前編を観て来ました。
映画を観て読みたくなり、妻が原作を持ってるというので家の中を探しましたが、下巻しかない・・・
しかし一番考えさせられたシーンは下巻にありました。
主人公三上は県警広報官。記者クラブとの対応が仕事だけれど、いま関係はまずくなっている。
ある日、部下の係長が記者クラブの人たちと飲みに行っているところに電話をすると、若い女性部員の三雲もいると言う。
実は三上は以前、その「若い女性」としての三雲を記者クラブの人たちに対応させ、ということが頭をよぎり、それについてはいかんいかんと自分を押さえた経緯がある。そして今回も「すぐ帰れと」指示を出したのだけど・・・なお映画では直接その飲み会の現場まで行ってます。原作では電話をしている設定。
三上は目を見開いた。
「校い……?・」
〈あの部屋にいれば広報官が今どれだけ大変かわかります。綺麗事では済まないことも、手を汚さなければならないことも、広報官が悩みながらそうしていることも、無理やり自分に言い聞かせていることもわかります。係長と主任に汚れ仕事を指示するのだって、本当は言いたくないのに言っている。言った自分を嫌悪している。そんなこともみんなわかるんです。でも〉
張り詰めた声が震えた。
〈私を身代わりにしないで下さい。私だけ汚さないようにして、私に綺麗なところを全部押しつけて、まだ自分にも汚れてない気持ちがあるって校いです。身代わりは嫌です。辛いんです。私も外に向かって警察の窓を開きたいんです〉
なるほど。
「綺麗なところを全部押しつけて」
か・・・で自己満足してると・・・
う〜〜ん、我が身を振り返って、そういう点も・・・
また三雲が「女性差別です」という場面もあったかな。
まあ原作者の横山秀夫さんが男性だから、女性が読んだら、まだツッコミどころがあるのかもしれないし、私なんかほんと無意識のうちにやってることいっぱいあるだろうけどね。
あっ、それとね。
64の事件の失敗で自責感から14年間引きこもってしまった科学捜査担当の当時の若手に対し「君は悪くない」という手紙を送ったシーンがある。
上の話と矛盾するかもしれないけど、上の立場の者は下の立場の者に、トラブルがあった時、「君は悪くない」は伝えないといけないだろうなあ、と思う。
ラベル:映画