ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ著
私、なんか「ブ」か「プ」かわかんなくなってましたがこの本は大きく書いてあるので「ブ」なのだ、と再認識しました。
みかこさんは3人家族。
ブライトンに住んでいます。
住んではる場所は「荒れた地域」とも呼ばれます。
ブライトンに住んでいます。
住んではる場所は「荒れた地域」とも呼ばれます。
「子どもたちの階級闘争」の中では、その地域の中の(みかこさん曰く)「底辺託児所」で保育士資格を取り、そのまま保育士として勤務されてた様子が書かれてます。いわば「悪ガキ」がこれでもか、と集まるところです。息子君もそこで育っていきます。
しかし、小学校入学時に
夫氏はアイルランド人でカットリック。
親戚には神父もいたりする。
みかこさんも日本ではカトリックの洗礼を受けている。
親戚には神父もいたりする。
みかこさんも日本ではカトリックの洗礼を受けている。
という経緯から、父方親戚の強いプッシュもあってカトリックの公立校(!)に入学。
そこは地域1位(イギリスの公立校はデータが公開されている)の学校でピーターラビットが出てきそうな学校だったって。
で、そのままそこの中学に進むと思っていたら、
その「荒れた地域」で家の一番近くには「元底辺中学(ここは数年前まで地域最下位の学校だったが、校長、先生方の努力で順位が上がってきている。)」がある。ここ、数年前までは生徒が中華料理屋の窓ガラスにレンガを投げて遊んだりしていた学校だって。でも校長先生が「なんでも子どものやりたいことをやらせよう」という方針で取り組んだら、なぜか学力の順位も上がってきた、という学校。
その「元底辺中学」から「学校見学」の案内が届き、行ってみたら音楽部の子どもたちの本気で楽しそうな演奏にみかこさんはやられてしまいます(確かみかこさんはイギリスロックの評論みたいなこともしてはる)。しかし息子君は学校全体に対して引き気味だったし、特に勧めることはせずにいたそう。
でも、親しい友だちがカトリック小学校から「元底辺中学」に行くことを決めたので、自分も行くことにします。
父親も、周囲のたくさんの人も反対したんだけどね。
なお、移民の子が多いのは上位の公立や市立で、底辺近くの学校はほとんど白人(過去、チャブと呼ばれていた人々。今はPCでその言葉は使ってはいけない言葉になっているそう)。
で、いい学校の周囲は地価が上がり、何とか近所に引っ越そうとするので地価は上昇する。それで持っているお金の額で教育も決まるので「ソーシャル・アパルトヘイト」と名付けられ問題となっている。
しかし息子君えらい。いろいろと差別され、相手と喧嘩し、しかしその相手と友達になり、相手をゆっくり諭していったり・・・
この本の題名「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
は、「元気に中学に行ってるなあ」と思っていて、ある日息子君がノートを忘れて行き、開かれたノートのすみっこに小さな字で書かれていた言葉。
は、「元気に中学に行ってるなあ」と思っていて、ある日息子君がノートを忘れて行き、開かれたノートのすみっこに小さな字で書かれていた言葉。
まあほんまに差別はされる。それは実は帰省のさいの日本でも。
なお、英語にこんな諺があるそう。
老人はすべてを信じる。
中年はすべてを疑う。
若者はすべてを知っている。
中年はすべてを疑う。
若者はすべてを知っている。
そしてみかこさんは息子くんが現実と切り結ぶ姿を見て
子どもはすべてにぶち当たる。
と加えていいんじゃないか、と書いてはりました。
みかこさんが、日本でハーフという言葉はよくないとされてきてダブルという言葉が使われることもある、と語った時、息子君が言った言葉。
「それもなんか、僕は違和感ある。半分ってのはひどいけど、いきなり2倍にならなくてもいいじゃん。『ハーフ・アンド・ハーフ』でいいんじゃない?半分と半分を足したら、みんなと同じ『1』になるでしょ」
みかこさんが、保育士をしてる時、子どもたちに大人気の絵本として紹介されてた絵本。
動物園にはいろんな家族がいます。でもペンギンのタンゴの家族はちょっと違っていました。
ロイとシロのパパふたりとタンゴ、それがタンゴの家族なのです──。
ロイとシロのパパふたりとタンゴ、それがタンゴの家族なのです──。
ロイとシロのおすペンギンは、いつからかお互いに気に入り、カップルになりました。一緒に泳いで一緒に巣づくりして、いつも一緒にいました。
ところが、他のカップルは、ただ一緒にいるだけでなく、どうやら巣の中で何かをあたためている模様。しかもそうこうしているうちにそのあたためたものがかえって赤ちゃんペンギンが誕生しているではありませんか。
ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、さっそく毎日毎日交替であたためはじめました。でも石のたまごはちっともかえりません。
そんな様子を眺めていた飼育員がはたと思いつきます。
他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においてやります。そして、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが生まれたのです──。
ところが、他のカップルは、ただ一緒にいるだけでなく、どうやら巣の中で何かをあたためている模様。しかもそうこうしているうちにそのあたためたものがかえって赤ちゃんペンギンが誕生しているではありませんか。
ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、さっそく毎日毎日交替であたためはじめました。でも石のたまごはちっともかえりません。
そんな様子を眺めていた飼育員がはたと思いつきます。
他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においてやります。そして、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが生まれたのです──。