後の結果』を分析するのがABC分析」

というようなことになるのかな。

 そのあたりを学ぶには

はわかりやすいと思います。
関連エントリとしては


 私としては、導入のところで「何のためにこんな勉強をし、スタッフの行動を変容させていくのか」は入れておきたいところだな。

 卒業後の、

・周囲の人とのコミュニケーション(音声言語にこだわらない。人によっては音声言語を使ってはいけない場合も)が取れるようになること
・その人なりの楽しく、充実した生活が送れるように

というのが目的であって、短期的にはみんなが集まったクラスで授業と呼ばれるものに(私が学校文化と呼ぶものに)参加させるためではない、というのは肝に銘じておいて頂きたいのだけど。結構それが諸悪の根源だったりするので。(もちろんそのお子さんが長期的には参加できるように、授業を改善していって頂きたいのだけど)

 もっと言えば、現状の学校が体制が整っていない場合、学校に来なくてもいいのだ、しかしそれは自分たちの責任であるから、体制を整えていこう、というふうにして欲しい。「学校に来てくれさえすればちゃんとできるんです」とか言って、強制的に学校に連れていく部分を、家庭や福祉に丸投げしないで欲しい。

 そこを自覚して下さる先生方となら、いくらでも連携できるのだけれど。
 学校が強化子になっていたら、スキップして学校に行くと思うから。


2.特別支援学校におけるPBS推進者(佐々木先生の話題提供)

動画を見てたら、ある特別支援学校での問題として

「免許保有者が少ない」

とあった。
先日のニュースでは特別支援学校の80%の教師が特別支援教育免許を持っている、という話ではなかったか?

"知的障害教育で86・0%"

と書いてあるのだが・・・
もちろん地域・学校によって違いはあるだろうけれど。
 ひょっとして、このアンケート回答、母集団が正規採用の教員だけ?

 なお、私は以前より「特別支援教育免許」の特に認定講習の座学はほとんど無意味ではないか、みたいな意見をもっており、それに使う時間を別の形で、スーパーバイズつきでの現場での自分が担当しているお子さんの事例研究とか(つまりOJT)にしたほうがよっぽどいいんじゃないか、と思っています。

 たぶん、講師の先生方から、最新のことを学ばして頂けるんだろうけれど、「講義を聞く」という形式では身につくことはものすごく少ない、と思っていいと思う。


話題提供者は支援部長さん

う〜〜ん、ぱっと視聴しただけではよくわからない。

 企画案に書かれているのは

こうした課題に対して、実践校は、支援部が各学部の事例検討会を行なっていたが、個々のスキルにより成果が左右された。そこで支援部長が支援部員にPBS研修を行い(「事例検討シート」を用いた演習)、支援部員のスキル習得を確認した後で、各学部の事例検討会を行なった。その結果、対象児の望ましい変容や教員の支援の見通しの向上につながった。

 とのことです。やっぱり事例研究というか事例検討を大事にしてはるのね。
 ひょっとして支援部長さん、すげえ仕事量?

 なお、指定討論のさいの質問に
Q.難しかったところはどこですか
A.日程調整
というのがありました。これ、特別支援学校が大規模化し過ぎてるのだと思う。また
Q.地域へのサポートは
A.なかなか地域までは手が回っていない。校内体制つくりが必要
とのことでしたが、しかしこれだけ校内への支援をしているというのが素晴らしいと思いました。
私の知っているいくつかの学校は支援部はあっても外部支援がほとんど、そして校内はちょっとまずいぞ状態であったり・・・自分の組織がちゃんとできていなくて、外部を支援できるものだろうか・・・(なお学校によっては「自立活動部」が校内指導にあったっているようです。場合によっては「研修部」があたる場合もあるかな?)



3.福祉施設におけるPBS推進者(林先生の話題提供)

 400人超の利用者さんがいる入所施設での研修システム。10年前から取り組み、発表者さんがその施設を退職して6年、そのシステムはどうなったか、という報告が前半。しかしそのままの形ではないけど続いてる、すげえ。

 一応、初級、中級、上級、スーパーバイザーという段階で進んでいきます。

 上がるにつれてお給料も上がったりするのかな。それだとモチベーションが上がるような気がしますが、そこの説明は無かったかな。

 ただ「地域参加の支援」については弱点があり、そこを助けてくださるのは相談支援専門員であろう、ということで相談支援専門員と発表者さんが協力して行動問題を減らしていったのが後半。

 そして「相談支援専門員も ABA や PBS の研修を」というのを提言してはりました。

 ここについては、私がツイートをしたところこんなツイートをされた方がおられました。私もほぼ同意見です。

相談支援専門員は、利用者のニーズを理解して適切な支援を提供できる事業所に『繋ぐ』役割を担う人なので、直接支援技術力よりも、各種事業所の力量を知る情報収集力を持つ方が大事だと思う。

 あと現状では相談支援専門員は「数をこなさないといけない」。そして書類書きに追われて疲弊しているの現実です。結局これはお金の問題。せめてケアマネージャーさんのように35件上限で、生活がたつ財政支援をして下さればいいのですが。

 そしてもちろん、福祉職も教職員も、常識としてのABA理解はやはり必須だとは思います。(いや、なんちゃらのほうが、いやこっちのほうが、とかいろいろご意見はありましょうが、常識として知っていて、その上に何を構築しようとそれはその人の個性でいいんじゃないの、と思いますから)

 しかし、そういうものを学ぶためにも、「生活の安定する収入」「時間的余裕」は必須ですやん。



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2020年10月16日のつぶやき




























































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2020年10月16日

2020年10月15日のつぶやき
























































































































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2020年10月15日

「強度行動障害に関わる専門援助職に求められること(5)」を視聴する



2020年第58回特殊教育学会

自主シンポジウム27

強度行動障害に関わる専門援助職に求められること(5)
幼児の事例と青年期の事例から考える

企画者 笹田夕美子
企画者 奥田健次
司会者 笹田夕美子
話題提供者 原伸生
話題提供者 市橋那美
指定討論者 奥田健次
指定討論者 田中清章

笹田さんからの企画意図説明

「卒業時にひどい行動障害で、幼児期に関わっていた私に質問が来る。記録を読み返し、よく見ると、幼児期に既にその問題は出てきている」

ってめちゃあるある。

 幼児期は「かわいい」「自己主張が出てきたね」「よくなってきてるよ」で済んでいたことが、卒業前にはそれですまなくなると・・・

 そういう事態にしないための専門性は何か、ということなのですが。

で、こないだ、私の Twitter の TL でもやりとりのあった「マンツーマンはやめて(っていうか、どうしたら離れられるか考えて、だけど)」が最初に出てきてる。

話題提供1. 幼児さんの事例

1.問題行動がそもそも起きない環境設定(最初は集団から離して)
2.「ひとり遊び(できること)」を増やすこと

で問題を場面によっては完全消去、場面によってはまだ般化しないところも。
しかし2.によって保育士さんが「褒めることに意識が向く」ようになったと。(それまでは止めるばかり)
つまり本人さんもだけどスタッフさんも変化してる。



話題提供2. 高等部の方の事例。

 さきほどの幼児さんも、この生徒さんも奥田先生のコンサルテーションで改善しているわけだが・・・

 高等部の生徒さんに対して、たぶん小・中でも「当然やるべきこと(視覚を利用した自立的な活動)」が行われておらず、音声指示で問題が起きてる。
 そして問題行動は昔の記録を調べてみたらずっと書かれてたって。

 うまくいっていなかった時のABC分析と、介入してから(Aの部分の変化)が出ているけれど、前者のAでは「声かけ」しか記録されておらず、後者のAには「視覚支援」も利用されている。

 このような事実から、今まで小学部・中学部を通じてご本人に合った視覚支援がなされていなかったのではないか、と推測される。

 また作業についても過去「できていた」という評価があるが、介入後にはすごく簡単な課題に変え、できたらごほうびもあげている。

 ここからは、「この作業ならできる」と考えられていたものが、実はできていなくて、「ひとりでできる」というところがおろそかにされていたのではないか、と考えられる。一応この記事の最後に「自立課題学習」についての、私の動画や参考資料を置きます。

 まあうまくいって良かった、良かった、なのだけど・・・今までの9年以上は何だったのでしょうか・・・

 もちろんそれを改善にもっていった奥田先生はすごいのですが。



しかし

○幼児から取り組むには保護者の理解を得るのがむつかしい場合もある

ということで、これは痛いほどわかります。

この難しさは2方向であります。

1.「かわいい」で済んでしまい、手立てをしない。あるいは支援者が無意識のうちに、プロンプトを出したり、力で「させ」たりして、「できる」と勘違いして大きな課題があるとわからない。

2.親御さんから「(視覚支援を使うと)音声言語が使えないようになる。やめてくれ」
「(まずは一人でできることを増やそうと個別プログラムをしていると)集団に入れてくれ。集団にはいることが大事なんだから」と反対されてしまう。

1.の方は、よく観察することでわかります。ただし日々の実践の中では記憶にとどまらず流れていくことが多いので、動画を撮影して、それを見ればわかりやすいです。そして根本的に、「まずは(遊びでも)ひとりでできることが重要性」「的確なコミュニケーションの重要性」というのがしっかりわかり、その視点で見ていくことが大事です。ひょっとしたらそれが「身につけるべき専門性」かな?

2.の点は、管理職や教育委員会が「どういう指導がいいのか」をよく勉強し、現場が一貫した指導ができるようにし、保護者の理解を得られるようにしないとあかんよね。


 なお、動画の撮影については、もう今はめちゃめちゃコストも下がり、簡便になっており、やる気があればすぐにできちゃうと思うけど。

 今、個人情報の保護の面とかでむつかしいことがあるのはわかりますが、

1.入学時に動画撮影の許可をとっておく
2.動画は校内で指導のためのみに使うことを確約
3.そもそもそのお子さんと教師だけが映っているなら、その動画は保護者に差し上げても大丈夫
4.クラスの他の子も映っている場合でも、クラスの授業参観と同じだから、その学校に在籍している間はその動画を指導や成果を知らせるために見せてもOKでしょう
5.撮影して欲しくない、という方には個別に対応

で、入学時の「個別の動画」については、親御さんにお渡しし、成人後と比較したりもできますよね。


 あと、クールダウンとかカームダウンとかいう言葉がよく使われるけれど、それは状態であって行動ではない。もちろん「落ち着ける」ことはいいけれどそれだけじゃなあ、と語っておられました。

 そらそうやなあ。社会的に妥当な範囲で「わかってできること(もちろん余暇を含む)」が増えなきゃなあ。

もうおひとりの指定討論者の徳島の先生からの紹介

その中にはこんなのもありました

浜松の保育士の方はここを利用して勉強したりしているそう。

 最後の質疑応答を聞いていて、学校で先生方の関わり方の「良い変化」として報告されているところ、「この事例」の「現時点」ではそうなのだろうけれど、それをそのままにしておく、他の事例にも同じことをする、などしたらめちゃ危険、というのが想像できてしまって、本当に学校って難しいなあ、と感じました。













posted by kingstone at 16:53| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月14日のつぶやき














































































































posted by kingstone at 00:01| Comment(0) | よしなしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする