「タッチ」を道徳教材として取り上げた思い出。
取り上げるに至った状況。
通常校、通常学級3年だったか、4年生だったか・・・私の学年は3クラス。クラス対抗サッカー大会を間近に控え、クラスの子どもたちは「kingstone先生は、この学校に来てから、クラス対抗スポーツ大会でまだ優勝したことがない(お兄さん、お姉さんから聞いて子どもたちはちゃんと知ってるわけです)。俺たちの手で初優勝させるんだ」とが燃えに燃えていた。(まじで・・・(^_^;))
ところが我が学年の学年主任の先生は何というか・・・非常に問題のある先生だった。自分の思いだけで授業をし、子どもを置いてけぼりにしやる気をなくさせる。あるいは家の事情で学校徴収金を持って来ない子に対し、「お前の親は悪い親だ」と子どもに向かって言う・・・etc.
で、サッカーの学年合同練習の時も審判として笛を吹くのだが、全然子どもたちが納得できない笛を吹く。(子どもたちが納得できない、というより、どう見ても変な笛)で、我がクラスの子どもたちから「あの笛では戦えない」とその先生に対する抗議行動が起こりそうな雰囲気だった。
この雰囲気はまずいなあ・・・と考えた。で道徳の授業でこうやった。
「タッチ」あだち充著の小学館サンデーワイドコミックスで言えば11巻(最終巻)p40~P41の見開きのコピーを人数分用意する。
この場面は夏の甲子園、県大会決勝、明青学園高校(先攻)対須見工業高校(後攻)
延長10回の表に、上杉達也のホームスチールで1点勝ち越し。
10回の裏、須見工業の攻撃。タツヤも一人で投げてきてもう力も残っていない。1アウト二塁でバッターが痛烈なピッチャーライナー。タツヤは取り、二塁に投げたがが微妙な(明青側にとってはアウトと思える)タイミングでセーフ。
明青ナイン「あ、あれはどう見てもアウトですよね。監督!」
柏葉監督「 」
明青ナイン「ね!」
柏葉監督「おれは審判じゃねえ。」
明青ナイン「で、でも、あれがアウトなら甲子園なんですよ!」
柏葉監督「審判が信用できないなら、野球なんかやめちまえ」
明青ナイン「で、でもお」
というシーン。
次は新田明男に回る。

このコピーを配ると教室が「ウオーーッ!」とどよめきました。
で、「じゃあこの場面、どんな場面かみんなに説明できる人」と言うともう勢いよく何本も手が上がります。そこでクラスのリーダー格で少年野球のレギュラー(学年は低いのですがうまかったのです)をあてました。彼は上記のようなことを丁寧に説明してくれました。
で、「な。こういう時、審判は絶対なの」とかいうふうに話を持って行きました。
あと「勝ったら嬉しいよなあ。でも勝った時喜び過ぎても相手に悪いやろ。そやからニコッとする程度にね。また負けたら悔しいよな。でもそういう時もニコッとしていような」みたいな話もしたかな。
いよいよ、クラス対抗サッカー大会。
3チームか4チーム出て、我がクラスが圧倒的に強くて優勝しました。しかしリーダー格の子のチームはやはり予想通り「学年主任の笛」で負けました。(これが無かったら完全優勝だった)もうめちゃくちゃ悔しがっていましたが、抗議行動は起こりませんでした。
いや、まじな話、あの授業をしてなかったら、やばかったと思う・・・
posted by kingstone at 21:30|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
本・記事・番組など
|

|