ヒトラーとは何か セバスチャン・ハフナー著 4章
著者は、書く。
多くの人はヒトラーは直感の人であり、一貫した世界観を持っていたと認めないことが多い。しかし本当は一貫した世界観があり、それのどこが間違っていたかをわかっておく必要がある、と説く。「それはヒトラーだ!」と触れることにも避けるような態度だと、どこが正しくて、どこが間違っていたかがわからなくなると。
納得です。
私の周囲では2000年より以前は「自閉症」という言葉は「忌み言葉」であり、だから周囲の人たちは何も学ばず、その強みはもちろんだけど、弱みについても全然理解しなかったものなあ。忌み言葉、触れてはいけないもの、にしてしまってはいかんよなあ。
まずは
「優勝劣敗の絶えざる闘争」
「優越した人種による支配」
「その優越した人種がドイツ人である」
「ゲルマン民族至上主義」
しかし種という言葉には「偏見としての意味(ドイツ人が優れている)」
と「公平な分類としての意味」の2通りの意味があり、ヒトラーはごっちゃにして使っている。
またヒトラーには「白色人種」「黒色人種」「黄色人種」などの違いには興味が無かった。「白色人種」同士の戦いに興味があった。「アーリア人種」と「ユダヤ人種」の戦いである。これは互いの根絶戦争になると考えていた。
(って、ユダヤ人というのか、ユダヤ民族って、ユダヤ教徒であるいろんな人種がいたと思うが・・・)
また「民族」と「種」の使い方もごっちゃ。
そして同一民族の中でも優勝劣敗の原則があり、精神障害者や他の障害者の断種や抹殺をした。
しかしヒトラーは自分の「反ユダヤ主義」が世界で支持されると考えていたのだが、彼の若い頃の東欧にしかそういった考えはなく、西欧諸国ではほとんど支持されなかった。
(私は「屋根の上のバイオリン弾き」の話があるからロシアの反ユダヤ主義もきつかったのだろうと思っていたけれど、これも東欧から来ているというのは他の本で読んだのかな?)