「まず、ハッキリさせておきたいのは、数学はサイエンスであり、あくまでもコーチングというアートをバックアップするものだということです..だから私は数字に支配されないように気をつけています。ただ、数字で客観的な事実を提示されると、自分の目で試合を見て感じたことの裏付けにはなる。コーチングに有効な数字を使っていくことで、選手のモチベーションの向上にも役立てられます」
私は現場で数字を出すのはめんどくさいからあまりやらないけど、「トラブル」が結構たいへんな場合は、数字を出して「ほら、だんだん良くなってるじゃん。めげることないよ」というのはスタッフさんに伝えるな。(いや、これも、「ほら、これだけいい行動が増えたよ」のほうがいいのか・・・)
「パスとキックの比率。これが世界のラグビーを読み解くカギです。ワールドカップに参加する世界のチームであれば、4回バスをしたら、1回はキック、というのが一般的な比率です。ところが、ジャパンの場合は違います」
「11対1。パスが11回に対して、キックが1回。これがジャパンに最も適した比率だというのが私の結論です。世界の常識に照らし合わせたら、これは尋常ではありません。しかし、この数字がジャパンには合っている」
なるほどなあ。
体の大きさ、走力も違うし・・・
キックはボールを保持している状態から手放すわけだけど、外国のトップ級の選手って、いったんボールを持って走り出し、勢いがついたら、なかなか止めることが困難だしなあ。体の(外国籍の選手がいたとしても)比較的小さなジャパンの場合、パスを多用した方がいいと。
しかしワンパターンにならないように、キックも混ぜる。
世界の常識を、そのまま日本にもってきても当てはまらない場合がある、と。
スタッツ【stats】〔統計の意のスタティスティックス(statistics)から〕
スポーツで、選手のプレー内容に関する統計数値。
マネー・ボール マイケル・ルイス著 2003