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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2015年01月04日

自閉症スペクトラムについてのリスク・コミュニケーション



「感染症パニック」を防げ! リスク・コミュニケーション入門
岩田健太郎著
光文社新書

は、めちゃ面白かったです。

 そしていろいろな思いが湧いてきました。

 リスク・コミュニケーションは3つに分類できると。

クライシス・コミュニケーション
   目下に迫った火急の危機におけるコミュニケーション

コンセンサス・コミュニケーション
   聞き手との双方向性の対話を通じて行われ、合意形成のために行われる。
   「あちらを立てれば、こちらが立たない」

ケア・コミュニケーション
   リスクについて科学的データや情報が集まっており、
   どうそれに対峙したらよいか、エビデンスも集積
   されており、科学的知見についておおむね合意が
   得られているとき

 自閉症スペクトラムについてはどうだろう・・・特にお子さんの場合について。
 私は見ていて「クライシス・コミュニケーション」が必要と思うことが多いのだけど。

 だって、もう既にご本人が周囲と大きなトラブルを起こしている、もう完全に目の前にクライシスが存在する、と見えることが多いから。しかし・・・学校やご家庭ではそうは思っておられないことが多い。(ただし・・・ご家庭の方はこういうことに詳しくなくても仕方がない。教師は「仕事」としてやってんだからねえ・・・で、その教師に教えてる専門家はどんな教え方をしてるんだろう・・・)

 トラブルの原因は「本人にわかるように伝えない」「本人の表現を大事にしない」でもう間違いないことが多い。だから当然「本人の表現を認めない」(選択を大事にしない)ということになり、大きなトラブルに発展している。

 であるのに、周囲の人は「自分の対応がまずい」とは考えておらず、音声でばかり伝えるし、本人が「この勉強はしたくない」「この行事には参加したくない」と表明しているのに、無理をさせ、頑張らせ続ける。

 これがクライシスでなくて、何なんだろう。(だから、私は顰蹙を買うかもしれないと思いつつも、地震や津波のような災害に喩えることもある)

書類や報告の多さ

 でも、結局、たいていの方は、そういうトラブルを「本人のせい」にし、「自閉症スペクトラムだからこんなトラブルを起こす」と考える。あるいは、そもそも「トラブルである」と認識していない・・・

 いや、「自閉症スペクトラムだから」と考えるなら、そういう特性に合った対応をまずしろよ、と思うのだけど。そうしてこそ、始めて「あっ、私の対応が悪かったんや」とわかるわけで。

 ケア・コミュニケーションということで言えば、感染症への医療的対応より、自閉症スペクトラムの人への教育的対応は、エビデンスは積み上がっていないよな。

 まあ、だいたい教育ってのはそんなもん、という言い方もできるけど。

 自閉症スペクトラムの人への教育的対応については、「どう対峙したらいいか」というエビデンスはある程度は探せばあるんじゃないかとは思う。ただし、私は原著論文を「ほい」と出すことはできない。だから、私のやってる対応も、数多くのトンデモと「科学的整合性」という意味では同じ価値しか無いとは思う。

 また岩田Dr.は「(相手の)価値観や権利を大事に」と言っておられるのだけど、実は自閉症スペクトラムに関してはご本人の「価値観や権利」はないがしろにされていて、親御さんや現在の教師の「価値観」が大事にされていることが多いんだよね。だからトラブルが減らないわけだけど・・・

 うちの事業所でも環境を整えていてもトラブルは起こる。でも、私が出ていくと、なぜそのトラブルが解消するのか・・・これ、結局エピソード(岩田Dr.はアクネドートと書いてはる)にしか過ぎないんだけどね・・・しかし、できるだけ動画にして、スタッフ間では共有できるようにしてるんだけど。

 そこらへんをエビデンスにしてくれてない、ってのは大学関係者の怠慢かもしれない・・・(これを「現場の者の責任」という言説には私は賛成できない)

 で、しかたなく、コンセンサス・コミュニケーションということになるのだろう。

 だが・・・合意できないったって、相手は「特性を学ぼう」としなかったり、知らなかったりする人なわけで。もちろん「対応法」も・・・で、どう合意するんだ・・・


「やりました」ではなく「効果をあげる」ことが大事

 これは、実は私にとって痛い言葉・・・

 だって、多勢に無勢の中、とにかく効果より何より、まずは「正論」を言うこと、それしかない、と思ってやって来てたから。

 ラグビーで言えば、フォローなしで単騎突っ込んでいくようなことばかりしてたし・・・

私の好きだった校長先生

 この校長先生の言葉にするなら「喧嘩は勝つ(つまり効果を上げる)ようにしろ」だったろうと思います。

 しかし・・・今の事業所なら、社長の理解もあるし、少しずつは「効果を上げる」ことができるかもしれない、と期待しています。でも、「親御さんの気持ちを逆なでする」「学校には一人では行かせられない」と危険視されてるところもあるんだけど・・・^^;

「感染症パニック」を防げ! リスク・コミュニケーション入門  岩田健太郎著



「感染症パニック」を防げ! リスク・コミュニケーション入門  岩田健太郎著
光文社新書

読書メモ 抜き書き(あと少しうろ覚えなところも)

  「説得」「納得」「合意」ー相手あってのさまざまな形

クライシス・コミュニケーション
  目下に迫った火急の危機におけるコミュニケーション
  例・大きな地震のさい
    「高台に逃げて下さい」
    「絶対に海に近づかないで下さい」

コンセンサス・コミュニケーション
  聞き手との双方向性の対話を通じて行われ、合意形成のために行われる。
  「あちらを立てれば、こちらが立たない」
    例.2009年の新型インフルエンザ
      「不要不急な外出の制限」←→「経済活動の縮小」
    例.ワクチン

ケア・コミュニケーション
  リスクについて科学的データや情報が集まっており、
  どうそれに対峙したらよいか、エビデンスも集積され
  ており、科学的知見についておおむね合意が得られて
  いるとき
  こういう場合は多くはない

「起こりやすさ」と「起きるとたいへん」をごっちゃにしない

リスク・アセスメント
  だれにリスクがあるのか?
  何人ぐらいに被害が生じる(生じうる)のか?
  どのような被害がどのくらい生じるのか?
  いつまでリスクが続くのか?

アセスメントは幅を持たせ、マネージメントは複数の選択肢を用意する
  (予測シナリオを複数用意する)

(コミュニケーションする時)
  だれが聞き手か
  状況はどうなっているのか
  なんのためにやっているのか


「やりました」ではなく「効果をあげる」ことが大事

症例定義(注・これはパンデミックが起こった時のことだろう)
  ・その病気の人はだいたいその枠に入る
  ・その病気でない人はあまりその枠に入らない
  ・覚えやすくて使いやすい

  症例定義はあまり科学的ではなく、医療現場目線で、
  どちらかというと社会的な都合も込みにして決められる

人は「こうしろ」と言われても納得しない。「なぜ(Why)」が必要。
  「海岸から離れて下さい。津波は何度も繰り返してやってきます」

相手の言い分を聞いて初めて深まるコミュニケーションもある

(相手の)価値観や権利を大事に

リスク下では人は上手に情報をキャッチできない

情報は提供され続けなければいけない(デマやトンデモなどに対して)

記者会見のあり方ー友好的に、しかし毅然と
(記者会見だけでなく、リスク・コミュニケーション全体)
  所属団体の方を向かない
  上司のサポート
  内的な一貫性(しかし常に意見を組み上げてコンセンサスを作りあげる)
  外部への一貫性

アパシー(無力感・やっても無駄)の克服
  例。手指衛生

例外的事項を過度に一般的事項に引っ張らない
  (可能性は否定できない・・・でやると、めっちゃたいへんになる)

スティグマ、偏見によるリスクを減らす
  (知性はスティグマ、偏見、差別を排除しない。
   「私にもあるんだ」という態度が大事)

質問に対する回答は、できるだけ「結論から」言う。

相手のロジックをそのまま用いて回答する。
  「おっしゃる通りです」から始めて説明する。

保留条件をつける。
  「そうとは限りません」

わからないことは
  「わかりません」
posted by kingstone at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

1月4日(日曜日) 見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず(殷富門院大輔)

 おはようございます。

 真っ暗です。

 3が日も終わりました。
 今日から私は「第45回全国高等専門学校ラグビーフットボール大会」の観戦に行きます。
 今日はJR鷹取グランドへ。
 13時半の試合開始です。


見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず

「ばや」については

心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花

の解説で、もずらいとさんが
「「折る」の未然形に仮定の接続助詞「ば」+疑問の係助詞「や」」で
「折ることができるのなら」という意味と教えて下さってます。

ということは「見せばやな」も
「見せることができるのなら」だと思うけど、最後の「な」がなんだ?
今、古語辞典を見てみたらすごくたくさんの意味に別れる。
「完了」か「禁止」か「意思(〜したい)」か・・・

「だに」は
恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ」の時に
「「でさえ」の意味の「だに」」
と教えて下さってる。

「「雄島」は松島湾にある島の一つ。」ということで、東北の松島の雄島が歌枕になってるんだな。

解釈
「見せることができるのなら見せたいと思う。松島湾の雄島の海人の袖でさえ、ものすごく濡れても(海に入るから当然。それと同じように、私の袖は私の恋の涙で同じように濡れるのだが)色は変わらない(どうしようもない。日々は何事もないかのように過ぎて行く)ものなのですよ」


殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ、1130年頃 - 1200年頃)
   平安時代末期に活躍した歌人である。女房三十六歌仙の一人。
   若い頃から後白河院の第1皇女・殷富門院(亮子内親王)に出仕、
   それに伴い歌壇で長年にわたり活躍した。

   (清少納言と言い、「えらい人」のおつきになるのが、歌人や
    エッセイストの登竜門か)

   鴨長明が『無名抄』の中で「近く女歌よみの上手にては、
   大輔・小侍従とてとりどりにいはれ侍りき)」と述べる等、
   当時最高の女流歌人であると目されていた。
   

もずらいとさんのコメント

見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず

>解釈
>「見せることができるのなら見せたいと思う。松島湾の雄島の海人の袖でさえ、ものすごく濡れても(海に入るから当然。それと同じように、私の袖は私の恋の涙で同じように濡れるのだが)色は変わらない(どうしようもない。日々は何事もないかのように過ぎて行く)ものなのですよ」

 「袖」「涙」「色」となったときの決まりがあるんですよ。

見せばやな → ご解釈のとおりです。「最後の「な」がなんだ?」ということですが,この場合は「詠嘆の終助詞」です。つまり,初句切れをねらっているんです。

雄島の海人の袖だにも濡れにぞ濡れし色は変はらず → ご解釈にちょっとだけ( )の部分を付け加えました「松島湾の雄島の海人の袖でさえ、ものすごく濡れて(色あせることはあって)も色は変わらない」ということは「私の袖の色」は変わっているわけです。何で何色に?「血の涙で赤色に」です。「涙が涸れ果てると血の涙が出てくる」とされていたのです。

ですから,意味は「見せることができるのなら見せたいものです。(この血の涙で染まった私の袖を)。松島湾の雄島の漁師の袖でさえ波に濡れて色あせることはあっても色までは変わらないのに」となります。

 この歌は源重之の「松島や雄島の磯に漁(あさ)りせしあまの袖こそかくは濡れしか」の本歌取りです。「(あなたを思う私は涙でこんなに袖が濡れてしまった。)松島や雄島で漁をしている漁師の袖がどっぷりと濡れているのと同じくらい」という意味です。それに対して「そんなのまだまだ。私なんか血の涙で色まで変わっちゃったもんね」と「私の歌の方がもっと情熱的」ということです。この頃はこのように有名な歌を本歌としてさらにひねりを加えるというのが流行ったのです。つまり本歌を知らないと歌の意味は半減するわけで知的遊びだったのです。



もずらいとさん、どうもです。

>「最後の「な」がなんだ?」ということですが,
>この場合は「詠嘆の終助詞」です。

ってことは、私や、私の周囲の人の使う関西弁
「そやな」の「な」
「そやなあ」の「なあ」
なわけや。

>ご解釈にちょっとだけ( )の部分を付け加えました

そうかあ。

>色あせることはあっても色までは変わらない

のに

>この血の涙で染まった私の袖を

で、色が変わってしまっている、と・・・
しかし・・・「血の涙」って今でも時々慣用句として見かけますが、なんか大げさすぎる・・・
でも、私も「死んでもいやや」と言って、「死んだらあかんわ」とつっこまれたこともありますが。
まあ

>私の歌の方がもっと情熱的

この、「もっともっと合戦」をやってたらだんだん大げさになりますね。

posted by kingstone at 06:55| Comment(1) | TrackBack(0) | よしなしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月03日のつぶやき
















































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