日本特殊教育学会第58回大会(2020 福岡大会)自主シンポジウム 14
「発達障害児の保護者支援における特別支援学校の役割 ー教師への支援や研修内容の検討ー」
企画者 岡村章司・井澤信三
企画案やポスター発表の論文の方には特に注意書きは無かったのですが、動画の方はこんな注意書きが書いてあります。
個人的な利用など著作権法によって認められる場合を除き、著作権者の事前の許可なく、これらの情報を利用 (複製、改変、配布、公衆送信等を含みます。) することはできません。 |
もちろん事例とかは、いろいろ気をつけないところがあるし、本当に紹介や感想を書くことは難しいです。(信じられないかもしれませんが、私もいろいろ気をつかって書いています)
というわけで、企画案のみについて、思ったところを。
【企画趣旨】より
第一に、自閉症の特性を共有したり、学校の理解を促したりなど、保護者との合意形成を含めたコミュニケーションの課題が挙げられた。 |
主語は「学校」や「教師」で、「保護者に」自閉症の特性を共有したり、学校とはどんなところか、何ができるのか等の理解を「保護者に」お願いしたりとかして、合意形成をする。そのための「学校」「教師」と「保護者」のコミュニケーションの課題があるよ、ということかな。
めちゃ大切だと思います。
となると、まず校内が「自閉症の特性を共有」できているのか、ということが問題になります。
学校によっていろいろでしょうが、私の周囲の特別支援学校や特別支援学級を思い浮かべると、まずそこができていません。
1校や2校でなく、複数です。
私もいろいろな方の相談にのることがあるのですが、やはり複数(1校や2校じゃないです)の学校の講師(非正規の方)さんは、事前の研修もなく、途中の研修もなく、しかし「1対1だからできるだろう」みたいな感じで強度行動障害的な行動を出してしまっている方の担当に当てられる・・・(繰り返しますが複数です)
そしてベテランからの指導は「やってみて」とか「(具体的やり方なしに)本人の気持ちを受け止めて」だったり・・・
それ、ベテランの人も「自閉症の特性」とかわかっておられない方がほとんどじゃないのかな?
もちろん、井澤さんはこのテーマの自主シンポを続けておられるし、井澤先生や岡村先生が関わっている学校は変わっていっていることと思いますが、たぶん変わっていっている学校は日本中の中で非常に少ないのじゃないか・・・
第二に、日常的な自閉症児の支援及び保護者とのかかわり、それらを支える校内支援体制づくりといった、行動問題が生じる前の予防的な対応の必要性が示された。 |
「行動問題が生じる前の予防的な対応」というのはお家の中でのことかな?
しかし、校内ではできているのだろうか?
特別支援学校のセンター的機能ということが言われています。
これも学校によって違うでしょうが、私の周囲の特別支援学校や特別支援学級では、そこができておらず、「行動問題」を生じるのは教師や学校の対応である場合でも、教師も学校もそれに気づいていない場合が多いので。(「これは障害だから仕方がない」と思っておられるよう)
そして「校内支援体制」についても、「支援部」があっても、対外的なことが忙しく、校内へ対応できない場合が多いように見えます。しかし校内を落ち着かせることができなくて、校外の相談にのれるとは思えないのですが。
現場の先生は「困った」「解決するための研修を受けたい」と思っておられても、そういう研修の時間が持たれてず困っておられたりします。しかし同じ学校の管理職の方にうかがうと「研修はちゃんとやっています」という回答がくるのですが。
これらの二点の課題が解消された上で、家庭での機能的アセスメントに基づく介入を保護者と協働して実施することが可能になると考えられた。 |
これはもう本当にその通りと思います。
と言うか・・・学校全体がいい取り組みをして、お子さんがニコニコ(別にニコニコしなくてもブスっとした表情でもいいのだけど。ニコニコという表情を作りにくいお子さんもいるから)落ち着いて、充実して過ごせているなら、
「これは、こう考えて、こう手立てしたら、こんなふうにできちゃうんですよ」
「この場合は、無理してやらなくていいし、そしたらほらこんなに落ち着いて、他のことやって過ごせるでしょう」
とか、目の前にお見せできるから、お家で取り入れて頂くのもすごく簡単だと思うのですが・・・