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 あくまでも、私個人の意見です。

2014年11月10日

11月10日(月曜日) 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける(紀貫之)

 おはようございます。

 まだ外は暗いなあ。
 昨日も、雨模様で1日暗かった。
 週の始めですが、もう朝からフル回転です。


人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける

 一昨日、紀友則を紀貫之と間違っていましたが、今回は本物の紀貫之。

紀貫之(きの つらゆき。866年または872年頃?ー945年?)
   平安時代前期の歌人。『古今和歌集』の選者のひとり。
   また三十六歌仙のひとりでもある。紀友則は従兄弟にあたる。
   初の勅撰和歌集である『古今和歌集』を紀友則・壬生忠岑・
   凡河内躬恒と共に編纂し、仮名による序文である仮名序を執筆した。
   日本文学史上において、少なくとも歌人として最大の敬意を
   払われてきた人物である。
   『土佐日記』(とさにっき)は、紀貫之が土佐国から京に帰る
   最中に起きた出来事を、虚構を交えて綴った日記文学である。
   (「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」)

 この歌を何も調べず第一勘で解釈すると

「ふるさとの人は、私の(もっと出世したかったのに、できなかったという傷心の)気持ちをわからない、しかし梅の花は昔からの同じ匂いで変わらず私を迎えてくれる」

かな?

学研全訳古語辞典
いさ
   [一]感動詞
     さあねえ。ええと。
     出典枕草子 七日の日の若菜を
     「『何とかこれをば言ふ』と問へば、とみにも言はず、
      『いさ』など、これかれ見合はせて」
      [訳] 「なんとこれ(の名)を言うのか」と聞くと、すぐには答えず、
        「さあねえ」などと言って、あれこれ顔を見合わせて。
   [二]副詞
     〔下に「知らず」などを伴って〕さあ、どうだかわからない。
     出典古今集 春上
     「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香(か)ににほひける」
      [訳] ⇒ひとはいさ…。
      注意「いざ知らず」などと濁るのは近世以降の誤用。「いざ」は別語。

 
ということは「私の気持ちなんて、さあ、どうだかわからない」となるのかな。


もずらいとさんからのコメント

>注意「いざ知らず」などと濁るのは近世以降の誤用。「いざ」は別語。

 こういう辞書はいかんですね。だいたい平安・鎌倉時代には濁点表記はなかったのですからほんとうに「isa」としか発音していなかったのかはわかりません。「いさ」も「いざ」も間投詞で,英語で言えば「well...」みたいなものです。ですからどちらも「さぁ」という解説があります。それが「いざ」の方は「Let's」の意味合いが強くなったわけで。

 この歌は紀貫之が,昔はひんぱんに泊まった宿に久しぶりに行ったら「宿は昔のままありますのに」と皮肉を言われた際に返した歌とされています。ですので「人」はその宿の主人を指すというのが一般的な解釈で,こんな感じです。

 
 (たしかに宿はそのままだけど)人の心は,さぁて移り変わりやすいからねぇ。でも昔からなじみのここの梅の花は昔のまま咲いて香っているね。

という皮肉の歌です。古里はこの場合「故郷」という意味ではなく「古くから親しんでいる土地」という意味です。「梅」の花と特定したのは,古今集のこの歌の序で梅の枝を折ってこの歌を詠んだという解説があるからです。

 この宿の主人が男か女かで情景が分かれますし,このような話を知らなければ心変わりを責める恋歌ともとれます。ちなみに宿の主人はこの歌を聴いて「花だにも同じ香ながら咲くものを植ゑたる人の心知らなむ」という返歌を詠んでいます。私は仲の良い間柄でわざと皮肉っぽく「久しぶりだなぁ」ということを詠みあったのではないかと思いますが。

 歌の構造としては,上の句はア段で終わる言葉がみっつあり,1・3・4句は語頭がハ行でリズムを作っています。



もずらいとさん、どうもです。

>平安・鎌倉時代には濁点表記はなかったのですから
>ほんとうに「isa」としか発音していなかったのかはわかりません

あっ、そうか「ひかり」を「ぴかり」と発音してたかもしれないのと同じで、
「いさ」を「いざ」と発音していたかもしれないわけや。
「表記」が無かったから、「行動」も無かった、とは言えない・・・
なんか、今でもいろいろなところでありそう。

>古里はこの場合「故郷」という意味ではなく
>「古くから親しんでいる土地」という意味

なるほどなあ。

>この宿の主人が男か女かで情景が分かれますし,
>このような話を知らなければ心変わりを責める恋歌ともとれます。

>宿の主人はこの歌を聴いて
>「花だにも同じ香ながら咲くものを植ゑたる人の心知らなむ」
>という返歌を詠んで

ということなら、これは男女の間柄と考えていいんじゃないでしょうか。
だいたい男同士でこんな内容の歌をやりとりするだろうか・・・
(でも、大河ドラマの平清盛でも男同士の愛も描写されてたなあ・・・)
posted by kingstone at 05:53| Comment(1) | TrackBack(0) | よしなしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月09日のつぶやき














































posted by kingstone at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | よしなしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする