他人に対していやなことを言うお子さんにどう対応するか、ということについて考えてみました。
いや、考えてみましたではなく、本当に私が日常茶飯事にやっていることです。
私のような仕事(相談支援、放課後等デイサービスなど)をやっていると、
「他人に対していやなことを言う」お子さんなんて特に珍しくもありません。
そしてそれを実際に改善していっています。
まず「周りの人にいやなことを言う理由」ですが、
・他人の頭の中で考えていることが想像つきにくい。
(相手がどれだけいやな気持ちになるかわかりづらい)
・「いやなこと」を言った時は周りが反応して自分に注目してくれやすい。
(「相手の反応」は目に見える。また上の「相手の頭の中の『気持ち』はわかりづらい」も絡んでいます)
・何が良くて何が悪いか「自分にわかるように教えてもらっていない」
(音声言語での説教は今までやまほど受けています。しかし、何か本人にはわからないまま「叱られた」という経験のみが積み重なっている。絵や文でわかるように教えてもらっていない)
・いい行動をした時に褒めてもらった体験が無い。
・後、学校などでよくあるのは「人を馬鹿にして笑う文化になっている」ということもあり得ます。
これ、教師が威嚇的でプレッシャーをかけているクラスほど蔓延すると思います。
追記
そして、その他の場面でもつらい目にあっているお子さん、
やっぱり「いやなことを言う」ことで発散(?)することも多いか。
でも、もちろん発散なんてできない。
まあ、そういう子が私の目の前にもよくやってくるわけです。
で、そういう状況が起こったら、その場で即、こんなものを書いて見せます。
※絵はクリックすると大きくなります。
これは「何も言わない」のがいいんだよ、というもの。
次は賛否あるかもしれませんが、「思ってることと違っても相手に気持ちのいいことを言う」というもの。
ここまで踏み込むかどうかは、お子さんの理解力やその場の状況によって変わるでしょうが。
そして理由も伝えます。
で、上の絵は「(株)おめめどう」の「○×メモ」と「どうしてメモ」を使っていますが、おめめどうの人たちはこういうのは嫌うかもしれません(笑)
でも私はこういうことも子どもたちに伝えたい。
で、これで見せて、伝えて終わりではありません。
もし、そのお子さんが、「何か言おうとしてふと我慢したように見えた時」すかさず「ほめる」
もし友達にいい言葉がけをできたらすかさず「ほめる」
より普段より集中してそのお子さんのいいところを見つけようというこちら側の努力が必要になります。
こういうのは流行り(?)の言葉で言えば「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」の範疇に入ると思います。
しかしSSTと言うと、なんかいろんな場面のことを書いたプリントをやって「わかったね」とかやることと思っておられる方もいそうです。私は「そりゃ違うで」と思います。
やはり起こった現場、そこでその状況のもとでやるものだと思います。
だから、その場で状況に合わせてぱっぱっと書く・描くことが必要になる。
SSTプリント集をやったから身につくってもんじゃないでしょう。
なお、「思ったことと違うことを言う」というのは・・・・
私、高校の時に友人A、Bが学校外の舞台でフォークソングの演奏をするのを、友人Cと見に行ったことがあります。
A、Bはめちゃめちゃ上がり演奏、歌ともにボロボロでした。
客席でのCと私の会話。
C「なんや。あいつら、上がってボロボロやん」
kingstone「ほんまやなあ」
演奏が終わってAとBが下りて来ました。
私は彼らにどんな声をかけたらいいのかわかりませんでした。
彼らに向かってCが声をかけました。
C「良かったぞ!」
AとBはとても嬉しそうな顔をしました。
もう私はびっくり・・・で、「Cって大人なんやなあ」と思いました。
で、世の中には「思っているのと違うことを言うほうがいいこともある」というのを学びました。
(私は思ったままを言ってしまうタイプ)
とってもむつかしいことですけどね。
後、「ふわふわことば」を教室に掲示しておく、なんてえのもいいかもしれない。
キーワード
・SST
・おめめどう
・機会利用型指導(インシデンタルティーチング)
・他行動分化強化
・「とげとげことばとふわふわことば」