いちから聞きたい放射線のほんとう
菊池誠×小峰公子
なんとなく新聞記事など読んでても、はっきりわかっていなかったことがたくさんあるので、読書メモでまとめてみました。間違ってるかもしれないから、興味のある人は本を買って下さいね。
周期表の見方
137…中性子+陽子の数(この場合、陽子は55個だから中性子は82個)
Cs…元素名
55……陽子の数(略すこともあり)
陽子の数が同じで中性子の数の違う物を同位体と呼ぶ
安定か不安定かは陽子の数と中性子の数のバランスで決まる
セシウムにはセシウム133・セシウム134・セシウム137の3種類
セシウム133が安定(放射線は出さない)
カリウムはカリウム39・カリウム40・カリウム41の3種類ある。
ほとんどはカリウム39(安定)
カリウム41(安定)
カリウム40(不安定。放射線を出す。全体の1/10000。つまり0.01%)
自然界のカリウムには必ずカリウム40が含まれていて、
分けることは不可能。
だから我々の身体の中にも必ず存在する。
原子核が壊れて出てくる放射線の種類
α線…陽子2個と中性子2個がくっついた物(ヘリウムの原子核と同じ)
がビューンと飛んでくる。
紙1枚とか服1枚とか、さらに皮膚(死んだ細胞の集まり)
の表面とかでも止まる。
だから外部被ばくとしては心配ない(?)
しかし、内部被ばくの場合は問題。
ラジウムはα線を出してラドンに変わる(陽子と中性子を出して
原子番号が変わるから)。
そのα線が電子をつかまえてヘリウムとなる。
それを取り出してヘリウムガスとして利用する(鉱物資源)。
β線…放射性セシウムや放射性カリウムは中性子が多くて不安定。
で、中性子が壊れ、陽子と電子に変化。その時の電子が
ビューンと飛んでくる。(実はこの時、ニュートリノも出てくる)
セシウム137はβ線を出すとバリウム137に変化する。
(陽子+中性子の数は変わらず、陽子の数は増える。
中性子が陽子に変化したのだから)
5mm厚のアルミニウム板で止まる。
身体にあたっても皮膚で止まる。(って、皮膚ってどれだけ強いんや・・・)
なので、外部被ばくとしてはあまり心配ない。
しかし、内部被ばくだと問題。
γ線…光子がビューンと飛んで来る。セシウム137の原子核は
β線を出してバリウム137に変化しても不安定で、
さらにγ線を出して安定する。
γ線を止めるにはぶ厚い鉛とかコンクリート壁とかが必要。
(で、実は止まらず通り抜けるだけなら実害は無い。
通り抜ける途中でたまたま電子に当たるとその電子を
弾き飛ばす。するとその電子がビューンと飛んでいくが、
これはβ線と一緒。で、これが悪さをする)
(しかし・・・光子って粒でもあり、波でもある、という
ことだけど、わからないのが別の所で読んだ、
「光子に質量は無い」という話。質量が無ければビューン
と飛んできても、相手を傷つけることはできないような気
がするんだけど・・・「知ろうとすること」でも膨張しようと
する恒星が、光子を表面から外に出す圧力で縮もうとする力が
はたらき、バランスをとっている、という話があったけど・・・)
半減期
物理的半減期(放射性物質の数(原子の数)が半分になる期間)
ひとつの原子核がいつ壊れるかは誰にも予測できない。
しかしたくさんあれば、どれだけの放射線が出るかは予測できる。
例「減塩用食塩」塩化ナトリウムの代わりに半分くらい
塩化カリウムを入れている。
100g中カリウムが30gほど含まれていて、
その0.01%が放射線を出すカリウム40
重さでは30gの0.01%(1/10000)だから0.003g
これが原子の数で言うと5000京個。(京は1兆の1万倍)
5000京個のカリウム40があれば、毎秒900個くらいが
壊れてベータ線を出す。(カリウム40の半減期は13億年)
つまり900Bq(ベクレル)
生物学的半減期
おしっこやうんちやその他(汗もだろうな)なんかで体の中から
半分になる時間。
単位
Bq(ベクレル)
そこにある放射性物質の原子が1秒間に何個壊れるかを表す単位。
1個なら1ベクレル。(でも、原子の数はわかるのかな?出てくる
放射線の数は計測しやすいだろうけど・・・(ただし、どの原子
だと、壊れる時に何個の放射線が出てくるかはわかっている)
なお、人は誰でも、毎日カリウムは3gくらい食べているから、
毎日100Bq弱は誰でも食べてる。
大人の身体(体重60kg想定だと思う)には4000Bqくらいの
カリウム40がいつでもある。
また炭素14とか他の放射性物質を合わせると6500Bqくらいの
放射性物質がからだの中にある。(ってことは1kgあたり
100Bq強くらいね)
Sv(シーベルト)(同じ単位を使ってて意味が違うことがあるので注意)
実効線量
身体全体への放射線の影響の大きさ
100mSv被ばくすると、がんによる死亡率が0.5%増える。
(1000人の人がいてガンで死ぬ人が1/3とすると333人が
何もしないでもガンで死ぬ。その上にさらに5人増える、
ってことだな。あと問題は死期がどれだけ早まるか、ってことか)
等価線量
内部被ばくに関するもの
α線は「同じエネルギーでもβ線やγ線よりも20倍ダメージが大きい」
ということにした。
こうして、身体の吸収したエネルギーのうちα線を20倍し、
他の放射線のエネルギーと合計したものを「等価線量」と呼ぶ。
必ず1kg当たりで考える。
(なお、甲状腺の大きさは20gくらい。だから、実際に出た
エネルギーより記述されるエネルギーは50倍くらい大きい。)
なお、臓器によって放射線を受けた時の影響に違いがあるので、
その影響を考え(組織荷重係数)た上で、身体全体への大きさを
見積もったものが「実効線量」
空間線量率 Sv/h(シーベルト毎時)で表す
そこに1時間いたら、それだけ被ばくしそうです、という意味。
「シーベルト」と「シーベルト毎時」をごっちゃにしない。
0.1マイクロシーベルト(μマイクロはmの1/1000)のところに
1年間いたら、1年は約9000時間だから、被ばく量はだいたい
0.9ミリシーベルト。
預託実効線量
食べた物からどれだけ被ばくするかを、(放射線は徐々に出て
くるわけだけど)食べた時点であらかじめ実効線量を計上して
おく。食品の基準はこれになる。現在は、年間の預託実効線量が
1mシーベルトにならないように決められている。
なお、預託実効線量の計算には、大人は50年分、子どもは70歳
になるまでの実効線量。
カリウム40の場合、1年間に3万5000Bqくらい食べ、それによる
内部被ばくは預託実効線量が1年間で0.2mシーベルトくらい。
日本人は自然放射能による外部被ばくと内部被ばくで年間1.5mシーベルト
と言われていたのが、最近、ポロニウム210(魚に比較的多く含まれてる
らしい)による内部被ばくが思っていたより多く、2.1mシーベルトという
ことになった。しかし、これでも世界平均より少し少ないくらい。
(魚を食べるといいこともあるし、結局、いろいろなものを満遍なく
食べるのがいいのだろうとのこと)
○化学反応は原子核の中には影響しない
○生き物のからだの中では原子核は変えられない
(こんなの当たり前だと思ってたが、そう思ってない人も結構いるみたい)
エステーのエアカウンターがアマゾンで新品が4000円台で売ってる。
神戸には有馬温泉もあるし、先日、神戸新聞にラドン温泉のでっかい広告が載ってたし、一度測りに行ってみたい。
「知ろうとすること。」を読む