古市憲寿(ふるいちのりとし)
著者が2010年の終わり頃にNYタイムズの支局長さんから受けた質問。
「日本の若者はこんな不幸な状況に置かれているのに、なぜ立ち上がらないんですか?」
著者の回答。
「なぜなら、日本の若者は幸せだからです」
この回答をデータとか観察とかで証明していった本かな。
「若者」と「青年」という言葉の使われ方から。
「若者」のほうが古い。「平治物語」(1220)の中で「悪源太は二度まで敵を追出すぞかし。すすめや、若者」と出てくる。
また「蜻蛉日記」(974)に「若人」は出てくる。
現在放映中の大河ドラマ「八重の桜」を見ていたら、先週から熊本洋学校をつぶされて同志社英学校にやって来た青年達「熊本バンド」の面々が登場しました。こいつらがまあ実にエリート意識丸出しでやな「青年」「若者」と描かれていたのですが、その中の一人、小崎弘道(後に同志社第2代総長兼校長。ドラマでは古川雄輝がやってる)が「青年」という言葉を作ったみたい。Wikipediaから。
「青年」という言葉は、東京キリスト教青年会創設の際小崎が“Young Men's Christian Association”を「基督教青年会」と翻訳したときに生まれた。また、“Religion”を「宗教」と訳したのも小崎である。なおそれ以前は福澤諭吉が「宗門」「宗旨」と、中村正直が「法教」と訳していた。
1880年(明治13年)にYMCAを作らはったんやね。
内閣府の「国民生活に関する世論調査」2010
20代の70.5%が現在の生活に「満足」していると答えている。
他の世代
30代 65.2%
40代 58.3%
50代 55.3%
上の世代ほど文句言い??でもよく見ると半数以上が「満足」してるわけだ。
ところでこの内閣府の「国民生活に関する世論調査」の年代別生活満足度の推移(ただし、ここにあるデータは男性のみ)を示したグラフがP99にあるのだけど、これが面白い。生活満足度が低い年齢層を見ていくと
1970年 20代
1980年 30代
1990年 20代から40代ほぼ一緒
2001年 40代から50代ほぼ一緒
2010年 50代
2010年は別として、まあほぼ今60代くらいの人がずーーっと「満足してない」と言い続けてきた感じ??(でも2010年には60代の満足度は65%と急上昇している。退職して不満が減ったのか?それとも不満を言う人たちは死んじゃった??)
しかし・・・満足度が低くても50%なんだよね。これってすごくない??
ただ、「満足度が高い」ということは「あきらめてる」という言い方もできるかもしれない。で、今60代くらいの人たちは「あきらめてなかった」人たちなのかも。いわゆる全共闘世代だよね。
ふむ〜〜。「足るを知る」ということ大事だし、それは何かを「あきらめる」ことから生まれる面もあるよな。また教育ってのは、自分自身で「適切にあきらめる」ことができるようにしていくことでもあるような気はする。(「適切に夢をもつ」ということでもある)
ふむ。ふむ〜〜。