おはようございます。
まだ外は真っ暗です。
痛み・下痢・発熱のトリプルパンチでしたが、少し落ち着いたかな。
ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
これは昔、竜田川という相撲取りがいて・・・違う・・・
この歌は在原業平。
一つ前の歌が中納言行平だから、兄弟で歌が並んでるんだ。
学研全訳古語辞典
ちはや−ぶる 【千早振る】
分類枕詞
@荒々しい「氏(うぢ)」ということから、
地名「宇治(うぢ)」にかかる。「ちはやぶる宇治の」。
A荒々しい神ということから、「神」および「神」を含む語、
「神」の名、「神社」の名などにかかる。
なるほど、「ちはやぶる」にもちゃんと意味があるんや。
で「荒ぶる」に感じが似てるなあ、と思ってたら、やっぱり似たような意味があるんだな。
こちらはWikipediaから
鮮やかな濃い紅色のことで、深紅の色を指す。
紅色の美称としても使う。
古くは韓紅の表記が主で、定説は朝鮮半島の
「韓から渡来した紅」より舶来の意味とされるが、
別の説もある。韓紅花と表記する事も多い。
「荒々しい神の時代にも聞いたことのないような不思議なことが起こったよ。竜田川が深紅に染まり、川の水が括り染めになってしまったよ」
か。
「くくりぞめ」ってのは「しぼりぞめ」「鹿の子絞り」なんかと同じかな?
もずらいとさんからのコメント
意味はほとんどそのとおりですね。付け加えるとしたら,深紅に染まったのは「紅葉で」いうくらいです。
また,この時代になると「ちはやぶる」は枕詞として元の意味は重視してないので「荒々しい」と直訳するのではなく「いろいろ不思議なことが起きた(神話の時代でも聞いたことがない)」と意訳します。「枕詞は意味がないので訳さなくていい」と教えるのは古今集の時代には,実際わざわざ訳すほどの意味がなかったからです。なお「ちはやぶる」は「千+荒ぶる」という説があります。「すごく荒々しい」ということで,昔の神様というのは雷とか台風とか大雨とか荒々しい存在だったのでしょうね。
この歌は二条后(清和天皇の皇后)の東宮の御息所に呼ばれた際に,屏風の紅葉が流れる龍田川の絵を見て即興で詠んだものだそうです。
落語の「千早振る」は昔の歌には濁点と半濁点がなかったことをうまく利用しています。落語の方だと
千早振る,神代も聞かず龍田川,から呉れないに,水くぐるとは
となります。つまり「ちはやぶる」→「ちはやふる」,「くくる」→「くぐる」です。
もずらいとさん、どうもです。
>この時代になると「ちはやぶる」は枕詞として元の意味は重視してない
9世紀というと、もうとんでもない大昔ですが、「ちはやぶる」という言葉が作られた頃からすると、すごく時間がたってるんですね。確かに、今から200年ほど前の江戸時代の文は、私には意味がとれないところがたくさんあるし。
>昔の神様というのは雷とか台風とか大雨とか荒々しい存在だったのでしょうね
今でも最近あちこちで起きた災害を「荒々しい」と思いますが、当時だともっともっと荒々しくて、ほんと神様に頼るというか、許しを乞う(?)しかなかったのでしょうね。
>落語の「千早振る」は昔の歌には濁点と半濁点がなかったことをうまく利用
ははあ。
言われてみればそうやなあ。