あれ?アマゾンで1900円+税となっていますが、私、どこでだったか、新刊で980円+税で書いましたが。
裏表紙にも980円と書いてます。
裏表紙に書かれた瀧本さんの肩書は
・京都大学客員教授
・エンジェル投資家
・教育者
・エンジェル投資家
・教育者
京大で、それまでの経歴を買われ、いわばMBAの事例研究的授業(ケースメソッド)をやってはりました。
この本は、京大生だけが聞けるのはもったいない、東京でもいろんな人に聞いてもらえたら、という編集者の思いで実現した、2012年の東大での講演録です。
既にお亡くなりになっていることは知っていました。だから「2020年6月30日にまたここで会おう」というのは果たせないままになられたわけですが。
瀧本さんは「若者に戦う武器を与えたい」という思いがあり、なのでその編集者の出版社(この本を出した星海社)の顧問になってもらう時に肩書を「軍事顧問」にされたとか。
有名な投資家、ジョージ・ソロス(カール・ポパーの弟子だったんだって!)は共産主義を倒したかった。で、いろんなことにお金を使ってやってみるのだけど、全然うまくいかない。唯一うまくいったのが、コピー機を共産国にばらまいたこと。つまりコピー機をばらまくことによって多くの人が表現手段をもったから、と。コピー機が武器になったわけですね。
で、瀧本さんの主張は
「カリスマの指導よりも、武器をもったたくさんの人を」
ということになるのかな。
あと
「自分で考えて、自分で決めることが大事」
「パラダイムシフトは世代交代」
都市社会学者のリチャード・フロリダの研究。
「都市間競争では多様性のある都市が成功する」
「都市間競争では多様性のある都市が成功する」
マーク・グラノヴェッター
「弱いつながり」
「弱いつながり」
ベンチャー企業というのは100社あって、成功するのは3社くらい。97社は失敗する。でもそれは織り込み済みの失敗であり、それでいい。
なるほど。
このあたり、研究予算について「選択と集中」を主張している文部科学省とかに対し、いろんな人が「それじゃだめなんだ。とにかくばらまいて、失敗も多くあるかもしれないけれど、その中から真にイノヴェーティブな成果が出るんだ」と言ってはるのにつながるな。
で、失敗は織り込み済みなんだから、「たまたま失敗した人」は助ける、と。それがベーシックインカムとかになる、と。
会場から「ベンチャー企業で成功するのは3/100と言いつつ、瀧本さんの投資は9勝1敗とかだが、その秘訣は」と問われて
投資する時は、「たとえ事業がうまくいかなくなっても、どこかが買収したくなる会社を選ぶ」ということをモットーにされているとか。だから投資がパーになることが無い、と。
なんか、めちゃ面白かったです。