大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院
私、「大いなる沈黙」と間違って覚えてました。
「へ」がいるんですね。
元町にある、元町映画館という小さな映画館でやってました。
17:40からの上映で、私は16:30くらいに着いて、先にチケットを購入してました。
で、軽く御飯を食べ、ぎりぎりに行くと、既にほぼ満席・・・
最後の2席が空いてて、私の買ったチケットに整理券がついてて、「座っていいですよ」とのことでなんとか座れました。で、ほぼ3時間の長丁場の上映ですが、みなさんもう真剣に見てる、って感じでしたね・・・
山の中の修道院。
ケルンの聖ブルーノ(1030〜1101)が作ったカルトジオ修道会は最も戒律が厳しいことで知られているそう。
シャルトルーズはフランスのグルノーブルとシャンベリの間、フランスアルプス山脈の中にある。
裏にある山がまさに岩峰で、アイガー北壁を小さくしたような形のもありました。
平日の暮らしの中では基本的に沈黙。会話はしない。(ただし、仕事に必要な会話とか、儀式とかでは対話してた。また聖歌も歌うし。)
日曜日と、特別な日は外に出て、また会話をすることも進められている。
でも、山の中で、冬は雪が多いし、閉じこめられるのでは、と思ったら、雪のある時に、さらに山を登って行って、斜面をお尻で滑ったり、立って靴のみで滑ったり(グリセード)して遊んでました。一人だけスノーシュー(輪カンジキ)を担いでた人がいたな(履いてたかどうかはよくわからない)。
また日曜日と特別な日はみんな揃って食事をする。
つまり、その他の日は、それぞれ思い思いのところで食事をする。
入山(?)した人は、出ていくのはいつでも自由。また、修道院長はその人が合わないと感じれば、いつでもやめさせることができる。それは入山式(?名前が違うだろうけど・・・)の時に宣言されてる。
日本で言えば、永平寺みたいなもんか、とも思うけど、永平寺の場合は全員が出家者(僧侶)だけど、修道院の場合は普通の修道士は司祭じゃないというか、神父さんじゃないというか、そこが違うよな。でもって、戒律も禅房の方が厳しいかも・・・しかし「厳しい」の質が違うのか。永平寺とかだと「苛烈」みたいな感じで、シャルトルーズの場合は淡々と継続する「厳しさ」なのかもしれない。
で、大きな修道院をなんか20人余りで運営してる。(たまたまなのかな?集まった時の人数を数えてみましたが、25人よりは少なかった。他にももっといるんだろうか?)
でね・・・監督が映画撮影の許可を申請して、許可が出たのが16年後、というのが宣伝文句にもなり、パンフの中でも感心されてるのだけど・・・
映画の中で、いろんな仕事をしている修道士さんが出てきます。
で、事務処理をしてる修道士さんもいました。
広い机がお世辞にも整理された状態とは言えない書類が積み上がっています。(むしろ散乱している、と言った方が適切)その山の向こうに、IBMのロゴがついたノートパソコン、ThinkPadの蓋(液晶の裏面)が少しだけ見えていました。一応パソコンを使ってデータを入れてるのだけど、まあゆっくり、ゆっくり・・・(確かに時間の流れは違う・・・)
で、16年後というのは、それだけ慎重に考えた、ということではなく、単に事務処理ができなかったからなのではないかと・・・(しかし、それはそれで「すごい」ことか・・・よく申請の手紙が無くならなかったものだ・・・)
いろんな意味で迫力のある映画でした。