おはようございます。
日本全国で見ると、関東は土砂災害などまだまだ油断できないようです。
私の地域は天気予報は曇りですね。
庭
三好達治
夕暮とともにどこから来たのか一人の若い男が、木立に隠れて池の中へ空気銃を射つてゐた。水を切る散弾の音が築山のかげで本を読んでゐる私に聞えてきた。波紋の中に白い花菖蒲あやめが咲いてゐた。
築地の裾を、めあてのない遑だしさで急いでくる蝦蟇の群。その腹は山梔(くちなし)の花のやうに白く、細い疵が斜めに貫いたまま、なほ水掻で一つが一つの背なかを捉へてゐる。そのあとに冷たいものを流して、たとへばあの遠い星へまでもと、悪夢のやうに重たいものを踏んでくる蝦蟇の群。
瞳をかへした頁の上に、私は古い指紋を見た。私は本を閉ぢて部屋に帰つた。その一日が暮れてしまふまで、私の額の中に散弾が水を切り、白い花菖蒲が揺れてゐた。
空気銃のこととか考えると、実際に見た情景ではなく、頭の中で作っただけの情景なのかな?
「空気銃を射つて」「散弾の音」
空気銃で散弾はないんとちゃう??
よくある質問「え、空気銃?ハンターなら散弾銃じゃないの?」の答え。
Wikipedia 「空気銃」
「遑だしさ」文の流れからは「あわただしさ」と読みそうだけど・・・でもそれだと漢字は「遽しさ、慌ただしさ」
例文として「警句の連発に一々感服するに遑あらずだが」では「いとま」つまり「空いた時間」みたいな意味で使われている。
なんだかよくわからんなあ・・・