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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年09月05日

「東京学芸大学附属特別支援学校の個別教育計画40年史」を読む



日本特殊教育学会第58回大会ポスター発表(知的障害)P3-107
「東京学芸大学附属特別支援学校の個別教育計画40年史」
安永啓司 井上剛 橋本創一

※これは私の「勝手読み」ですので、興味を持たれた方は、日本特殊教育学会第58回大会に参加され、原文にあたって下さい。9月15日まで受け付けています。
「参加申込」


 アメリカでは、1975年に制定された全障害児教育法(後に個別障害者教育法に改定)における Individualized Education Program(以下IEP)が現在のインクルーシブな教育制度を支えるシステムになっている。
ってことで日本にも IEP の考え方が入って来たのだけど、日本で制度化されたのはいつからだっけ?

(なお、アメリカでは一部の学校ではまともにやられていると思うけれど、まともにやられていない、登校して命ながらえて帰宅できればOKみたいな学校も多いのじゃないかな)

 私は肢体不自由養護学校での最後の2年間、1994年〜1995年には「勝手にIEP」として B5 1枚にまとめて、個別懇談で話し合ってやっていたのだけど。

 なお私が1996年に知的障害養護学校に移動した時は既に一人ひとりに「指導計画」みたいなものは作られていて、しかしそれは「絶対保護者には見せてはいけない」というもので、まあ言えば教師から見て児童・生徒の問題となる行動だけが書かれていて、まあ「悪口集」みたいなものだった。

 周囲の養護学校に勤務する友人に話を聞いても同じような状況だった。

 でも、もちろん東京学芸大学ではまともにやられていつづけたわけね。

【方法】

1981年度から2018年度までの研究紀要の本文と引用・参考文献から個別教育に関わる時代背景を抽出して年表化し、概ね3時代に分けてその進化過程を考察した。
 ってことなわけ。

 なるほど。研究紀要はたぶんどこの学校でも出しているから、研究対象にすればいろいろなことがわかるだろうな・・・

 発表者は40年を3期に分けている。

1)障害の重度重複化対策期(1980〜1990年頃まで)

 当時の研究は、指導法や事例研究が中心課題だったために、その後、研究の軸が教育課程に移った際に一旦途絶えた。

2)教育の権利保証システム期(1994〜2002年頃)

 1992年度に小学部で保護者との連携を第一義に、保護者とのミーティングを基点としたPDSサイクルによるシステムとして再開された。

3)インクルーシブ教育推進ツール期(2003〜現在)

 2002年 新障害者プランの個別支援計画の策定の提言

個別の教育支援計画と個別の指導計画の機能を国際生活機能分類(以下 ICF )のレベルに対応させるなどして、両者を個別教育計画として一元化して対応した。


 う〜〜ん、ICF のレベル、ってのがよくわからない。
 あれってレベルあったっけ?


 で、私は「インクルーシブ教育というのは、場所(教室)が同じ、ということではない」とは考えているけれど、「特別支援学校の計画」がインクルーシブ教育のツールにはならないだろう、と思ったけれど

専任の特別支援教育コーディネーターが小中学校での相談支援の過程で、通常の教育における特別支援教育の支援ツールとして試みられた。

ってことです。

4.考察のところで

その後の社会的要請への対応での ICF を用いた個別の教育支援計画と個別の指導計画の一元化においては、自立活動と合理的配慮への役割分担をも明瞭にした(表2)。

表2 通常の教育における日本型 IEP モデル案

理念インクルーシブ教育特別支援教育
個別への視点合理的配慮自立活動
目的平等・公平性主体的改善・克服
ICFレベル身体機能・参加活動
仕組み・ツール
(当校の名称)
個別の教育支援計画
(総合支援シート)
個別の指導計画
(教育支援シート)


 しかし・・・本当に、「指導要録」はもう必要無いよな。
 働き方改革のために、無くさないといけないものだと思う。
 なんか文部科学省は、その気は全然無いみたいだけど。
(特別支援学校でも「指導要録」の研修はがっつり組まれてるそうで)

 「通知表」は無くなった学校もあるとのこと。

 ほんと「個別の教育支援計画」と「個別の支援計画」があるなら必要無い。
(あと、簡単でもいいから、役にたつものにしていって欲しい。精緻で役に立っていないものも見るから・・・)


「放課後デイサービス事業所における電話相談支援」を読む



日本特殊教育学会第58回大会ポスター発表(LD・ADHD 等)P9-23
「放課後デイサービス事業所における電話相談支援 新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言下での実践」
高橋眞琴 横山由紀

※これは私の「勝手読み」ですので、興味を持たれた方は、日本特殊教育学会第58回大会に参加され、原文にあたって下さい。9月15日まで受け付けています。
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これは2020年4月に緊急事態宣言が発出され、また地域も特定警戒都道府県であった放課後等デイサービス事業所が、電話相談支援に切り替えたさいの、ある1家庭とのやりとりの分類・分析。

時期は5月の連休まで。

電話相談支援はスタッフ4名によって、24回実施された。

その記録にあるコメント(1支援に複数ある)を「特別支援学校学習指導要領」の自立活動の6区分や新型コロナ感染症対策の用語にカテゴリー分けしてみた。

なお、自立活動の6区分というのは

・健康の保持
・心理的な安定
・人間関係の形成
・環境の把握
・身体の動き
・コミュニケーション

というのね。

結果(※( )内はコメント数)

・学習支援(102)
・人間関係(74)
・ソーシャルスキル(55)
・余暇活動(53)
・心理的な安定(38)
・健康の保持(33)
・生活習慣(22)
・学校との連携(7)
・日常生活(4)
・物品不足(3)
・地域の状況(1)

 で、すぐ私が気がつくのは「コミュニケーションが無い」ということですが、これは「人間関係」「ソーシャルスキル」などの中に含まれてしまっているのかもしれません。またひょっとしたら「学習支援」の中にもまぎれこんでいるかも。

 そして【考察】の(1)でこう述べてはります。

(1)学校休業中の発達障害のある子どもの学習支援
 電話相談支援のコメントを分類した結果、学習支援に関する内容が最も多かった。厚生労働省(2015)では、「生活能力の向上」や「社会との交流の促進」が事業所の役割として求められているが、家庭としては「学習支援」の場としての期待の大きさが推察された。また、学習支援では感覚面や手指操作の支援が必要なものが含まれていた。

 私も放課後等デイサービスは基本的には学校からの帰りに寄って、のんびり、あるいは遊んで過ごす、というのが大事だと思っています。しかしどうしても「学習支援」が期待されてしまうのだよなあ・・・

 ここは「学校、頑張ってね」と言うしかないなあ・・・
 もちろん親御さんの期待が見当はずれの方向に行っている可能性はあるのだけれど、それならそれで学校が説得できなきゃだし・・・


「ある児童発達支援センター所属職員における就学に向けた指導の工夫と小学校教員との連携」を読む



日本特殊教育学会第58回大会ポスター発表(障害一般)P12-24
「ある児童発達支援センター所属職員における就学に向けた指導の工夫と小学校教員との連携」
草野真輝他

※これは私の「勝手読み」ですので、興味を持たれた方は、日本特殊教育学会第58回大会に参加され、原文にあたって下さい。9月15日まで受け付けています。
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 これは「ある児童発達支援センター」の職員15名に対して表題の件についてインタビューしたものを集計、分析し、まとめたもの。

 めっちゃ面白そうなのです。
 しかしなんせA4で1枚にまとめなければならない。
 で、私がこういうのの読み取りの知識が少ないので、出てきている表1〜表3のクロス集計図というの何のことやら読み取れない、というめちゃ残念なことに。

 対面してのポスター発表なら、あれこれ質問してわからないところをはっきりさせられるのですが。
 では読み取れた部分だけ。

対象職員さんは

・施設長代理(1名)
・係長(1名)
・保育士(9名)
・児童指導員(2名)
・心理士(1名)
・作業療法士(1名)

発表者さんは

児童発達支援センター所属職員に特徴的な支援を必要とする児童に対する指導を明らかにするため、d-1 及び d-2 の回答内容を中心に分析を行なった。

で、その d-1 d-2 というのは

d.支援を必要とする子どもの支援ツールやカリキュラムに関する内容

1.支援ツールとして使用しているもの。ある場合は具体的な名称や内容。ない場合、あれば良いと考える内容。

2.カリキュラム作成や実践の中で工夫している点。

d-1 において得られた結果

1.視覚提示カード
2.スケジュール表
3.順番ボード
4.コミュニケーションボード
5.支援シート(X子が公表している『生活支援プランMap(マップ)』
6.声がけ(10カウント・「はじめます・おわります」)
7.要録
8.姿勢維持のための椅子(箱椅子等)
9.個別の教育支援計画
10.自分自身(体にのぼらせる等)

d-2 において得られた結果

1.主体性・自発性
2.達成感
3.指導の柔軟性
4.注意・注目
5.職員・子ども間の相互作用
6.職員間連携・保護者支援

一番多く選ばれたもの。

1.視覚提示カード
3.指導の柔軟性

たぶん、d-1 において「1.視覚提示カード」、d-2 においては「3.指導の柔軟性」ということなのだろうと思います。
で、この「3.指導の柔軟性」というのは「一人ひとりに合わせる」という意味ではないかな。

また小学校教師との意見交換に参加した職員で、もっとも重要視するのを「社会参加」とした人は、全員 d-1 で「2.スケジュール表」を選択したそう。つまり小学校の先生にスケジュール表の利用をお願いした、ということかしらん。

【考察】の最後の部分は

「小学校の教師との意見交換等」という機会が職員らに"就学"や"社会生活"といった長期的視点にたった支援の意識をもたらすことが示唆された。

となっています。
いやーー、ほんま対面(ZOOMでもいいけど)で質問しまくりたい。

「小学校特別支援学級と児童発達支援センターが連携した教育実践」を読む



日本特殊教育学会第58回大会ポスター発表(その他・部門交流)P13-20
「小学校特別支援学級と児童発達支援センターが連携した教育実践」
元木(お名前は「まだれ」に「兼」)他

※これは私の「勝手読み」ですので、興味を持たれた方は、日本特殊教育学会第58回大会に参加され、原文にあたって下さい。9月15日まで受け付けています。
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A市立A小学校特別支援学級とA市児童発達支援センターA学園との取り組み。
2017年から始められています。

A小学校からアプローチをされています。
「うちの学校に来る子たちがいる。どんなお子さんかな」
というあたりで出発されてるのかな。

で、2017年には

A小校長と主幹教諭による「紙芝居の読み聞かせ」や、通常学級4年生による「音楽発表会」を行った。

とのこと。
校長先生が積極的に出ばっておられるのが素晴らしいですね。
報告を受けるだけでなく、自ら体を運び、お子さんたちの雰囲気を感じ取れるのだから。
そして小学校の体制・環境を整える時、スピードが全然違ってくると思います。

2018年より以下の4点の視点を工夫してカリキュラムを作られたと。

@児童一人ひとりが人とかかわることができる機会
A空間の共有と体験的な遊び(学び)
B幼児の実態に即したアプローチプログラム
C教職員の交流・連携による幼児・児童の共通理解

で、結果として

@コミュニケーション能力と自己有用感の向上
A学習における見通しの確保
B将来に対する期待感
C教職員の共通理解の促進

ということが起こったと。

実は読みながら、少し頭が混乱しました。コミュニケーション能力の向上?自己有用感の向上?

で、私は最初、児童発達支援視点で読み取ろうとしていたのですが、この発表はA小学校からアプローチされていますし、元々、小学校視点で書かれている部分が大きいのだ、ということに気づき、腑に落ちました。

ただ、結果のBは、幼児が小学校に対する安心感を持ち、あそこに行くんだ、という期待感を持つ、ということで児童発達支援視点ですね。
結果Cの「共通理解」のためには

・小学校教員による1日保育体験
・A学園の保育士による授業参観
・校長や主幹教諭によるA学園訪問

などが行われている、ということです。また

声かけや関わり方が同じであれば、子ども達は、戸惑うことなく安心して活動に専念することができる。

とありますから、関わり方の一貫性についても配慮されていることがわかります。

こういう取り組みが各地で行われたらいいな、と思いました。



さて、その上で、

2017年に小学校側から「紙芝居の読み聞かせ」が行われているわけですが、こういう「一斉授業風」の取り組みは今もされているのだろうか?と思いました。

私、児童発達支援のお子さんを集めての一斉授業風のこと何かやってよ、と頼まれたらお断りします。だって、めちゃ難しそうだから・・・

せいぜい、普段のプレイルームの生活の中に、そーーっと寄せてもらって、お子さんの方からサインが出てきたら寄っていって関わったりする程度しかようしないな、と思って・・・

2020年09月04日のつぶやき






































































posted by kingstone at 00:01| Comment(0) | よしなしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする