小川修史・藤井祐次・掛川淳一・高野美由紀・森広浩一郎
兵庫教育大学大学院学校教育研究科
2012
兵庫教育大学大学院学校教育研究科
2012
によると
・経験の浅い教師の場合、主観に基づいてアノテーション(注釈)を挿入する傾向がある
・熟達者のアノテーションを経験の浅い教師に提示するのみでは、後者には解釈が難しい
と指摘されているそうで。
まあ「教えてもらっただけではわからない」ということやな。
まあ「教えてもらっただけではわからない」ということやな。
なお、私は
の記事の中で
"「行動要因」は「心の中で思っていること(?)」くらいの意味"
と書きましたが
「行動要因」は「なんでこうしたのかな」という意味と考えたほうが良さそうです。
で、経験の浅い教師はそれがわかりにくい、と。
ケース会議において話し合うことで気づきは発生するものの、個別作業(つまりひとりでの)段階では気づきが発生しにくい。
逆に、個別作業の段階で気づき(客観的な分析)が起これば、ケース会議でより多くの気づきが発生する。
そこで経験の浅い教師が独力で、アノテーションを客観的に分析することを支援する仕組みが有用と考えられ、実装したという論文。
(しかし、ここの「主観」と「客観」っていう言葉が何かむずむずする。前者は「経験にのみ基づく(自分勝手な、時には間違っている)考え」というような意味。後者は「合理的で他人も納得する考え」みたいな意味で使われているだろうと思われる。でも、どちらもある人が考えているから「主観」じゃないのかな?よく中学生とかが「他人だから客観的な意見が出せる」みたいなことを言いがちだけど、それと同じような変な感じがする。う〜〜ん、「主観」「客観」・・・)
そのために注目したのが「ストレス行動」であり、それを可視化する方法を考えたと。
動画にアノテーション(この場合、吹き出しをつけて、そこに文を入れる)をつけられるソフトがあり、そこに
・「ストレス度」を入れることができ、グラフ化もできる。
・各行動をグループ化できる
・専門家(ベテラン教師のこと?)のアノテーションや考えたストレス度を表示する機能もある。ただし最初は見えないようにされている。
・各行動をグループ化できる
・専門家(ベテラン教師のこと?)のアノテーションや考えたストレス度を表示する機能もある。ただし最初は見えないようにされている。
などの機能が実装されている。
あれ?
画面キャプチャがされているのだけど、「イイ感じ!のダイジェスト」と「イライラ!のダイジェスト」のボタンがあり、「該当カ所を10秒ずつ再生」とある。これ、誰かが切り出した10秒をぱっと取り出せるようになってるのかな。
切り出しているのだとしたら、その10秒を誰が切り出しているか、というところも意味あるかな。
例えばそれを「経験の浅い教師」が自分でやっている場合、ある程度繰り返し元の動画を見ることになる。そのことで気づくこともあると思う。
これが他人が切り出したものだと、それは無い。
なお、この論文では「経験の浅い教師」役を大学院生にやってもらい、全体では13分の動画を見てもらっている。ということは切り出した動画だけを見てもらっているわけではない。
「ストレス度を測る」という課題が被験者に与えられているのが2011年との違いか。
で、「好きなことをやっている」と以前は解釈されていた行動も、実はストレスが高い、ということへの気づきも出ている。
そして「その場面」だけでなく「前後の場面」の観察の重要性にも気づいてはる。
つまり ABC 分析の重要性に気づいた、ということになるかな・・・
で、事後調査として、専門家のアノテーションを被験者に提示したら、客観的に分析できる部分が多かったとのこと。
「行動要因を探してね」ではなく「ストレス度を測ってね。(ってことは、「どこがストレス場面になってるかな」というのを探すことにもつながる)」という具体的(?)指示があった、というのが2011年との違いかな。
そのあたり、このソフトを使わず、普通の動画だけで何とかできないかなあ・・・