こんにちは。
雨です。
なんか知らないけど、病院の駐車場がいつになくいっぱいです。
MEMOIRE
三好達治
秋風に姉が喪くなつた。長い竹箸にその白骨がまた毀れた。竃は煖かつた。あたりには、また秋風がめぐつてゐた。私は子供の頬を舐めた。私は旅に出た。もう恋人からは、稀れな手紙も来なくなつてゐた。海は澄んでゐた。空も青かつた。私は海岸を歩き廻つた。その頃、アリストテレスを読んでゐた。沖に軍艦が泊つてゐた。夕方喇叭が聞えた。また灯が点つた。山上に祭礼があつた。私は稲田の間を遠く歩いて行つた。林間の、古い長い石階を上つた。それは高い山だつた。私は酒を酌んだ。
竃 かまど
煖かつた あたたかかった
「子供の頬を舐めた」????
「沖に軍艦が泊つてゐた」 詩集「測量船」は1930年に出てる。この頃だと、「沖に軍艦」あったら写生とか写真撮影とかできない時代だろうな・・・それともまだそこまで緊張状態になかったろうか?
「もう恋人からは、稀れな手紙も来なくなつてゐた」まあ、恋人・家族として暮らすなら、いろいろたいへんやったやろなあ・・・