岸先生が医療事故訴訟をちらつかされている話。
いろいろ名言。
弁護士「真っ向勝負する気か」
岸 「勝負じゃないだろ」
弁護士「?」
岸 「どいつもこいつもなんで勝ち負けで測るんだ」
「誰も悪くない。それを納得することでしか遺族は慰められない」
そうなんよな。
教育実践や福祉実践もそう。
岸
「どんな名医でも最初は何もわかりません。所見を頼りに疑い、病名をつけて治療が効けば、初めて正解となります。違ったなら新たに追加された所見で診断を見直す。これを繰り返していかに早く正解にたどりつくか。これが臨床医の基本です。その過程を想像も尊重もできない人に、結果だけでミスだと判断されたら、現場では何もできません」
教育実践や福祉実践は「治す」というのとは違って、「正解らしきもの」にたどりつき、そこそこ楽しい暮らしを形づくっていく。でも「その人に対しての正解らしきもの」にいかに早くたどりついて実践していくことが大事だよな。
しかし、伸び盛りの時に、「誤答らしきもの」を金科玉条にした実践を延々と続け、まずくなってる場合は・・・
岸
「この病院はひどい。風通しが悪い。小さな権力者と、その顔色を見ることしかできない部下が多すぎる。データやエビデンスじゃない所で診断が動いている」
教育実践や福祉実践の場合、エビデンスってのは非常に難しい。しかしデータ(今、ここでの姿、暮らし)はわかるわけで・・・
仕事について
岸 「森井さんはこの仕事面白い?」
森井「・・・面白い・・・と思います」
「もっと好きになりたいと思ってます」
岸 「そう、じゃあ、腕を磨いてください」
「上手くなれば面白くなる。面白くなれば好きになります」
しかし・・・「労働条件も大事だよ」というのが巻末のおまけ漫画に書かれてますが。
いやあ、この巻で決着がついてないので、次巻が待たれます。